「20年後も後悔しないマイホームの選び方」出版のお知らせ
平成28年3月の住宅ローン金利は日銀のマイナス金利政策による影響で軒並み低金利を更新しています。
ニュースでも住宅ローン金利が話題になっています。
そんなニュースを見て、「我が家は借換えをした方が良いのかしら?」と気になる方も多くいるのではないでしょうか?
通常の借換えと同じように金利差による借換えのメリットの試算や借換えに伴う諸費用(ローン手数料 保証料 登記費用)を試算してメリットが出るなら借換えを行っても良いでしょう。
一般に借換えのメリットが出るのは、ローンの残高が1000万円以上 残りの返済期間が10年以上 金利差が1%以上とは言われますが、金利差はもっと少なくても借換えによるメリットが出る可能性があります。
このあたりは銀行のホームページでも簡単に試算ができますので、興味があればご自身のケースを確認されると良いと思います。
今回は別の視点から借換えに触れたいと思います。
借換えを検討してみる価値のある人
今の低金利下で是非、住宅ローンの借換えを検討してみる価値があるのは次のような方です。
A 住宅ローンを借りた時は会社員 今は独立して自営業であり、個人の申告所得は会社員時代の年収よりも低い方B 住宅ローン借り入れ当初から会社員のままだが、年収はダウンしている方
この条件に当てはまる方は一般に住宅ローンの借換えは難しくなっているケースが多くあります。
なぜならAの場合は会社員という安定した雇用を捨て、不安定(とみられる)自営業になったので、住宅ローン審査で求められる「長期に安定的な収入がある人」に当たるか審査が厳しく見られます。
もう一つは収入が下がっているので返済比率(収入に対する返済額の割合)が審査基準を満たせない可能性も高くなります。Bも同様で収入が下がったことに伴い返済比率が審査基準を満たせなくなっているかもしれません。
住宅ローン審査で使うもうひとつの金利
自営業でなく会社員であっても、もし収入が下がっているようなことがあれば借換えが厳しくなることは十分に考えられます。
でも今回のマイナス金利に伴う住宅ローン金利の低下はある可能性を示唆します。
今、ニュースで話題になるのは住宅ローンの貸出金利です。つまり実際に借りる金利水準の話です。
住宅ローンの審査では、もうひとつの金利が存在します。それが審査金利です。
住宅ローンは返済期間が長期にわたります。変動金利で0.6%で借りる予定だとしても将来はその金利は変動する可能性があります。将来、金利が上昇しても返済可能かどうかを判断するためにも審査金利は3.5%など実際に借りる金利よりも高い水準で審査をします。そしてこの審査金利は銀行によって違ってきます。
ある銀行は10年固定の基準金利を使います。今回金利が下がりその銀行の審査金利は3%です。また別の金融機関は今月の貸出金利をそのまま使います。
つまり審査金利が下がるということはこれまでなら返済比率がオーバーして借換えが実現できなかった方でも返済比率をクリアできるかもしれない可能性が出てきます。
分かりやすくするために試算をしてみます。
■現在の住宅ローンの状況
残高 2500万円
残り返済期間 27年
借換え予定額 2500万円ご本人の状況
仕事 自営業(住宅ローン当初借入時は会社員)
申告所得 400万円(住宅ローン当初借入時は年収650万円)
返済比率35%以内
■もし審査金利が3.5%だったら
年間返済額 約143万円
収入に対する割合(返済比率) 35.8% → NG
■もし審査金利が3%だったら
年間返済額 約135万円
収入に対する割合(返済比率) 33.8% → OK
こんな感じで同じ所得でも審査金利の違いで審査結果に違いが出てくる可能性があります。
住宅ローン審査はこれ以外にも総合的に判断されるので、返済比率が基準を満たせているだけでは必ずしも審査が承認されるとは限りません。
ただ、審査金利が高い時にはそもそも門前払いだったものが、審査の土俵に乗れるという大きな違いが生じます。
自営業でもより可能性を高める借換え先
ここまでは銀行の審査を意識した試算をしてみました。
審査は返済比率だけの話ではありませんが、自営業者の場合は特に収入の安定性などを厳しく審査される傾向があります。
そこで、もっと借換えを実現させる可能性を高められる借換え先があります。
それがフラット35です。
借換えで使えることをご存じない方もいますが、借換えもOKです。
審査の特徴は今月の返済期間21年超の実行金利が審査金利になるということです。
ちなみに3月のフラット35(主なモーゲージバンク)の金利は21年超の返済期間で1.25%です。先程の試算よりもより有利になってきます。
前述の試算と同条件で審査金利だけ変更してみます。
フラット35の場合
審査金利 1.25%年間返済額 109万円
収入に対する割合 (返済比率)27.3% → OK
返済比率にとても余裕が出てきます。
フラット35は銀行に比べて個人の所得を重視し、事業の状況までは銀行ほどは細かく審査はしてこない傾向があるため、借換えを実現できる可能性が高まります。
これまでは住宅ローンの借換えはあきらめていた人にも借換え実現に可能性を持てるのがマイナス金利下での住宅ローンです。
一度、検討してみてはいかがでしょうか?
「そうは言っても銀行に行く勇気が持てない」ということなら、当事務所で借換えの可能性を試算することもできます。
お気軽にご利用ください。