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土岐泰弘プロは愛媛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

「永年使っているマルニ木工さんの椅子の籐がやぶれたんです・・・。」

土岐泰弘

土岐泰弘

テーマ:籐の張り替え修理(三次曲面タイプ)

「いろいろと探しましたが、やっぱりこの椅子がいいんです・・・

「背中の籐がこんなにやぶれてますが、直せますか?」
「新築してから30年くらい使ってきて愛着があるので、これからもずっと使いたいし、探してもテーブルに合う椅子がなかなか無いんです。」
愛媛県新居浜市・T様からお問い合わせをいただきました。
マルニの椅子④
TOKI家具館メンテナンスでは下の写真のように、ダイニングチェアの背もたれに張っている籐シートの張り替え修理を多くいただいています。
T様からお預りの椅子は、前列より2番目に置いてあるマルニ木工さんの少し変形背もたれのダイニングチェアです。
このように背もたれが二重構造になってますと、背もたれ桟木をよけながらの作業となりますので作業時間がかなりかかることが予想されます。

マルニの椅子②
マルニの椅子③
T様がお使いのマルニ木工製ダイニングチェアは、籐シートの下部張りじまいと補強用隅木が隣接していて兼ね合いが工夫されてました。

工夫している作業を元通りに修理作業するために写真を撮っておきます。
マルニの椅子⑤

修理作業中①/新しい籐シートの張り込み作業

T様のダイニングチェアに張り込んでいた籐シートは、カゴメ編み(亀甲・大)ですので、オリジナル通りの籐シートを用意しました。
カゴメ編み籐シート
やぶれた古い籐シートを剥ぎ取り、新しい籐シートと籐の丸芯を適量用意しました。
剥ぎ取った古い籐シートは、塗装色サンプルとして使うため作業が終わるまで取り置きしておきます。
マルニの椅子⑥
新しい籐シートを張り込むことができました。
籐シートの張り込み作業で大切なことは、できるだけ水平で左右対称に張り込むことです。
マルニの椅子⑦
籐シート周辺部の引っ張り代を切り取り、接着剤を溝に入れて籐の丸芯を埋め込んでいきました。
マルニの椅子⑧
籐の丸芯を埋め込む作業は、十分なクセ付けや仮り入れするなど慎重に進めないと割れてしまうこともあるため慎重に作業します。
マルニの椅子⑨
籐シートの下部張りじまいと補強用隅木が隣接している部分もきれいに張れました。
籐シートを木製フレームに直打ちする場合は、本皮革やニードルパンチで押さえて張り上げました。
マルニの椅子⑩
4脚すべての籐シートが張り込みできますと、接着剤が完全乾燥までしばらくの間は養生して籐シートをおちつかせておきます。
マルニの椅子⑪

修理作業中②/籐シート周辺の養生作業+ウレタン塗装作業

新しい籐シートの張り込み作業ができますと、ダイニングチェアのフレーム色に近い色となるよう籐シートへウレタン塗装していきます。

この時に大切なのが、籐シート周りの養生です。これはフレームに塗料が付かないようにするために必要な作業です。
マルニの椅子⑫
ウラ面も表面同様に養生しました。
マルニの椅子⑬
続いて大切なことは、これまで張っていた古い籐シートやフレーム色を見本とした、着色塗料の調合およびサンプル塗りです。
3種類くらいの着色剤(ステイン)を用意して調合し、サンプル塗りを繰り替えし、新しい籐シートに塗る着色剤(ステイン)を作ります。

着色剤(ステイン)の調合作業は、新しい籐シートを張る時に切り取った引っ張り代を合板に貼り付けて利用しています。
マルニの椅子⑭
着色剤(ステイン)の調合作業が決まると、新しく張り込んだ籐シートへ刷毛塗りして完全乾燥まで養生しておきます。
マルニの椅子⑮
続いて、T様のダイニングチェア4脚を塗装室へ移動させて、ウレタン塗装の工程に移ります。
マルニの椅子⑯
TOKI家具館メンテナンスで永年愛用しているウレタン塗料は、大谷塗料さんの環境配慮型のセーフティワルツです。
ウレタン塗料
現在の塗装室では、多くいただいているダイニングチェアの籐シート張り替え修理のほか、多くの家具塗装を順番にこなしています。

狭い塗装室のため、吹き付け作業ができますと、乾燥まで壁沿いに寄せて養生しています。
T様からお預りの椅子は、右壁面に並べてあるマルニ木工さんのダイニングチェアです。
マルニの椅子⑰

修理作業後/基本木工作業を経て完成です。

籐シートの張り替え作業ができますと、既存の座面を取り付けして、水平バランス調整などの基本木工作業を経て完成です。

TOKI家具館メンテナンスでは、どのような家具でもお届け前に、それぞれの家具の特性にお応じた基本木工作業を欠かさないようにしています。
マルニの椅子⑱
新しい籐シートを張り上げた様子です。
『籐の張り替え』と申しましても、このように一つ一つの工程を大切に進めての完成なんです。
T様、ご依頼いただきありがとうございました。土岐泰弘
マルニの椅子①

「愛媛経済レポートさんの記事を紹介します。」

人手不足の時代でありがたいことに、TOKI家具館メンテナンスの職人スタッフは現在3名で平均年齢は現在37歳です。

当店の家具職人は、
家具製作に必要な職業訓練を受け、かつ国家検定 家具製作技能士有資格者と限定しています。
これは、お客様の大切にしてきた家具の加工をさせていただく仕事には必要な条件だと思っています。


2024年春までですと、私一人がドタバタしてましたが、現在は3名がそれぞれの長所を生かして分担して作業しています。

例えば、今回のT様の作業で例えると、
◆仕事の受注→土岐泰弘(私)
◆修理前ダイニングチェアの引き取り→土岐泰弘(私)・土岐直史
◆座面の取り外し・古い籐シートの剥ぎ取り・新しい籐シート周りの養生・座面の取り付け・基本木工作業→土岐(旧姓 保木口)永莉
◆新しい籐シートの張り込み・ウレタン塗装作業→土岐泰弘(私)
◆修理後ダイニングチェアの配達→土岐直史・土岐(旧姓 保木口)永莉

分担作業で、私が一番変化したこと・・・
それは、20歳代の若い職人が一生懸命してくれたことに対する感謝の気持ちからくる「より良いものに仕上げたい」という想いがこれまで以上にわいてきたことです。
若い職人スタッフには、心から感謝しています。


愛媛経済レポートさん、ありがとうございました。土岐泰弘
愛媛経済レポート

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土岐泰弘
専門家

土岐泰弘(家具の製作・販売・修理業)

有限会社土岐家具店(屋号:TOKI家具館メンテナンス)

私は、経営者+家具職人+営業マンです。“めんどくさい系”の家具の仕事である修理、リノベーション家具製作の相談に、心を込めてお受けしています。令和2年、商標登録「家具の想談館」を取得しました。

土岐泰弘プロは愛媛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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