AIと人間、役割の違いをどう教えるか〜「考えるのは誰?」を問い続ける授業へ〜
テストの点数は、わかりやすい指標です。
80点、90点、100点。
数字は一目で結果を示してくれます。だからこそ、保護者も子どもも、どうしてもそこに目が向きます。これを読んでくださっている方の大半も、点数で成績がつけられることや、入試の合否が判定されることについて、「そうだったよね」と思われるのではないでしょうか。
昔から、学校現場で子どもたちを見ていると、点数では測れない力が、確かに育っていると感じる瞬間が何度もありました。
たとえば、前は発言できなかった子が、勇気を出して手を挙げたこと。
すぐ諦めていた子が、最後まで問題に向き合ったこと。
友達の意見を聞いて、「なるほど」と自分の考えを修正できたこと。
これらは通知表の数字には表れにくいけれど、間違いなく大きな成長です。「パソコンの先生、聞いて聞いて」と子どもたちが寄ってきて、プログラミングの授業で発言できたことや、完成させたScratchの大作について、輝いた顔で話してくれる。その姿を見るのは、とてもうれしいことです。
AI時代に入り、「正解を出すこと」の価値は相対的に下がりつつあります。検索すれば答えは出る。AIに聞けば文章も整う。
だからこそ、これからの教育では、「どう考えたか」「どう関わったか」「どう変わったか」を伝えることが重要になります。ようやく、子どもたちの輝く笑顔のもとになる能力について、大きく理解が広がってきたなと感じています。
「非認知能力」という言葉をお聞きになったことがある方も多いかと思います。何が非認知能力かという議論はこれから成熟していくところですが、今のところは、点数では測るのが難しい能力のこと、とイメージしていただければよいでしょう。これからの時代に、とても重要になる力です。
最近は、ICTを活用して学習の過程を記録する学校も増えています。
途中のメモ、書き直しの履歴、友達からのコメント、先生からのフィードバックや花丸。
こうした「思考の足跡」を振り返ることで、完成品だけでは見えない努力や工夫が可視化されます。
保護者の皆様にお願いがあります。お母さん、お父さんだけでなく、おばあちゃん、おじいちゃんも、
もしテストが返ってきたら、「何点だった。」だけでなく、「どこが難しかった。」「どんなふうに考えたの。」と聞いてみてください。
その問いが、点数の外側にある力をすくい上げます。
数字は大切です。自分がどれくらいわかっているのかを客観的に知ることができます。でも、それがすべてではありません。
子どもが積み重ねているのは、知識をどれだけインプットし、アウトプットしたかだけではなく、考える力、粘る力、他者と関わる力です。
点数では見えない力を、どう見つけ、どう言葉にして伝えるか。
それが、これからの学校と家庭に求められている役割なのだと思います。これを読んでくださる皆様が、先んじて実践すれば、お子さんたちはたくさんの笑顔で楽しく学べるのではないでしょうか。
ハイパーブレインでは、このようなお話をさせていただいております。PTA研修や保護者の集まりなど、小さな機会でも構いませんので、ぜひお声がけください。



