公正証書の作成手順、記載できること、詳しく解説!
調停離婚について詳しく解説します!
今回は家庭裁判所の手続きについての一つである離婚調停について解説します。夫婦の問題を解決する方法の一つとして、家庭裁判所の調停があります。調停とは、夫婦間の離婚や財産分与、養育費などに関する紛争を、裁判官と調停委員が仲介して話し合いによって解決する手続きです。調停は、費用が安く、自分で家庭裁判所に申し立てをして、調停の手続きを始めることができます。家庭裁判所では、調停の申し立て方法や必要な書類、手続きの流れなどを教えてもらえます。
離婚調停とは
離婚調停とは、家庭裁判所で行われる、夫婦が離婚に関する問題を調停委員の仲介で話し合う手続きのことです。調停委員は男女1名ずつ合計2名で、当事者の立場を尊重しながら、合意に向けて調整します。調停委員は離婚を強制することはできませんので、当事者のどちらかが離婚に反対すれば、調停は不成立になります。離婚調停の正式名称は「夫婦関係調整調停(離婚)」で、調停によって離婚が成立した場合は「調停離婚」と呼ばれます。
その他にも、離婚には合意していても、離婚条件が合意できないということもあります。それら離婚条件についてを決める事もできます。例えば財産について、子供の親権について、養育費の金額について、面会交流について、慰謝料についての調整をすることもできます。
調停前置主義、調停先行主義
離婚訴訟を提起する前には必ず、家庭裁判所に調停の申し立てをしなければなりません。このような制度を「調停前置主義」または「調停先行主義」といいます。家事事件手続法は、離婚を含む家庭の争いごとを、いきなり訴訟手続きによって公開の法廷で争わせることは家庭の平和と健全な親族共同生活の維持を図るという見地から望ましくないと考え、当事者の譲り合いにより円満かつ自主的に解決する措置である家調停を経ることを求めているのです。
離婚調停を申し立てる
離婚調停を申し立てるのは、夫婦で話し合っても離婚に関する問題が解決しない場合です。離婚調停は時間がかかるので、簡単に合意できる場合は離婚協議で済ませるほうが良いでしょう。しかし、条件が折り合わない場合や、相手が暴力や虐待をしたり、連絡が取れない場合は、早めに調停を申し立てることをお勧めします。調停を申し立てるときには、離婚したい理由を選択する必要があります。家庭裁判所の申立書には、いくつかの理由が用意されていますが、それ以外の理由でも構いません。調停では、その理由に基づいて話し合いが行われますので、詳細に説明できるように準備しておくことが重要です。
申立書に用意されている理由
- 性格が合わない
- 異性関係
- 酒を飲み過ぎる
- 暴力をふるう
- 浪費する
- 性的不調和
- 病気
- 家族をすててかえりみない
- 精神的に虐待する
- 家族と折合いが悪い
- 同居に応じない
- 生活費を渡さない
- その他
調停の流れ
まず、管轄の裁判所に調停の申し立てをします。管轄の裁判所とは、相手方の住所地の裁判所又は、当事者の合意で定める家庭裁判所のことです。
申し立て
離婚と調停は申し立てにより始まります。申し立ては郵送でも可能です。家庭裁判所は離婚についてなやんでいる人がくると、相談窓口において手続きについての相談(手続き案内)を受け、相談内容に応じて必要な申立書のひな形(無料)を渡します。また、申立書の記載方法方法等についての説明書も渡し、説明もしています。
必要書類等
- 夫婦関係調整調停申立書
- 照会回答書
- 事情説明書
- 申立人の戸籍謄本
- 連絡先等の届出書
- 相手方の戸籍謄本
- (年金分割についての調停を含む時)年金分割のための情報通知書
調停申立手数料
調停申立手数料は、1200円です。手数料は、申立書に1200円分の収入印紙を貼って納付します。
調停期日が決まる
離婚調停の申し立てがされると、その事件を担当する裁判官及び家事調査官が決まります。事件を担当する裁判官は、事案の内容を検討し、弁護士調停委員、専門家調停委員及びの中から、事件にふさわしい調停委員2名を指名して調停期日を決めます。離婚調停の場合、男女各1名を指定します。調停期日は、申し立て期日から3週間ないし1か月前後で決まります。期日が決まると、申立人宛と相手宛に期日の通知書が届きます。
調停
1.手続き説明
