「石橋を叩いても渡らない日本人」「橋がなくても川を渡る外国人」
ICT教育の目的
現代社会において、ICT(情報通信技術)を活用した教育は欠かせないものとなっています。小学校におけるICT教育の目的は、大きく以下の2点に集約されます。
1.児童生徒の学力向上と情報活用能力の育成
・デジタルツールを活用しながら、論理的思考力や問題解決能力を高める。
・正しい情報の取捨選択や活用方法を学び、より善きデジタル市民としての素養を身につける。
2.先生のICT教育スキルアップと業務負担の軽減
・ICTツールを活用することで、授業の効率化や教育の質向上を図る。
・業務のデジタル化により、先生の負担を減らし、より教育活動に集中できる環境を整える。
ICT教育の5つのメリット
ICTを活用することにより、以下のような利点が得られます。
1.わかりやすい授業デジタル教材や動画コンテンツを活用することで、視覚的に理解しやすい授業が可能になります。
2.学習の効率化個別最適化された学習支援ツールを用いることで、児童の理解度に応じた学習が進められます。
3.校務の効率化デジタル出欠管理や成績管理システムの導入により、先生の負担が軽減されます。
4.個別学習/協働学習オンライン教材や共同編集ツールを用いることで、児童の個別学習の充実や協働学習の機会が増えます。
5.情報活用能力児童がデジタル情報の取扱いやリテラシーを学び、社会で活躍するための基礎を養います。
ICT教育の4つのデメリット
一方で、ICT教育には以下のような課題も存在します。
1.端末管理の負担やトラブルのリスク(情報モラル)機器の管理や、インターネットの安全な利用に関する教育が不可欠です。
2.授業準備に時間がかかる可能性(先生のスキル)ICTツールの活用には、先生側のスキル向上が求められます。
3.児童生徒の考える力・読書量・書く力の低下の可能性ICT活用が増えることで、手書きの機会が減少し、深く考える時間が短くなる懸念があります。
4.教師が機器やツールに頼りすぎる可能性ICTが万能ではなく、児童との直接的なコミュニケーションの重要性を忘れないことが大切です。
ICT教育カリキュラムの意義
ICT教育の導入には、明確なカリキュラムが必要です。その目的と効果はズバリ
【ICT教育の可視化】
です。
現在、学校現場でのICT教育の最大の課題は、
「何をやっていいのかわからない。」
「どこまでやればいいのかわからない。」
という状況です。そこで、ICT教育カリキュラムを組むことで、
「やるべきことが明確になる。」
「どこまで進めればよいかが分かる。」
このように可視化することで、先生方の精神的・業務負担を軽減し、児童生徒のICTスキルと学習の効果をより強化することができます。
現場の課題とカリキュラムの提案
「忙しいから」「時間がないから」「何をやっていいのかわからないから」「パソコンは苦手だから」先生方の働き方を見ると、ICT教育に取り組むのが厳しい状況であることは理解できます。しかし、積極的にICT教育を実践している学校の先生は忙しくないのでしょうか?
答えはNOです。多くの先生方は、効率的にICTを活用することで、学習指導と業務の負担軽減を両立させています。
そこで、私がGIGAスクールサポーターとして2年間、ICT支援員として1年半、実際にICT教育の現場に関わってきた経験から、一つの解決策として 「小学校におけるICT教育カリキュラム」 を提案していきます。
もちろん、このカリキュラムはあくまで取っ掛かりであり、各学校の実情に応じたブラッシュアップが必要です。
ICT教育は、一度導入して終わりではなく、継続的な改善と進化が求められます。学校ごとに最適なカリキュラムを作り上げ、児童生徒にとってより良い学習環境を整えていくことが重要です。
まとめ
ICT教育は、児童生徒の学びを深め、先生方の業務負担を軽減する可能性を持っています。
しかし、効果的に導入するためには、
・明確なカリキュラムの策定
・先生方のICTスキル向上
・学校全体での協力体制の構築
が不可欠です。
これからの教育現場では、「ICTをどう使うか」が問われる時代です。私は、自身の経験を活かし、先生方とともに最適なICT教育カリキュラムを作り上げていきたいと考えています。



