経営管理のしくみづくり

企業が成長・発展していくためには、企業行動の旗印となる経営理念の下、経営トップと社員のベクトルを示す方針管理、企業基盤を強固にする継続的改善、変化に機敏に対応する組織力、社会的責任を果たすための社会性、グローバル視点での国際化、経営の健全性を保つための経営監査等の企業規模にあった経営管理のしくみづくりが大切です。

なぜ、経営管理のしくみが大切なのか

環境の変化を機敏に察知し、その変化に応じて柔軟に経営の在り方を変えていくこと、そして明確な理念・ビジョンの確立とその実現のために経営戦略を策定し、トップから社員に至るまで同じベクトルで目標達成に向かうことが大切です。その目標を達成するために最も重要なことは、人と組織をうまく活かす経営管理のしくみです。

経営理念・ビジョンが確立されると目標が明確になります

企業として成長していくためには、しっかりとした経営理念、適切な経営戦略に基づいた経営が行われていることが大切です。自社の現状を把握した上で、ものづくり企業としての自社の強みが経営の中で具体的に反映され、関連会社を含む自社の目指す方向・ビジョンを明確に持つことが基本です。さらに、それを具現化するものとしてトップの強いリーダーシップ、中長期計画・年度経営計画への社内外への明示、日常の経営、業務への落とし込みが可能になります。

方針管理によりトップダウンとボトムアップの融合が図れます

会社方針に基づき、経営トップから全社員までが同じベクトルに沿って目標達成に向け業務を行うことで、人と組織の力を最大限に活かすことができます。会社方針が外部環境・内部環境・自社の中長期経営計画・前年度の反省等に基づいて立案され、このことが全従業員に理解され、全社方針が部門、個人の計画へ具体的に落とし込まれ、会社目標を達成するための内容で設定されます。そして計画が定期的にフォローされ、結果に対して必要に応じ処置が的確に早く取れるようになります。

継続的改善で企業基盤が強固になります

企業が基盤を強固なものとし、成長していくためには、たゆまぬ進歩を続けていかなければならず、企業として常に改善するしくみを持ち、そのしくみがスパイラルアップされていくことが必要不可欠です。改善活動が会社方針に取りあげられるかどうかに関係なく常に取り組まれ、成果が現れるようになります。

組織力の強化で変化に機敏に対応できます

市場環境が不透明かつ変化のスピードが速い今日において、変化に機敏に対応するためには、機能的かつシンプルな組織が編成されなければなりません。その組織においては、役割・責任・権限が明確であり、シナジー効果を生み出す組織間の連携がとりやすく、組織階層が簡素で、意思決定がスピーディに行えるための権限移譲等が取れるようになります。

社会性の向上で企業の存在価値が向上します

社会的責任を果たすことは、企業の存亡にかかわる重要な問題です。社会の対応次第では、企業の信頼を大きく失わせたり、高い評価を得ることにもつながります。具体的には、環境問題への取組、企業倫理、法遵守、リスク管理への取組、全従業員がその取組を理解し、社会貢献を具体的に実施する組織・計画が明確になります。

国際化でグローバルに社会貢献します

多くの国内既存事業が成熟期を迎えている中、日本企業が生き残り、今後ますます成長していくためには国際性を有することが必須です。いかにグローバルな視点で戦略を策定し、それにしたがって施策を実行し、そして、その結果を評価しさらなるステップを試みるようになります。

経営監査により企業の健全性を保ちます

企業が健全性を保つためには、企業経営を第三者的立場から常にモニタリングをし、経営の改善に結び付けていくことが必要です。具体的には、経営内容、業務内容を監査する組織があり、中長期の監査方針に基づき、適切な監査人が会計監査に加え、環境監査、品質監査等幅広い領域を対象に、公正に監査し、監査結果が経営トップおよび部門に伝えられ、業務改善につながるようになります。

企業経営を効率的、かつ効果的に進めるためには強固なしくみが必要であり、その骨格となるのが経営管理であり、そのしくみを構築することが重要です。