調停を始める前に、当事者双方に調停の進め方や、調停委員の立場や役割について説明がされます。これは精神的に不安定で、相手と同席することが耐えられない状態だったり、感情的になりすぎてしまったり、相手と同席したくないという要望もあるため、別々に行われることもあります。この手続き説明では、調停は自分たちで話し合いをして紛争を解決する手続きであること、調停委員会は公正中立な立場であること、などの説明を受けます。
2.聴取
当事者双方は、聴取を受けます。これは、調停委員会がこの事件の前提となる事実関係を把握するためです。聴かれる内容は、特に申立人がどのようなことを問題と考え申し立てをしたのか、それについてどのような解決を望んでいるのか?などです。具体的には以下のようなことが聴かれます。
- 申立人がどのようなことから離婚を求めるようになったのか
- これまでの結婚生活はどのようなものであったのか
- どこに不満を感じているのか
- 現在相手方と申立人はどのような生活を送っているのか
- 婚姻費用はどうなっているのか
- 離婚後の生活についてどう考えているのか
- 子供が居るならば、親権、面会交流、についてはどのように考えているのか
3.聴取の結果
調停委員会は、聴取した事情を前提に、評議を行います。その評議で争点を整理検討し、どのように進行していくかを判断します。また、検討結果に基づき、調停委員会としての解決案である調停案を検討し、当事者に提示します。
4.調停の終了(調停の成立と不成立)
調停委員会が当事者間の調整をした結果、当事者間が合意すれば、書記官が調書を作成します。この調書は裁判の判決と同一の効力を持ちます。合意がされないことが決定的となるまで、調停は1か月に1回のペースで続きます。そして、合意される見込みがない場合には、不成立になります。つまり、調停は終わりになります。
調停は公正中立である。
調停委員会は当事者から意見を聴いて、争点を明らかにするが、紛争を解決するのはあくまでも自分たち自身である。
調停調書は判決と同一の効力を持つ。
離婚日
調停離婚は、離婚調停が成立すると、その調書が作成された時点で夫婦は離婚したことになります。つまり、調停成立の日が離婚の日になります。ただ、そのままでは戸籍に記載されませんので、区役所等の戸籍係で手続きをする必要があります。
手続き
調停離婚成立の日から10日以内に、夫婦の本籍地又は届出人の住所ちの役所等に、調停調書謄本を添付して離婚届を提出します。
- 本籍地以外の役所等に届ける場合は、夫婦の戸籍謄本が必要になります。
- 離婚届には相手方の証人や署名押印は不要です。
- 正当な理由なく期間内に届出をしない時は、過料などの制裁を受けることがあります。
調停に相手方が来ない時
離婚調停期日に相手方が来ないとどうなるのかというと、基本的に調停は終了です。なぜなら、相手方が来ないと話が進められないからです。もし、相手方の電話番号などが分かっている場合は、裁判所の書記官が相手に電話してくれることもあります。電話が繋がり次回は来ると約束してくれれば、再度日程を調整して次回期日が決まります。しかし、電話が繋がらないなど相手が全く応じない場合もあります。その場合も次回期日を決める事が多いです。しかし、その後も相手が全く応じず、期日にも来ない場合は、その時は調停不成立で終了します。
このように調停不成立で終了したら
このような状態で調停不成立で終了した場合は、離婚訴訟を行います。離婚訴訟にも相手が対応しない場合は、その分相手が不利になるだけなので、こちらが有利に離婚をすすめられます。
調停離婚のメリット
相手と顔を合わせなくていい
1つめのメリットは、相手と直接顔を合わせることなく、調停を進めることができるということです。これは、精神的に不安定な状態にある場合や、相手からモラルハラスメントなどを受けている場合には、非常に重要なことです。相手と顔を合わせることによって、感情的な言い争いになる可能性があるからです。そうなると、離婚の話し合いが円滑に進まなくなり、問題を解決することが困難になります。しかし、離婚調停では、家庭裁判所や調停委員は、当事者ができるだけ顔を合わせないですむように配慮してくれます。例えば、待合室は別々になっていたり、調停の説明が別々に行うこともあります。事前に、当事者が相手と顔を合わせたくないという意見書を出しておくこともできます。
