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コラム

弁護士は六法全書を覚えているか

2014年12月6日

コラムカテゴリ:法律関連

相談者や依頼人と話しをしている際にたまにある質問が,
「弁護士の先生は,六法全書を全部覚えているのですか?」
というものがあります。

答えは,
ノーです。

これは,なにも私が不勉強だからというわけではありません。
日本全国津々浦々,どの弁護士も誰一人として六法全書を
暗記している人はいないと断言できます。

また,これは弁護士に限りません。
最高裁判所長官を含め,裁判官の誰一人として,
検事総長を含め,検察官の誰一人として,
六法全書を暗記している人はいないと断言できます。

そもそも六法全書とは,法律や規則,条約などを集めて掲載している
法規集といったようなものです。
ちなみに,六法とは,憲法,民法,刑法,商法,刑事訴訟法,民事訴訟法
を指します。法律の中でも,もっとも基本的でかつ重要な6つの法律ということです。
六法全書には,この6法のみならず,たくさんの法規が掲載されています。

法律家は,重要な条文については,そのまま覚えているものもありますが,
基本的には,条文の意味やその条文が出来た理由(制度趣旨),
条文の適用場面などを理解し把握していれば,事足ります。
また,細かい条文については,その都度,六法全書を開いて確認すれば
足りるのです。

なお,司法試験の論文式試験においては,
各人に六法全書が貸与され,試験中に六法全書を
見ながら答案を作成することが許されています。

私の受験時代の話しですので,今はどうなっているかわかりませんが,
この六法全書は,試験終了時にはおみやげとして持ち帰ってよいことになっており,
ちょっとした記念品になっていました。
また,私の受験時代には,論文式試験の前に択一式試験(マークシート式)があり,
この択一式試験に合格した人だけが論文式試験を受験することが出来ましたので,
この論文試験で貸与される六法全書を持っていることが,
「私は択一には受かっているのよ。」という
ある種のステータスになったりもしていました。

この記事を書いたプロ

佐藤清志

困っている人の力になりたい!法律のプロ

佐藤清志(佐藤法律事務所)

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