コラム
勘三郎さん告別式に思う
2012年12月28日 公開 / 2016年11月29日更新
いつもコラムをお読み下さいまして、ありがとうございます。
(社)ジャパン・パーソナル・ブランディング協会認定イメージコンサルタント、ビジネスマナー講師の城戸景子です。
故中村勘三郎さんの葬儀告別式での映像をニュースで見ました。
遺骨を持った長男勘九郎さんと次男七之助さんが、浅草、歌舞伎座など、
勘九郎さんゆかりの地を経て、築地本願寺での告別式でした。
皆さん、口をそろえておっしゃっていますが、
本当にたくさんの人に愛されたという事がわかります。
勘九郎さん七之助さんが喪主として、最後に挨拶をされる場面では、
思わずもらい泣きをしてしまいました。
梨園という特殊な世界で、父と子というだけでなく、
師匠と弟子としての人生を歩んでこられただけに、
最後の挨拶も立派なものでした。
特に、胸を打ったのは、
「助けてください」というくだりです。
「これから自分たちは、全力で頑張っていくけれど、それでもどうか皆さん助けてください」と。
大人の男性が、「助けてください」と頭を下げることなど、なかなかできません。
そう言えるのは、本当に強い人だけではないでしょうか。
その姿は、何年も前に七之助さんが、飲酒の末、警察官を殴ったとして逮捕された際の
謝罪会見での故勘三郎さんの姿を思い出させました。
言い訳はひと言もありませんでした。
むしろ息子を「こんなにバカだと思わなかった」と罵倒する場面もあったほどです。
会見中一貫して、
「すべて親の責任。親の教育が悪いからこのような事になった。申し訳ない」と謝罪された潔さに、
親の責任の取り方を教わりました。
ちょうど大物俳優や女優の息子さんが大麻疑惑などで会見を開くことが何度かあった頃でした。
その方々と比較して、勘三郎さんの見事な謝罪に感銘を受けたものです。
今日、「助けてください」と、深々と頭を下げた勘九郎さんを見て、
とても合点がいきました。
あの勘三郎さんの息子さんだから、
あのお父さんが育てた息子さんだから、
この言葉なのですね。
素晴らしい息子さんたちを残し旅立った勘三郎さん。
改めてご冥福をお祈りします。
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