ついに始動!民営の合葬墓!

佐々木博一

佐々木博一

八戸市に待望?の民営の合葬墓が完成し、5月1日より運営がスタート致しました。

実はこの合葬墓は、弊社で企画設計建立をし、運営管理をさせて頂いています。弊社と地元のお寺からの協力と理解を得てスタート致しました。

八戸市内には、各寺院が運営する永代供養墓も沢山あります。また、八戸市が運営管理している合葬墓も三年前に建立されています。
では何故、今更民営の合葬墓?と思われる方も多いかも知れません。

そのいきさつや、スタート間もない現状の声などを、今回はお話ししたいと思います。

ご存知の通り、ここ数年の傾向として、お墓を新規で建立される方よりも、墓じまいをされる方や、墓じまいを検討されている方が大変多くなってきています。
それに伴い、お墓を持たない、持てない方も増えてきています。
背景としては、少子化により、お墓を継承していくのが困難になってきている。また、過疎化の影響で、本来お墓を継承するべき子孫が地元に帰ってこない、などの理由があります。

そんな中、お墓に変わる供養の方法として、樹木葬や海洋散骨も全国的に増えてきています。
それでも、ご先祖に手を合わせる対象としてお墓のような石塔がある場所に埋葬したいと願うニーズもまた潜在的に多くあるように思います。

そのようなニーズを叶えることができるのが、永代供養塔や合葬墓なのだろうと思います。

私は、十年ほど前からお墓参り代行などもさせて頂いておりましたが、ご利用者のほとんどの方が口を揃えて話すのは、「将来、お墓を片付けることになると思う。その時に、先祖の遺骨はどこに持っていこうか?自分たちの時はどうなるのだろうか?」といった、不安のような声でした。

「お寺が管理しているから、永代供養は安心。今までのお付き合いもあるし・・・」といった声は随分多く聞かれますが、それと同じくらい費用が高額だから・・・、といった理由でなかなか前に踏み出せないでいる方が、実は意外と多くいらっしゃいます。

八戸市で運営管理している合葬墓は、費用は安価なのは間違いないのですが、八戸市民が利用できること以外の制限や制約があるようで、申し込んでも抽選で当たらない、手続きが面倒など、利用できるのには多少のハードルがあり、申し込めない方や、申込みを諦めたという声もよく聞かれるようになってきています。

実は、当初の合葬墓の計画は、八戸市の合葬墓の計画と時期がほぼかぶっていました。
新聞記事で、八戸市が合葬墓建立に着手するニュースを見て、私はかなり大きな期待を膨らませました。市が合葬墓を運営してくれることで、寺院で運営する永代供養墓とはまた違う選択肢の供養方法が誕生する。多くの市民が利用しやすい合葬墓ができることを期待していました。

寺院の永代供養塔は、費用は確かに高額ですが、それは永代に渡ってご供養を寺院がしてくれるからであって、ご供養を伴わない合葬墓なら、安価になるだろうと想像はつきました。
また、宗教宗派などの制約もない分、利用しやすくなるのではないかとも思っていました。

ですが、市の合葬墓ができてみると、入るお墓がある方や、市の霊園以外の墓地からの墓じまいによる改葬は申込みができないとのこと。また、生前予約も年に一度の受付で、数名しか抽選で当たらないらしく、お墓を持たない、または持てない方にとっては、もしもの時の安心を手にすることができないような状況のようでした。

なんか、永代供養塔や市の合葬墓の批判をしているような内容になってしまいましたが、実際に必要としている方からの声として書かせて頂きました。

そんな声を本当に沢山の方たちから聞くことが多くなり、墓じまいが出来ないことで、将来、お寺や親族に迷惑をかけてしまうのではないか。自分の始末のことで誰かに迷惑をかけて最期を迎えるのではないか。などの不安の声も多く聞かれるようになりました。

費用だけではなくシステムも含めて、全ての方の理想に応えることは出来なくても、より多くの方のそのような不安を取り除けるような合葬墓を作らなければならない!と、なんだか使命感のようなものに突き動かされ、合葬墓計画を練り直し、再始動したのが、ちょうど一年前でした。

一番のハードルは「墓地」でした。民間で墓地を所有登記することは困難を極めます。そこで信頼のおけるお寺の住職に相談してみました。ここのお寺は随分と早い段階で、永代供養塔を建立されていましたが、お寺としての規約を崩すことはできないが、運営を切り離した上で墓地を利用させていただくことを快諾していただきました。

住職も永代供養塔への申込みが高額なことは理解していて、この金額では経済的に厳しい人も多くいらっしゃることも理解していました。裾野を広げ、宗教や宗派の垣根を越えて、地域も問わない合葬墓。社会貢献の一助になればとおっしゃっていただきました。
この言葉は、一生忘れられないと思います。

そして、青森県経営革新計画の認定を頂き、檀家説明会も開き、檀家様たちからも賛成と歓迎を受け、工事は始まり今年の2月に完成致しました。4月29日に開眼供養を執り行い、5月1日より運営開始させていただきました。


地元の新聞記事にも取り上げて頂き、大変大きな反響を頂きました。
まだ日も浅いですが、既に多数の申込みを受けております。
実際に埋葬された方からは、
「よくこの合葬墓を作ってくれた」
「行くところがなくて、本当に困っていた。ここが出来て良かった」
「これで安心した。作ってくれてありがとう」
などと、多くの喜びの声を頂くことになりました。

ですが、これが出来たうえで、また新たな問題や、更に利用できない方がいらっしゃることは想像できます。批判や不満も真摯に受け止めて、より多くの方に選択肢を提案できるように声に耳を傾けていかなければ!と決意を固めているところです。

ですがとりあえず今は、ひと安心。
問合せの皆さんの声を嬉しく、心地よく対応させて頂いております。

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