発達障害 対処法 に迷ったら⑥~ペアレントトレーニング~
千葉県、市川市、船橋市の【My Piano room】ピアノ・音楽教室、矢田美麗です(^^)
今日は以下について投稿してみたいと思います。
音楽療育とは?
まず大前提として、「音楽療育」という言葉に明確な定義はなく、(今のところ、多分。笑)単純に「音楽」と言う言葉と「療育」と言う言葉を繋げただけである、ということを先にお伝えしておきます・・・・!
国語辞典にも今のところ載っていませんね。
おそらく、発達支援を行なっていく上で、音楽がとても有効であることにどなたかが気づいて、「音楽と療育」を一緒に出来ないか、と考えたのではないでしょうか。
当教室の認定講座にも「音楽療育インストラクター」がございます。
具体的にどんな内容なのか?こちらに少し記載してみたいと思います。
発達支援に音楽を
当教室の発達支援はピアノレッスンから始まりました。
ピアノ演奏というのは「The・マルチタスク」です。楽譜から様々な情報を読み解き、あれやこれやといろいろなことを考えながら演奏します。その瞬間は両手両足だけでなく、目、腕、指、身体、頭など、様々なことをしながら「音を出す」ということをしています。
「ピアノは猫でも弾ける」(猫が鍵盤の上を歩いただけでも音が出る)なんて言われますが、実はとっても複雑なことをしています。
さてその「The・マルチタスク」をいきなりやってみましょう!なんて言われても??難しいのは当然!
大人だって戸惑います。
それをさらに身体も手も指も小さな子どもから「習い事」としてスタートさせるわけですから、講師側にも工夫が必要ですね。
そこで工夫したのが当教室の「発達支援ピアノテキスト『ぴあのの〜と』です。
ここで少しポイントをお伝えします。
- 視覚優位のテキストで分かりやすい
- 通常の市販テキストと違って1曲1曲を細かく細分化
- 幼児から小学生低学年まで使える
- ステップアップが分かりやすく明確
などの特徴があります。
当教室の「発達支援ピアノ講師」養成講座は、このテキストの使い方だけでなく、発達障害の基礎知識も学んでいただけます。
より幅広く支援を広げたい
発達支援ピアノ講師のテキストを考案後も、私の中で何か物足りなさを感じていました。
もう少し特性の強い子に応用が出来なかったのです。
例えば、LD特性のある子の「見え方」によっては、「楽譜上の五線を目で追うことが難しい」ことがあったりします。
でも、テキストではそのような時の指導法には触れていません。
あるいはASD特性のある子の「言語獲得」によっては、文字やイラストがあっても理解、認知が困難な場合があったりします。
しかし、テキストではそのような指導法にも触れていませんでした。
もっと幅広く様々な子に支援が出来ないか。
言語獲得に遅れがある子にも音楽を通じてコミュニケーションを学んでもらえる方法はないか、そんな風に考えて考案したのが「音楽療育インストラクター」養成講座です。
様々な支援現場で音楽を取り入れられるように
海外には様々な支援方法があります。
いわゆる「療育施設」ではABAやSST、TEACCHプログラムなどいろいろな支援方法をスタッフの方が学ばれていることと思います。
そう言ったところで、音楽を取り入れていただくことが出来るように考案したカリキュラム例では、軽度の子から重度の子まで、また、ピアノだけでなく歌や楽器講師の方々にも応用が出来るよう考案しています。
リトミックでも行われる即時反応、音楽療法(セラピー)の現場でも行われる粗大運動、また、療育等で行われる知育的活動を、1つのプログラムとして統合させました。
ピアノレッスンをされている先生方にも、その中の一部を取り入れていただいたり、言葉かけの仕方や伝え方、コミュニケーションの教え方など、様々な方面からの支援方法をお伝えしています。
「音楽療育インストラクター」養成講座
どんな効果があるの?
音楽の中に療育的活動を入れていくことで、日常生活においても様々な効果を見出すことが出来ました。
当教室の生徒さんの例です。
【発語がなかった生徒さんが言葉が出るようになりました】
当教室に1歳半から通い出してくれた生徒さん。
当教室に来た時には「喃語」も出ていない状態でしたが、音楽に合わせて
・目を合わせること
・知育教具で興味を持たせて視野を広げること
・リトミック活動で聴覚を刺激すること
・ひらがなカードなどで文字に興味を持たせること
などを行なっていき、半年ほどで言葉が出るようになりました。
【多動があり椅子に座らなかった生徒さんが座って活動が出来るようになりました】
TEACCHプログラムを取り入れ「構造化」したことにより、座って落ち着いて活動が出来るようになった生徒さんがいます。
電車が大好きなその子は、「〇〇線の音は?」と聞くと、電車の絵カードを持っていろいろな音を出してくれます。
そんな時もこれまでは立って弾いていましたが、今では長い時間座って演奏してくれています。
【LD特性で視線や空間的視覚が弱かった生徒さんが読譜に挑戦し音符が読めるようになりました】
デジタル教材や視覚的支援により、「目で文字を追うことの強化」と「モノの空間的認識を強化」したことで、今では読譜は得意なものになりました。
【PECS(R)を取り入れてコミュニケーションが取れるようになりました】
コミュニケーションは学んで身に付くもの。つまり、誰かが教えてくれないと身に付かないものです。
PECS(R)はエビデンスのある療育方法の1つです。
当教室ではそこへさらに音楽的要素を加えて、コミュニケーションが苦手な子もしっかりとした「対話」が出来るようになりました。
コミュニケーションとは「相手がいて成り立つもの」です。その「相手」に働きかけを行わなかったら、それはコミュニケーションとは言えません。
「これはな〜に?」と聞いても答えてくれない、「ここ弾いてみようね」と言っても弾いてくれない、「これ見て」と言っても見てくれない、これでは、コミュニケーションは出来ていませんね。
そんな生徒さんにPECS(R)プラス音楽療育を実践したら、今ではいろいろな人にさまざまな働きかけを行えるようになりました。
音楽療育がいろいろなお教室で広がっていくといいですね。
音楽療育インストラクター講座の詳細
【過去記事】
・発達障害 対応に迷ったら⑥ ペアレントトレーニング
・発達障害 対応に迷ったら⑤ ABA療法とは
・発達障害 対応に迷ったら④ 視覚優位の子は目立つ色を見つけやすい
・発達障害 対応に迷ったら③ 冗談が通じない!?
・発達障害 対応に迷ったら② 夢中になって話を聞いていない
・発達障害 対応に迷ったら① 突然!違う話をし出す
関連記事 【発達障害とは】~主な症状~
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