話がスムーズにできる・話の場をつくることができる
2つ目のメリットは、調停委員の仲介によって冷静かつスムーズに離婚の話し合いができるということです。これは、精神的に不安定な状態にある場合や、相手からモラルハラスメントなどを受けている場合には、重要です。相手と顔を合わせることによって、精神的に不安定になり話が進められなくなる場合もあるからです。そうなると、離婚の話し合いが円滑に進まなくなり、離婚に関する問題を解決することが困難になります。しかし、離婚調停では、調停委員は客観的・中立的な立場で、夫婦それぞれの意見や主張を聞いたうえで問題を整理し、双方が納得できる解決策を提示するなどして、話し合いを進めてくれます。その結果当事者双方は、冷静に話ができますし、調停委員が法律に則った解決策を示してくれますので離婚や解決策を受け容れやすくなります。そもそも相手が話に応じてくれないケースもあります。そのような場合も調停を利用すれば、まずは相手を話し合いの席につかせることができます。離婚調停を申し立てると、家庭裁判所から相手に呼出しの通知が送付されます。裁判所からこのような呼び出しがあれば、ほとんどの人はそれを無視することなく、調停にきてくれます。無断欠席などすれば調停委員の心証を悪くなり、自身が不利になります。
約束が守られない場合は強制執行ができる
判決と同一の効力のある調停調書が作成されることです。調停調書は書記官が作成するもので、相手が調停調書に記載された内容に従って慰謝料や財産分与や養育費の支払いをしない場合には、相手の給料や財産を差し押さえることができます。これは、協議離婚の場合、相手が約束とおりに養育費などを支払ってくれない場合に、すぐに差押えをすることができないのとは違います。協議離婚の場合には、まずは訴訟や調停をして、合意を成立させるか判決をもらってからでないと、強制執行はできません。しかし、調停離婚によって調停調書が作成されていたら、すぐに強制執行ができるので効果的に支払いを受けることができます。
離婚調停のデメリット
長期にわたる可能性がある
離婚調停では、裁判官や調停委員が双方の意見を聞き、離婚の可否や条件について調整を行います。離婚調停は、双方が合意に至るまで継続されます。調停期日は原則として月1回程度しか設定されません。したがって、離婚調停による離婚の成立には、長期間を要する場合が多いことを予め承知しておく必要があります。
離婚調停は平日に開催される
離婚調停の期日は、通常、平日の昼間に設定されます。このため、平日に就労している方や、その他の事情で休みを取得できない方は、離婚調停に参加することが困難になり、精神的なストレスになる可能性が高いと考えられます。
戸籍に調停離婚と記載される
調停で成立した離婚は、戸籍に「離婚の調停成立日〇年〇月〇日」と記載されます。普段の生活に影響はでないと思いますが、記載されてしまうという事実は知っておきましょう。
裁判離婚で必要な5つの理由-離婚方法のメリット・デメリット
離婚したいと思っても、相手が同意しないと簡単にはできません。夫婦で話し合って、お互いに離婚に同意できれば、市役所に届け出を出すだけで離婚できます。これを協議離婚と言います。協議離婚はお互いが合意すればどんな理由でも離婚できるます。しかし、相手が離婚に反対している場合は、家庭裁判所に行って、調停離婚を申し立てなければいけません。調停では、夫婦の問題を調停委員が仲裁して、離婚の条件を決めます。調停で離婚が成立すれば、それで終わりですが、調停が不成立になったら、裁判で離婚を求めることになります。裁判では離婚理由があることや、夫婦の関係がもう修復できないことを証明しなければなりません。これを裁判離婚と言います。
協議離婚
協議離婚とは、夫婦が離婚について話し合って合意することで離婚できる方法です。協議離婚をするには、「お互いが離婚に合意している」「子供の親権が決まっている」の二つの条件が必要です。協議離婚は最も一般的な離婚方法で日本では約90%の方がこの方法で離婚しています。協議離婚のメリットは、裁判所に行く必要がなく、費用や時間が少なくて済むことです。また、夫婦間の問題を自分たちで解決できるので自由に決める事ができます。協議離婚のデメリットは、夫婦の間に不平等な力関係がある場合、弱い立場の方が不利になる可能性があることです。
