愛人の子

佐藤清志

佐藤清志

とあるA男という男性がB女と結婚し,C男という長男を授かりました。
A男は,必死に働いて妻のB女と長男のC男を経済的に養い,
B女は,家事育児を一手に引き受け家族の生活を支えました。

しかし,A男は,B女という妻がいるにも関わらず,
D女(愛人)との間で浮気をした挙げ句,
E男という子をもうけました。
その後,A男は,D女(愛人)との間の子E男を認知し,
養育費も払ってその生活を支えました。
D女は,E男の育児を一人で背負ったばかりか,
A男の事業を手伝ってその事業の発展に大きく貢献もしました。

妻子2組を養ってきたA男は,
がんばりすぎたせいでしょうか,B女,C男,D女,E男
を残して,この世を去ってしまいます。

このときのA男の遺産相続に関しての法定相続分は,
妻B女が2分の1,C男が3分の1
D女はゼロ,E男は6分の1となります。

まず,妻B女とD女では
一方が2分の1という大きな持ち分があり,
一方はゼロという大きな違いがあります。
これは,民法が法定相続分を有する者を
「配偶者」と明文で規定しているためです。
D女は,妻ではなく「配偶者」ではない以上,
法定相続分は一切ないということになってしまうのです。

次に,C男が3分の1,E男は6分の1となっており,
C男は,E男の2倍の法定相続分を有していることになります。
これは,民法が,非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1とする
と明文で規定しているためです。
嫡出子とは,婚姻関係にある男女から生まれた子をいい,
非嫡出子とは,婚姻関係にない男女から生まれた子をいいます。

このB女,C男,D女,E男の
法定相続分の結論については,
違和感を感じられた方も多いと思います。

この違和感については
今度のコラムにて,,,,




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佐藤清志
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佐藤清志(弁護士)

佐藤法律事務所

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