倒れない会社の基本動作5つ――小さく変える・見える化・予告面談・単価防衛・伴走
このたび、ご縁をいただき、三河エリアを拠点とする経営者勉強会「ENGINE会」様にて
セミナー講師として登壇させていただく機会を頂戴しました。
中小企業の現場では、「資金調達は税理士任せ」「財務は難しそうだから後回し」といった声も多く聞かれます。
しかし、経営にとって「お金の流れを理解すること」は避けて通れません。
今回は、そうした方々に向けて、2部構成で“資金調達”と“財務の基礎”をお話しさせていただきました。
第1部:そもそも融資とは?銀行と上手に付き合う方法
第1部では銀行には直接聞きづらい「融資の基本」からスタートしました。
銀行融資は誰にでも簡単に貸してくれるわけではありません。
銀行は「返せるか」「信頼できるか」を重視しており、以下のような点を見ています。
・決算書の内容(利益・資産・借入状況)
・代表者の経歴や信頼性
・返済原資となるキャッシュフローの有無
・税金や社会保険の納付状況
また、信用保証協会付き融資やプロパー融資といった「融資の種類」も、経営者として知っておくべき基本です。
さらに今回は、あまり銀行からは提案されない「借入の構築方法」についても触れました。
たとえば以下のような内容です。
・短期借入と長期借入のバランス調整
・リファイナンスによる返済負担の軽減
・業態や資産構成に応じた借入設計
銀行とは「借りるときだけの関係」ではなく、普段の報告や姿勢が取引姿勢に反映されます。日頃からの関係構築が、いざという時の資金調達力を左右します。
第2部:「財務」とは何か?税務・会計との違いを整理する
第2部では「財務とは?」というテーマでお話ししました。
多くの中小企業で混同されやすいのが、‟税務・会計・財務の違い”です。
・税務:税金を正しく計算し、納税するための処理 ⇒ 過去
・会計:取引を記録し、決算書を作るための作業 ⇒ 過去
・財務:資金の流れを管理し、経営判断に活かす行為 ⇒ 未来
つまり、‟財務は“未来の意思決定”に使うもの”なのです。
セミナーでは、以下のような実務的なポイントも解説しました。
・決算書の基本構成(BS・PL・CF)の読み方
・キャッシュフローが不足する局面での借入の考え方
・月次試算表を活用した経営チェックのポイント
・貸借対照表(BS)を分析して、財務改善に活かした事例
たとえばある企業では、PL上は黒字なのに資金繰りが苦しいという状況が続いていました。
BSを精査すると、短期借入の返済負担が重く、キャッシュを圧迫していたことが判明。
長期資金への切替交渉や、資産整理を進めることで、数ヶ月後にはキャッシュフローが大きく改善し、
業績に好影響を及ぼした実例もご紹介しました。
経営者にこそ「財務の視点」が必要です
税金や会計は専門家任せでもある程度対応できますが、財務は経営判断そのものです。
どこに投資するか、いつ借りるか、何に使うか。
これらの意思決定を支えるのが「財務の視点」です。
今回のセミナーが、経営者の皆さまにとって「数字を味方につける」第一歩となれば幸いです。
もし、今の資金繰りや財務体制にご不安があれば、お気軽にご相談ください。外部CFOとして、資金調達や財務改善をサポートいたします。