メリット
早期解決
費用が掛からない
手続きが簡単
互いが合意できればどんな離婚理由でもいい
財産分与・養育費の金額などを夫婦で自由に決められる
デメリット
弱い立場の方が不利になる可能性がある
相手の合意が得られないといつまでも離婚できない
暴力的な相手だと話し合うことすら難しい
夫婦だけで決めた離婚条件は法的な効力がなく後々約束を破られる可能性がある
調停離婚
調停離婚とは、夫婦の間で合意が得られない場合に家庭裁判所に申し立てる方法です。調停委員が仲介し、双方の要望や状況を考慮して、最善の離婚の形を探ります。調停委員は当事者に妥協や助言を促し、円満な解決を目指します。離婚の理由は自由に申告できますが、必ず明記する必要があります。調停が成立すると、調停調書という文書が作成されます。これは裁判所の判決と同じくらい強力な法的効果を持ちます。そのため、相手が離婚時の約束を守らず、養育費などを支払わない場合は、強制執行を行い金銭の回収ができます。
メリット
調停委員という第三者が入るので話がまとまりやすい
相手と顔を合わせる必要がないため、臆せず主張できる
調停調書が取得できるため、強制執行が可能になる
デメリット
結果がでるまで時間がかかる
調停は平日のみ
戸籍に調停離婚したことが記載される
裁判離婚
裁判離婚とは、調停で合意ができない場合に、最後の手段として法廷で争う方法です。この裁判離婚には、法律で定められた5つの離婚理由のうち、少なくとも1つに該当する必要があります。 裁判をすれば、必ず結果が出ます。しかし、弁護士費用が発生しますし、証拠を集める必要もあります。
メリット
相手の意思に関係なく離婚を成立させることができる
法的な判断が下される
裁判の判決には法的な強制力がある
デメリット
離婚までに時間がかかる
プライバシーが保てない
弁護士に依頼するのに多額の費用が掛かる
判決がでたら、その判決にしたがわなくてはいけない
裁判離婚で必要な離婚原因
協議離婚や調停離婚では、夫婦の間で離婚に関する合意が成立せず、裁判離婚という最終的な手段に訴えることになった場合、裁判所に離婚を求めるためには、法律で規定されている5つの離婚理由のうち、少なくとも1つ以上に当てはまることが必要となります。以下に、その5つの離婚理由を詳しく説明します。
- 配偶者による不貞行為があったとき
- 配偶者が結婚の義務を怠ったとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかって回復する見込みがないとき
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
①~④は結婚相手が結婚に伴う義務をはたしていないケースです。結婚に伴う義務とは、
夫婦の貞操義務(夫婦が互いに配偶者以外の人と性的関係をもってはいけない義務のこと)
夫婦同居、協力、扶助の義務(一緒に暮らし、互いに助け合いながら生活を支えあっていく義務のこと)です。
⑤のその他婚姻を継続しがたい重大な理由は、夫婦の関係が深刻に破綻し共同生活を回復する見込みがない、互いに結婚生活を継続する意思が全くないケースです。
配偶者による不貞行為があったとき
不貞行為とは
不貞行為とは「不倫」のことを示します。配偶者以外の相手と自由な意思に基づいて性的な肉体関係を持つことです。つまり、脅迫されたり、上下関係による強制力があった場合は該当しません。また、単にメッセージのやりとりや、デート、食事、キスといった行為も不貞行為には該当しません。
また、離婚に向けて別居中にほかの異性と性的な関係を持った場合は、婚姻関係がすでに破綻していたと裁判所が認めれば、不貞行為とはみなされません。「離婚理由」に該当する不貞行為とは、この不貞行為によって婚姻関係が破綻された場合です。不貞行為と婚姻関係に因果関係がある場合です。その為、すでに別居をしていた場合は不貞行為とみなされないのです。
不倫の証拠が必要
そして、裁判で離婚を求める場合は、不倫の証拠が必要になります。相手が不倫を認めず、証拠がない場合は不貞行為は認められず離婚は成立しません。不貞行為を理由の裁判を起こす場合は証拠を集める必要があります。
