不要な工事はお客さまにとってデメリット。瓦職人の経験を活かし、リフォーム全般や耐震補強をも担う（2/3）

お客さまが判断できないことを第三者的視点からチェック。工事の要不要も判断

　住み慣れた家でも、どこに不具合があり、どう対処すべきかは素人には判断しづらいもの。リフォーム業者に依頼するしかないのですが、中には利益を重視するあまり、不要な工事まで行う業者もいるようで、一時期ニュースなどで取り上げられたこともありました。この点を笹木さんにお聞きすると、こんなエピソードを話してくださいました。
「屋根に設置したテレビのアンテナに不具合があり、ある業者に点検を依頼した人がいました。するとその業者に『温水パネルから水漏れしている。雨漏りの原因になっているから今すぐ瓦をすべて取り替えたほうがいい』と言われたそうです。不安になったその人が私に『笹木さんに見てほしい』と依頼してきました。私が屋根に上がって確認すると、確かにホースから水漏れしていました。しかし瓦をめくってみると何の不具合もなかったのです」

　お客さまが判断できないことを、第三者的な視点でチェックできるのも笹木さんの強みのひとつで、こういう依頼も多いのだそうです。
「目に見えにくいところは、不安になりやすいものです。屋根に上がるのは危険も伴いますから、気になることがあれば何でも相談してほしいと思います」

＜次ページへ続く＞

【次ページ】緊急性のない工事は提案せず、お客さまにとってのメリットを最優先に考えた提案が信条

次のページへ