終活セミナーを終えて
「お墓を準備したいけど、どのようなものを選んだらよいか分からない」などと悩んでいませんか?お墓を建てる、墓地を購入するという経験は、そう何度もすることではないですよね。初めての経験に戸惑ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本日は、ある調査の結果を紹介しながら、跡継ぎ不要タイプを選ばれる方が増えている傾向についてお話したいと思います。
その調査というのは、アットセル株式会社という所が実施した「お墓選びの実態調査(2023年)」です。同調査は2023年1月~3月に、お墓の購入を検討している123名、すでにお墓を購入した209名を対象に実施されました。
検討中のお墓で、最も割合が高かった種類は樹木葬(32.5%)です。続いて、一般墓(27.6%)、納骨堂(12.2%)、合祀墓(11.4%)と続きます(その他の永代供養は16.3%)。
購入したお墓で、最も割合が高かった種類は樹木葬(34.9%)です。続いて、一般墓(29.2%)、納骨堂(14.8%)、合祀墓(6.2%)が続きます(その他の永代供養14.8%)。
以上の結果を整理すると、お墓の購入を検討している人に対しては、跡継ぎ不要タイプ(樹木葬・納骨堂・合祀墓・その他の永代供養)を選択した人の割合は72.4%。
すでにお墓を購入した人においては、跡継ぎ不要タイプを選択した人の割合は70.7%です。ともに7割を超す人が、跡継ぎ不要タイプを選択しています。
「お墓選びの実態調査(2023年)によると、次の世代が受け継ぐ一般墓よりも跡継ぎ不要のお墓が人気を集める傾向となっているようです。ではどのような理由が考えられるのでしょうか。
理由として考えられるのはふたつあるように思います。
まずひとつは、ライフスタイルの変化にともない、お墓に対する価値観の変化ではないでしょうか。厚生労働省が発表している「2021年国民生活基礎調査の概要」によると、65歳以上の人がいる三世代世帯の割合は大きく減少しています(1986年44.8%、2021年9.3%)。子供とは別に暮らすライフスタイルが確立されたことで、次の世代が受け継ぐ一般墓に疑問を感じる人が増えたのでは…と考えられます。
そしてもうひとつは、お墓の購入にかかる費用の差も、跡継ぎ不要タイプが選ばれている理由といえます。具体的な金額はケースで異なりますが、八戸市内その近郊の墓地(土地)を購入(永代使用権の購入)しようとすると、30万円~100万円程度、墓石の購入に80万円~200万円程度(工事費込み)がかかります。
樹木葬にかかる費用の目安は、20万円~100万円程度、合祀墓にかかる費用は5万円~10万円程度です。ケースによっては大きな金額差になることも、跡継ぎ不要タイプが支持されている理由と考えられます。
前回のコラムでご紹介した、八戸市に新しくできた樹木葬墓地も、お問合せ、お申込みが増えていると聞いています。
こちらもまた、1人用から4人用の納骨ができるタイプで、個人墓、家墓のように個別に埋葬されますが、13年経過すると永代供養墓に移されるというシステムになっています。
永代供養墓に移されるということは、やはり跡継ぎ不要タイプということになりますね。
今回引用させていただいたアンケート調査は、あくまでお墓(埋葬)でこれから購入を検討されている方、またはすでに購入した方が対象でしたが、跡継ぎ不要といえば、忘れちゃいけないのは、海洋散骨もそのひとつではないでしょうか。
海洋散骨も依然法律こそできていませんが、地方自治体によっては条例を定めている自治体もあることを考えると、海洋散骨も増加傾向にあると言わざるを得ません。
海洋散骨も含めてお墓やご供養の形態を考えると、跡継ぎ不要タイプの葬送が現実的に今後は更に増えていくような気配がします。
ライフスタイルの変化などを受けて、お墓の選び方が多様化しており、跡継ぎ不要タイプが主流になってきています。ただし、一般墓が劣っているというわけではありません。
お墓はお盆やお彼岸、命日などに家族や親族が約束なしに集える場所であると思います。
手を合わせ、先祖への近況報告をしたり、先祖との思い出を語るなど、親族とのちょっとしたコミュニティーの場になっていることもあります。
お墓の承継が難しくなってきている昨今ですが、これを書きながら家族とは、身内とは、その存在意義や価値観などをあらためて考える機会となりました。
最後に、お墓は自分の価値観や家族の価値観にあわせて選ぶことが大切です。
自分や家族が納得できるお墓選びを進めてみてはいかがでしょうか。
お墓総合サポートサービス http://ohakasupport.com/