不倫の証拠となるもの
- 浮気現場の写真・ビデオ
- 浮気を認める言葉の入った録音データ
- 性的関係があったことを認める手紙やメモ
- ホテルに入ったことを示すGPSの記録
- 探偵など第3者の証言
- 浮気相手とのメール。通話記録
- 浮気相手からの手紙・贈り物
- 浮気相手と宿泊したクレジットカードの明細
※上から順に証拠能力が高く、下にいく程、証拠能力が低くなります。
配偶者が結婚の義務を怠ったとき
配偶者が勝手に家を出て行ったり、生活費を一切払わなかったりする場合も、離婚を求めることができます。これらの行為は夫婦の絆を無視したもので、悪意の遺棄といといいます。民法では夫婦は結婚することによって、互いに助け合うなどの義務が生じます。これらの義務を故意に履行しないことは悪意の遺棄とされます。
結婚には民法により義務が定められています。夫婦は同居し、協力し、扶助しなければいけないのです。これらを故意で行わないことは、裁判上の「離婚理由」に該当します。具体的には、
- 「勝手に家を出ていく」
- 「たびたび家出する」
- 「浮気相手の家に入り浸る」
- 「生活費を渡してくれない」
- 「健康なのに働かない」
- 「生活費の大半をギャンブルに使ってしまう」などです。
貞操義務は明文化されていない
結婚に伴う義務の中に貞操義務(配偶者以外と肉体関係を持たない)は明文化されていませんが、民法770条の裁判上の離婚理由の1つに「配偶者に不貞行為があったとき」と明記されているため、夫婦には貞操義務があるという解釈をします。
配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、配偶者が強度の精神病
「配偶者の生死が3年以上明らかでないとき」
配偶者が家出をして、行方が分からなくなってしまった場合でも、離婚することが可能な場合があります。相手との連絡が途絶えてから3年以上が経過し、相手が生きているか死んでいるかも不明な場合は、裁判所に離婚を申し立てることができます。また、生死不明の期間が3年に満たなくても、相手の行為が悪意の遺棄や婚姻を継続しがたい重大な理由として認められる場合にも、離婚が認められる可能性があります。ただ、単に連絡が取れないというだけでは生死不明とは認められません。離婚を求める際には、相手と最後に連絡を取った日時や方法を証明する必要があります。そのためには、消印のある手紙や電話の記録、メールのやりとりなどの証拠を用意する必要があります。警察に捜索願いをだしたり、戸籍を追うなど手を尽くしても見つからなかったということを証明しなければなりません。
「配偶者が重い精神病にかかり回復の見込みがない時」
配偶者が重い病気にかかって、回復の見込みがなく、夫婦としての関係を維持することが困難な精神病の状態に陥ってしまった場合も、離婚することができる場合があります。精神病が離婚の理由となる場合は、相手に対して不忠実な行為だと感じるかもしれません。その為、裁判所は相手が離婚されたとしても、病気の治療や生活の支援が受けられるようにすることを離婚の条件としています。つまり、相手のことを思っても、離婚することが最善の選択となる場合もあるということです。回復の見込みがないかどうかは、精神科医の診断を参考に、最終的には裁判官が認定します。
その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
実際夫婦関係が壊れる理由はさまざまで1~4の離婚理由だけでは裁判で扱える離婚問題が限られてしまします。この5つめの理由を認めることでさまざまな理由の離婚が認められるようになります。離婚を裁判で求めるときには、相手に離婚の理由があることを証明しなければなりません。重大な事由とは、夫婦の仲がすでに破綻していて、「どれだけ一緒に暮らすことが困難であるか」ということです。例えば、相手が暴力をふるったり、子供を虐待したり、働けるのに仕事をしなかったり、お金の問題を起こしたり、犯罪行為を行ったり、性格に異常があったりする事例が考えられます。裁判所は、夫婦の仲がどれくらい悪いか、どれくらい別居しているかなどを調べて、「どれだけ破綻しているか」で離婚を認めるかどうかを決めます。しかし、離婚の理由があっても、裁判所が夫婦の問題を解決できると見込みがあるとかんがえた場合、離婚を認めないことがあります。
