発達障害情報をラジオ配信しています
千葉県、市川市、船橋市の【My Piano room】ピアノ・音楽教室、矢田美麗です(^^)
今日は以下に沿って投稿してみたいと思います♪
これまでの記事
・突然!違う話をし出す?
・人の話を聞いていない?
・冗談が通じない!?
・触って欲しくないものに触ろうとしたら!?
発達障害と癇癪
よく親御さんからこのようなご相談をいただきます。
- 癇癪が激しくて・・
- 言い出したら聞かなくて・・・
- これは発達障害でしょうか?
癇癪=発達障害、と勘違いをされる方が多い?のでしょうか。
癇癪が激しいから発達障害、というのは違うと私は思います。
確かに「こだわりが強い」という、ASD特性があると、「言い出したら聞かない」という状況もあるかも知れませんが、一概にこれだけで「発達障害です」ではないですよね。
発達障害と癇癪、は、よく聞く話ではあります。特に、その癇癪の「激しさ」にも、個々の見方に大きく響いてしまうかも知れません。癇癪が激しすぎて収まらないとか、寝転がって動かなくなるとか・・・とかく、「周りの方にご迷惑をかけてしまう」という、親御さんならではのお悩みが出てきてしまうこともありますね。
先日、当教室の発達支援ピアノ講師(養成講座)資格を取ってくださった先生から、このようなお悩みをいただきました。
積み木で遊んでいたら、積み木を使ってピアノの鍵盤を弾いてしまったので「これはダメだよ、積み木で弾いちゃダメ」と伝えたらものすごい癇癪(「やだ!やだ!」と言い出した)になり、最後には大声で泣いてしまいました・・
このように、子どもがやりたかったことは大人のして欲しくないことが原因で癇癪を起すのは、よくあるシチュエーションです。
ではこんな時にはどんな対応をしたら良かったのでしょうか。
ABA療育とは
日本でも資格が取れるABAセラピストとは、もともとアメリカや西洋先進国で始まった「自閉症児療育」の標準療育です。
海外では健康保険で受けられる療育ですが、日本ではまだまだ多くには知られていません。
国内の養護学校教育を学べる教育機関でも、このABAは学ばれていないようですね。
ABAとは「応用行動分析」をそのままアルファベットにしたものです。
子どもの【良い行動】を促したり、いわゆる【問題行動】を減らすための対処法があったりします。
また、いわゆる【問題行動】が起きてからでは遅いので、そうなる前の行動を予測したり、そうならないように回避したりする対処法です。
先ほどの、積み木を使ってピアノの鍵盤を弾いてしまった場合は、積み木を渡す前に
この積み木を渡したらどうするかな
と予測出来たら良かった訳ですね。
もしそれが予測出来ていたら、積み木を渡す前にこれは机の上で遊ぶものだよと言って渡すことが出来たかも知れません。
もし【ここ】が出来れば、次のような対応が可能になる訳です。
①子どもの行動の【元となる先行刺激】を予測する(減らす)
②その結果子どもが取る行動が変わる
③最終的に子どもに対しての言葉かけが変わる(褒めるなど)
これが、ABAでの対応方法の1つです。
ではもし、
すでに「問題行動を起こして癇癪を起してしまった」
場合はどうしたらいいでしょう。
「ダメ」である理由を伝えて、出来たら【褒める】
先の「積み木」の先生曰く、すでに積み木でピアノを弾いてしまったあとで、子どもに「これはダメだよ」と伝えたようです。
となると、一度は子どもに積み木でピアノを弾くことを許してしまったことになりますね。
すかさず、先生は「ダメだよ」と否定文で伝えます。
子どもから見たら、「一度は許されたのに」と思っているかも知れません。
このような時には、以下の3つのポイントが大切です。
- ダメである理由を伝える
- ダメの代わりに「これならやっても良いこと」を提示する
- 次にはやらないとお約束してもらう
- もしお約束が出来たら「出来た証(ご褒美など)」をあげる
ABA療育のポイントは上の4つ目、「ご褒美」です。
【良い行動は褒める】【悪い行動にはスルーする】というのが、ABA療育の基本的な対応方法です。
ここで、スルーするという、あまり良くないのでは?と思われるような言葉が出て来ます。
これは、【一度許してしまったことを学習させないため】にとても重要な行動です。
積み木の生徒さんの例でお伝えしますと、最後には泣いてしまった、とあります。
なぜ泣いたのか?
泣くことで、【積み木でピアノを弾くことを許してもらいたい】と思ったのでしょうか。
そしてもし泣いたら、大人はついつい慰めてあげたくなったり、許してあげたくなったりしてしまうと思います。
でも、ここで許してしまうと、再び【学習】をしてしまいます。
ですので、もしもここで子どもが泣いてしまったら、
泣いた子どもからは少し離れる
目を合わせない
言葉をかけない
などの対応が、ABAでの対応方法になります。
この対応をすることで、
泣いても許してもらえない
と、本人が自分で納得することを目的としています。
その子が本当に泣いていたのか、あるいは大人からの「許しを請う」ために嘘泣きをしていたのかは分かりませんが、「ダメなことはダメ」と伝えることは必要ですし、とても大切なことです。
怒っている顔は分からない
これも親御さんからご質問をいただくことが多いのですが、
どんな風に叱ったらいいんでしょうか
と悩まれている親御さんも多いですね。
実は発達障害のお子さんには「叱ってもあまり意味がない」という検証結果があったりします。
これは、特にADHD特性の子どもに多くデータが出されているのですが、顔認知機能の弱さがあげられるんですね。
ADHD特性の子は
人が笑っている顔を見ている時には脳が反応しているが、
怒っている顔を見ている時には脳が反応していない
というデータが出ているのです。
ですので、ずばり言ってしまうと【怒ってもあまり意味がない】ということですね。
以前から記事にも書かせていただいておりますが、「先の見通しが立たないと不安」になったり、「予測不可能なことが起こると戸惑う」という特性もあります。
周りにいる大人が【ある程度の事を予想して子どもがパニックを起こさないよう】環境を整えてあげることが出来れば、
癇癪も減ってくるのかも知れません。
発達特性のある子もピアノが≪弾けた!≫
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