早期療育のメリットとデメリット

矢田美麗

矢田美麗

テーマ:発達障害について

千葉県、市川市、船橋市の【My Piano room】ピアノ・音楽教室、矢田美麗です(^^)
今日は以下について投稿してみたいと思います。





早期療育のメリット

早期療育とは


「早期」というのがいつぐらいからいつぐらいまでを指すのか分かりませんが・・・早ければ早いほうがいい、と思われる方が多いかと思います。
しかし「早期療育はしない方がいい」という話も聞いたことがありましたので、今回改めて調べてみました。

≪メリット≫


  • 親御さんの安心が早く得られる
  • 診断を受けることで対応方法を学べる
  • 周りの支援や援助を多く受けられる


こういったことがあげられるのではないかと思います。

【親御さんの安心が早く得られる】

子どもが発達障害かも知れない、と思われる親御さんが増えておられます。
「発達障害」という言葉が広く知られるようになって、テレビや動画でも取り上げられるようになって、サイトにもたくさん「発達障害」情報があふれています。

そういった情報を、親御さんが見たり聞いたりして、調べたりする。そうして得た情報から自分なりに「そうだ」と思い、不安にかられたり心配したりする。
しかし、そういったことを早く知り得たおかげで、いろいろな施設に行ってアドバイスをもらって、安心感を得られたということもあります。
親御さんだけではなかなか解決しないことも多いですので、そういう意味では良いのだと思います。

【診断を受けることで対応方法を学べる】

親御さんが調べたりした情報をもとに、お医者さんに行って診断を受けてもらう。
診断を受ければ、今度は対応方法が学べるわけですね。
お家で子育て中のお母さんが一人で悩むより、専門的な視点からの対応方法が分かれば、お子さんにとっても良いわけです。

【周りの支援や援助を多く受けられる】

当然、周りの人も知るわけですから、支援の幅が広がったり、援助を多く受けられるようになります。
お子さんにとってもご家族にとっても、安心した環境が整うのは良いですね。

早期療育のデメリット

≪デメリット≫


  • 小さいうちの診断は実は難しい
  • 心配のあまり子どもにも悪い影響が及ぶ可能性
  • 親の心配と子どもの困りごとは違う
  • 安心した環境が継続されにくい


一方、デメリットとしてはこのようなことがあげられるのではないでしょうか。

【小さいうちの診断は実は難しい】

発達障害は、その「見えにくい特性」から、問診やテスト形式の診断方法が多く、その時その場で子どもが「どんな調子にあるか、体調は万全か」によっても診断が大きく変わってきます。
その時調子が悪かっただけ(機嫌が悪かっただけ)なのに「出来ない」と診断され、「重度」なんて言われてしまうことも。
また、親御さんが心配なあまりに「診断を受けてほしい」という気持ちが強くなりすぎてしまうのもあまり良いことではありません。

【心配のあまり子どもにも悪い影響が及ぶ可能性】

子どもは親の気持ちを見事なほどに感じ取ります。
親御さんが心配すればするほど、その心配は子どもに伝わり、「心配させないようにしよう」と子どもなりに努力することもあるほどです。
子どもなりの努力は時に良い方向へ動きますが、お母さんに甘えると大変そうだから、などとあまりにも「我慢」し過ぎてしまうと、かえって悪影響を及ぼしてしまう可能性も・・・
心配のし過ぎも良くないですね。

【親の心配と子どもの困りごとは違う】

親から見た「子どもの出来ないこと」と、子ども自身の「子どもの出来ないこと」は実は大きく違います。

参考記事【ペアレントトレーニング】

親から見た世界というのは、どうしても子どもの「出来ていないところ」に注目しがちです。
例えば、片付けが出来ない。お友達との貸し借りが出来ない。など。

でも、片付けが出来ないというのは子どもにとってみたら、「そのことに集中出来ている」ともいえるわけです。
お友達との貸し借りが出来ないのは、「表出コミュニケーションが出来ている」「自分の欲しいものを欲しいと主張出来ている」わけです。
ですので、親御さんの心配と子ども自身の困りごとというのは、まったく違うと言えます。


【安心した環境が継続されにくい】

早く子どもが「出来る」ようにならなくちゃ、と焦ってしまうことで起こる心配というのが、「子どもを完璧に育てよう」としてしまうこと。
完璧な人間なんていないのですから、「完璧」にはしなくていいのです。
しかし、「出来ないこと」ばかりに注目をしてしまうと、「出来ること」を目指していくことになり、過度に「完璧にしよう」という考えに転じてしまうのは良いことではありません。

焦りは、日常の「安心出来る環境」を崩してしまいかねないのです。


親御さんのせいではありませんので焦らないで


発達障害は遺伝、という話もありますが、実は遺伝と医学的に証明されているものは現在100%ではありません
発達障害は、そのすべてが解明されておらず、医学的治療法は確立されていないのが現状です。
親御さんのせいでは決してありませんので、焦らないでください。
焦らずゆっくり、スモールステップで、お子さまの成長を見守ってあげてください。


関連記事 【発達障害とは】~主な症状~


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矢田美麗
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矢田美麗(ピアノ講師)

【MIREI PIANO ROOM】

神経発達症(発達障害)の基礎理解や支援者に求められる知識を学び、発達特性のある子も通えるピアノ教室を運営。独自の指導案を伝える講師養成講座の主宰、音楽療法、演奏家など、音楽を舞台に幅広く活動中

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