協議離婚、調停又は裁判離婚により慰謝料を請求する
不貞行為や悪意の遺棄が原因で離婚にいたる場合は配偶者に対して(不貞行為の場合は不貞行為の相手に対しても)、慰謝料を請求できます。離婚方法により、慰謝料の額や支払われ方もかわってきます。協議離婚のよる離婚の場合、慰謝料の額を夫婦で自由に定めることができます。協議離婚とは、調停を介さず夫婦のみで話し合い離婚する最も多い離婚の方法です。しかし、夫婦で話し合っても慰謝料がまとまらない場合、家庭裁判所に行って調停を申し立てます。調停では、夫婦の間に調停委員が入って、互いの言い分を調整しながら離婚について話し合いを進めてくれます。調停委員は夫婦に離婚を強制しないので、最終的には夫婦で決断します。調停で慰謝料・離婚が決まらない場合は、裁判を起こすことができます。これを裁判離婚といいます。しかし、裁判では、裁判所に提出する訴状、答弁書、準備書面、証拠などが必要になるため、素人だけで裁判することは難しいく、弁護士を代理人として起用するケースがほとんどです。すると、弁護士費用などで70万円~100万円程度のお金がかかります。裁判で離婚する必要があるかどうかよくかんがえる必要があります。
不貞行為時の慰謝料
「不法行為」の中の不倫の慰謝料を請求する場合、慰謝料請求相手は配偶者と不倫した相手になります。慰謝料を払ってもらうには、いくつかの方法がありますが、一番よく使われる方法は、内容証明郵便です。内容証明郵便とは、郵便局が送付内容や日付を証明するサービスです。裁判の訴状のように法的請求する効力はありませんが、証拠としての信頼性は高く後の裁判にも利用できます。まず、内容証明郵便で不倫した相手に慰謝料を払ってほしいという手紙を送ります。そのあと、不倫した相手と会って、慰謝料の額や支払い方などを話し合います。話し合いで合意できたら、示談書で確認します。示談書とは、話し合いの結果を書き込んだ契約書のことです。もし、話し合いで合意できなかったら、裁判を提起することもできます。最初から、不倫相手に対して裁判を起こす方法もあります。裁判で慰謝料を払ってもらうには、いくつかの注意点があります。まず、不倫したことを証明する証拠が必要です。裁判官が、証拠をもとに不倫の有無や慰謝用の金額について判断しますが、証拠が不十分だと、慰謝料をもらえない可能性もあります。裁判を提起する費用は低額ですが、弁護士にお願いする場合には弁護士費用が数十万円はかかります。自分で裁判をすることもできますが、難しいので一般的ではありません。
離婚の解決金で解決!
離婚の際、財産分与や養育費、慰謝料といった名目のお金が支払われますが、その中に解決金というものがあるのをご存じですか?解決金とは、離婚問題を円満に解決するために、一方の配偶者がもう一方の配偶者に対して支払うお金のことです。法律上で定められた義務ではなく、夫婦間の合意で取り決めるものです。今回はこの解決金がどのような時に支払われるお金なのか、またメリットやデメリットは何なのか、お話していきます。
解決金とは、離婚するときに、夫や妻のどちらかが相手に渡すお金です。養育費や財産分与は法律で決まっていますが、解決金はそうではありません。その為、裁判で請求することはできませんし、必ず払われなければならないわけでもありません。 解決金は、離婚をスムーズにするために使われることが多いです。例えば、「早くこの離婚問題を解決したいから」という理由で、相手にお金を渡すこともあります。
解決金と慰謝料の違い
慰謝料は、不貞や暴力などの不法行為をした配偶者が、他方の配偶者が被った精神的苦痛を慰めるために支払われるお金です。民法709条と710条に基づいて請求するものであり、法的根拠があります。そのため、慰謝料を請求する場合は、相手の不法行為や自分の精神的苦痛を証明する証拠などが必要です。
一方、解決金は、離婚に関する問題を解決する目的で、一方の配偶者から他方の配偶者に対し支払われるお金です。法律上の支払義務があるお金ではありません。そのため、解決金を支払う場合は、理由や内容を明らかにしなくてもよく、双方が合意するだけで支払われます。解決金は、相手に離婚に応じてもらうためや財産分与の調整のためなどに利用されることもあります。
どのような時に支払われるの?
