スポーツ中ならスポーツドリンク?お子さんの水分補給を見直そう

荒川大輔

荒川大輔

テーマ:小児歯科・お子さんの健康全般について

こんにちわ。名古屋市港区にあります、オリーブ歯科こども歯科クリニックです。

暑い季節になると、お子さんの熱中症を心配して、スポーツドリンクを水筒に入れて持たせるご家庭が増えます。

「スポーツをするなら、スポーツドリンクの方が安心なのでは?」

そう考えるのは自然なことです。

私も、学生時代はアメリカンフットボール部に所属し、夏の暑い環境で、防具を着用して長時間練習する経験を重ねてきました。
アメリカンフットボールは発汗量が多く、熱が身体にこもりやすい競技です。
そのため、練習中は常に脱水や熱中症への対策を考える必要がありました。

この経験からも、水分補給を我慢させたり、回数を減らしたりすることは適切ではないと考えています。
運動中は、お子さんの安全を最優先に、必要な水分をこまめに補給しなければなりません。

一方で、スポーツをしているすべてのお子さんに、常にスポーツドリンクが必要なわけではありません。
適切に使用すれば水分や塩分の補給に役立ちますが、
糖分と酸を含むため、飲み方によっては、むし歯や酸蝕症のリスクを高めます。

通常の運動なら麦茶でも水分補給できます

短時間の運動や、発汗量がそれほど多くない場合は、水や麦茶でも脱水予防は可能です。

麦茶には基本的に糖分やカフェインが含まれないため、お子さんの日常的な水分補給に適しています。

当院では、通常の運動中は麦茶を基本とすることをおすすめしています。

大切なのは、喉が渇いてから一度に大量に飲むのではなく、
運動前から水分を取り、運動中もこまめに補給することです。

大量に汗をかく場合は塩分も必要です

麦茶は水分補給には適していますが、
汗で失われた塩分を十分に補えるほどのナトリウムは含まれていません。

真夏の屋外で長時間運動する場合、防具を着用する競技、衣服が濡れるほど大量に汗をかく場合には、
水分とともに塩分も補う必要があります。

このような場合、当院では麦茶に加えて、塩タブレットを製品の表示に従って使用する方法をおすすめしています。

ただし、塩タブレットは商品によって塩分量や糖分量が異なります。
多く摂れば安全になるものではありません。
お子さんの年齢、運動時間、発汗量を考え、パッケージに記載された摂取方法を守りましょう。

また、低年齢のお子さんでは、タブレットによる窒息や誤嚥にも注意が必要です。

また、一般的に歯科では、糖分を含む飲料を少量ずつ長時間飲み続ける「ダラダラ飲み」に注意するよう説明します。

しかし、この言葉を理由に、運動中の水分補給を我慢させてはいけません。

暑い環境では、喉が渇く前から、必要な水分をこまめに補給することが重要です。

歯科的に問題となる「ダラダラ飲み」とは、運動中に必要な水分を補給することではありません。
スポーツドリンクを運動していない時間にも飲み続けたり、運動終了後も数時間かけて少しずつ飲み続けたりすることです。

水分補給の回数を減らすのではなく、普段補給する飲み物を麦茶に変えることが重要です。

スポーツドリンクが必要な場合もあります

猛暑下での長時間の激しい運動や、大量発汗によって、水分、塩分、糖質を同時に補う必要がある場合には、スポーツドリンクが適することもあります。

スポーツドリンクそのものが悪いわけではありません。

問題は、「スポーツをしているから」という理由だけで、短時間の運動や日常生活でも常用することです。

スポーツドリンクの多くには糖分と酸が含まれています。
運動中は発汗や口呼吸によって口の中が乾燥し、酸を中和する唾液の働きも低下しやすくなります。

その状態でスポーツドリンクを繰り返し飲むと、むし歯だけでなく、酸によって歯の表面が溶ける酸蝕症のリスクも高まります。

糖質ゼロのスポーツドリンクであっても、酸性であれば酸蝕症のリスクは残ります。

スポーツドリンクを飲んだ後は水で口をすすぎましょう

スポーツドリンクが必要な状況で使用した場合は、飲んだ後に水を飲むか、水で口をすすぐことをおすすめします。

水で口をすすぐことで、口の中に残った糖分や酸を減らすことができます。

ただし、水ですすげば、むし歯や酸蝕症を完全に防げるわけではありません。

運動中は必要な水分をしっかり補給し、運動が終わったらスポーツドリンクを飲み続けず、麦茶に戻すことが重要です。

お子さんの水分補給で最も大切なのは、むし歯を心配して、必要な水分まで制限しないことです。

通常の運動では麦茶を基本とし、暑い環境で長時間運動する場合や、大量に汗をかく場合には、麦茶と塩タブレットを適切に組み合わせましょう。

スポーツドリンクが必要な状況では、無理に避ける必要はありません。
使用後に水を飲む、または水で口をすすぎ、運動終了後は麦茶に戻してください。

私自身、学生時代に炎天下でスポーツをしてきた経験があるからこそ、脱水や熱中症を防ぐことが最優先であると考えています。
そのうえで、飲み物の種類と飲み方を工夫し、お子さんの歯にかかる負担を減らすことが現実的な対策です。

オリーブ歯科こども歯科クリニックでは、むし歯を予防することだけを目的に生活を制限するのではなく、
お子さんの身体の安全と健やかな成長を守りながら、歯への負担を減らす方法をお伝えしています。

お口の健康は、食事、呼吸、睡眠、姿勢、運動など、毎日の生活習慣と深く関係しています。
正しい知識をもとに、無理なく続けられる習慣を、ご家族で選んでいきましょう。

歯科医療は、患者様の人生を幸せにするための手段であるべきです。

私たちは、お口の健康を通じて、お子さんとご家族のよりよい人生を支えていきます。

すべては、患者様のよりよい人生のために。

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荒川大輔
専門家

荒川大輔(歯科医師)

オリーブ歯科こども歯科クリニック

保険診療から先進的な自由診療まで幅広く対応、家族全員で通える地域のかかりつけ歯科医院です。全身の健康に悪影響を及ぼすお子さんの口腔機能発達不全症の治療に県内外から多くの患者様が通院しております。

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