終活セミナーを終えて
今回は、「墓じまい」の手順と方法についてお話していきます。
①大切な方(身内・親族)には事前にお話ししましょう!
②「墓じまい」の意思が決まったらまず菩提寺にお話して進めましょう!→墓地管理者に伝える
③お遺骨の引っ越し先を決めておきましょう!
ここまでは、前回の「墓じまい」の前に注意しておくべきこととは・・・
のところでお話をさせて頂きました。「墓じまい」をする前段階になりますね。
ここからは、実際に「墓じまい」を行うときの具体的な手順と方法になります。
④改葬許可申請書の手続き→改葬許可書の発行
⑤魂抜き(抜魂供養・閉眼供養)
⑥墓石の解体撤去(墓地を更地に戻す)
⑦墓地の返納
④~⑦の手順に沿って「墓じまい」を進めていくことになります。
④と⑤はどちらが先でも構いませんが、この順序で解説していきます。
④改葬許可申請書の手続き→改葬許可書の発行
前回も「改葬」について簡単に解説しましたが、お遺骨の埋葬場所が変わる時に必要な書類が、『改葬許可書』という書類になります。その『改葬許可書』を発行していただくために、『改葬許可申請書』という書類にて、まず申請をして許可書を発行してもらう必要があります。
これは、現在埋葬されている所在地の市町村役場で手続きをします。費用は無料です。
『改葬許可申請書』をいただき、必要事項を記入して、『改葬許可書』を発行してもらいます。
各市町村役場で、書式は異なりますが、お遺骨の名前(故人)、住所、本籍地、亡くなった日、埋葬または火葬した日などの記入項目があります。
さらに、現在の埋葬場所、引っ越し先の埋葬場所などの記入項目があります。
現在の埋葬場所の管理者(菩提寺など)から署名捺印をいただく必要もある地域もあります。
なので、菩提寺に先にお話をしておく、引っ越し先を決めておくことが必要なのですね。
この『改葬許可書』は新しい埋葬場所の管理者に提出しなければならない書類ですので、その日まで大事に保管しておく必要があります。
ここのポイントは、現在埋葬されている所在地の市町村役場に行く、というところです。
⑤魂抜き(抜魂供養・閉眼供養)
※無宗教、無宗派、または地域性やその他事情により行わなくてもよいケースもございます。
お世話になっている菩提寺の住職にお願いして供養をしていただきますが、次のような時は、菩提寺に相談、確認をした方が良いと思います。
イ 墓石、または墓石に代わるものが一切無いが、お遺骨は埋葬してある。
ロ 生前に墓石は建立したが、まだお遺骨は入っていない。
ここを通過しないと、墓石の解体へと進んでいきませんので、菩提寺には状況にかかわらず相談、確認してみることが好ましいと思います。
また、新しい埋葬場所では、魂入れ(開眼供養)が必要になることもあります。新しい埋葬場所の管理者に確認しておきましょう。
⑥墓石の解体撤去(墓地を更地に戻す)
いよいよお墓の解体作業ですが、この作業は、墓石店・石材店の作業になります。
ここで重要なのは、事前にお見積もりを取ることをお奨めします。
解体作業は、次のような条件で価格が決まってきます。
・片付ける石の量 ・・・ 墓石は産業廃棄物なので、廃棄量で金額が変わります。
・墓地の広さ ・・・ 更地に戻すため、土を入れたりなど広さで金額も変化します。
・墓地の現状 ・・・ 高い場所や狭い場所等で日数や機械等が余計にかかることがあります。
以上のようなことから、墓地も確認せず依頼すると、後から追加がでることもありますので、事前のお見積もりを取ることをお勧めします。
解体前
解体後
⑦墓地の返納
解体が終わり、墓地を更地に戻したら、最後は『墓地の返納』です。
お寺や地域の墓地の管理者によっては、墓地の永代使用についての書類が特別準備していない所もあります。ですが、墓地によっては墓地(永代使用権)を購入した時に、墓地番号などが記載された書類を取り交わしている所もあります。
公営墓地(市町村役場で管理運営している墓地)では必ず墓地使用に関する書類があると思いますので、それを返還して、墓地の返納となります。
以上で、手順と方法について述べさせていただきました。
仏事に関しては、宗教宗派はもとより、地域性や慣習によっても違っています。
ここに記載したことが全てに当てはまらないこともございますので、
菩提寺や、地域の石材店、葬儀社などにも確認してみるのもいいと思います。
YouTubeにも「墓じまい」ってどうしたらいいの? の動画をアップしております。
更に詳しくお知りになりたい方はこちらもどうぞご覧になってください。
https://youtu.be/Toz52JX5BDQ