真寒仮熱によるアトピー性皮膚炎
当薬局で最近、最も多いご相談が、「アトピー性皮膚炎」です。
「3歳の女の子。首から下全体に淡紅色~暗紅色の苔蘚化、乾燥した病変がみられる。お腹や背中などの体幹部が顕著。入浴や布団の中などで暖まると痒みが増す。食が細く、好き嫌いが多い。お菓子やジュース類が好き。便秘や下痢はみられない。病院では、抗アレルギーの飲み薬とステロイドの塗り薬を処方されているが、一進一退。」との事でした。胃腸が弱く消化能力が十分でないためアレルギーを引き起こしやすい『脾虚』のタイプと判断し、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を服用してもらいました。30日ほどで効果が見え始め、その後ほとんど症状がなくなり、塗り薬等も使わなくてもよくなりました。しかし、全体に皮膚が乾燥気味なのと、汗をかいた時だけ痒くなるので、生脈散(しょうみゃくさん)と小建中湯(しょうけんちゅうとう)を併用してもらうことにしました。現在は痒みもなく、皮膚もツルツルです。食欲も有り、元気そうです。
幼児期のアトピー性皮膚炎はこのような『脾虚』タイプが多く見られます。食べ物の影響も多く、便秘気味や下痢気味のお子さんも多いです。漢方では、消化機能を調えることにより、皮膚症状を改善させます。一方、中高生~成人になると、食べ物の影響は少ないのですが、ストレスによって悪化する『肝気鬱結』タイプや睡眠不足、過労などにより悪化する『血虚』タイプが多いように思われます。また、ステロイド軟膏の多用による「ステロイド皮膚炎」もみられ、漢方的には『陰虚火旺』タイプが多くみられます。
いたずらにステロイド軟膏を悪者にするのは、考えものですが、極端に強いものの多用や長期連用は心配です。
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元気堂薬局
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