- 夫か妻のどちらか一方が離婚を拒否しているとき
- 離婚時の金銭を一まとめにしたいとき
- 慰謝料という名目で支払いたくない時
- 扶養的財産分与を支払う時
- 性格の不一致で離婚する時
夫か妻のどちらか一方が離婚を拒否しているとき
どちらか一方が離婚を拒否している場合、解決金を支払うことで、離婚に応じてもらえることもあります。特に、離婚を拒否している理由が金銭的な理由にある場合、応じてもらえる可能性が高まります。
離婚時の金銭を一まとめにしたいとき
離婚時には様々な金銭のやり取りが発生しますが、それらを一まとめにして解決金という名目で支払うこともできます。
慰謝料という名目で支払いたくない時
「慰謝料」という名目で金銭が支払われると、支払った側は自分に非があることを認めたことになります。その為自分に非があることを認めたくない場合などに「慰謝料」ではなく、「解決金」として金銭が支払われることがあります。
扶養的財産分与を支払う時
離婚後、夫婦のどちらか一方が離婚することで経済的な不安があるとき、もう一方が援助する形の財産分与を扶養的財産分与といいます。たとえば、「離婚後3年間、婚姻費用相当額を支払い続ける」といった決定がくだされますが、これを定期的に支払うのではなく、一括で「解決金」という名目で支払うことがあります。
性格の不一致で離婚する時
本来性格の不一致で離婚する際、慰謝料は支払われません。それは、どちらに非があるというわけではないからです。しかし、実際の夫婦生活では片方が一方的に我慢して生活を続けてきたということもよくあります。そのような場合解決金を支払うことで離婚に合意してもらうという場合もあります。
解決金のメリットとデメリット
メリット
解決金のメリットは、解決金を支払うことで相手に離婚に応じてもらいやすくなることです。特に金銭的な理由で離婚を拒ばまれていた場合は、離婚できる可能性が高くなります。また、解決金は性格の不一致などの曖昧な離婚理由でも夫婦間で合意できれば支払われます。裁判離婚では、性格の不一致で慰謝料請求は認められません。
デメリット
解決金のデメリットは、法的な根拠がなく、曖昧というメリットになっていた部分が、デメリットにもなります。「慰謝料」のつもりで支払っても、支払われた側にはその趣旨が伝わっていなく、改めて慰謝料請求されてしまうという場合があります。また、解決金は慰謝料とは違い相場がありません。その為、高額な支払を要求されてしまうことがあります。しかし、高額な金銭のやりとりは課税対象になります。注意しましょう。
解決金の支払い額などが決まったら、離婚協議書や、公正証書などに書面化させることをお勧めします。書面化させることで後のトラブルを避けることができます。また、その中には必ず清算条項を入れましょう。
明るい未来のための第一歩
離婚を決断され、前を向いて新たなスタートを切ろうとされている依頼者さまのお気持ちに寄り添い、経験豊富な弁護士と行政書士が様々な問題を解決いたします。チャイルドサポートは、協議離婚手続きのサポートを専門にしている法律事務所・行政書士事務所です。
初回30分の無料相談、離婚協議書作成、公正証書手続きサポートなど、お客様のニーズに合わせた包括的なサービスを提供しています。全国のお客様の要望にお応えするため、ご相談から依頼、離婚協議書の完成まで、すべてオンライン面談、LINE、メールなど連絡方法で柔軟に対応しております。
離婚に精通した女性士業を中心に経験豊富な専門家が迅速かつ効率的に対応し、円満な離婚手続きをサポートします。信頼性とプライバシーの確保にも努めており、お客様の離婚に寄り添います。まずは、お気軽にご相談ください。