離婚裁判,その後

佐藤清志

佐藤清志

前回のコラムで,高嶋さん夫婦の離婚訴訟について
当然,被告より控訴されるものと思って書いてました。

しかし,結果は,原告である夫・高嶋さんによる
訴え取り下げでした。
訴えの取り下げとは,
原告が,一度振り上げた拳をおろし,
「最初から訴訟なんてなかったよ。」
ということにする原告の一方的な訴訟行為です。

一審で,夫の方が勝ったのに
何故,勝った方が訴えを取り下げたのか
と不思議に思う方が多いと思います。

しかし,その後,この夫婦は協議離婚によって
離婚が成立したとのことです。

夫婦の一方が離婚したい,一方が離婚したくない
と言っている場合,離婚届を出すことはできません。

調停-訴訟(第一審)-訴訟(第二審)が終わるまで
約1年~3年という長い過程を経て,判決をもらい,
ようやく離婚に至るということも少なくありません。

このような過程を経て離婚することは
①時間がかかる
②お金がかかる
③精神的な負担がかかる
という理由から誰しも望むところではありません。

高嶋さんは訴えを取り下げた見返りに
「離婚届に判を押してもらう」
という非常に大きな利益を手にしています。
これによって,今後は,上記①②③の
不利益を受けなくて済むようになります。

「判を押したくない」と言っている人に
気持ちよく判を押してもらうということは
ホントに大変なことなんです。

離婚届に判子を押してもらうための代金(対価)
を高嶋さんが支払ったのかどうかは知るよしも
ありませんが・・・・

仮に,かなり高額な代金を支払っていたとしても
上記の①②③の不利益を回避できるのですから
その方がトータルで見ると圧倒的に
得ということになるかもしれませんね。



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佐藤清志
専門家

佐藤清志(弁護士)

佐藤法律事務所

女性でも話しやすい雰囲気を心掛けています。お子様連れでも大丈夫です。ストレスの大きい離婚問題では,弁護士に委任することでストレスが軽減されると思います。

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