「できる子」の定義が変わるとき 〜AI時代に問い直したい「優秀さ」〜

大江香織

大江香織

テーマ:AI

「できる子」という言葉を、私たちはどんな意味で使っているでしょうか。

テストで高得点を取る子。
質問にすぐ答えられる子。
要領よくまとめられる子。

これまで学校では、こうした姿が「できる」の象徴とされがちでした。頭の引き出しから知識をさっさと取り出せる、ということが評価されることが多かったですね。

ですが、AIが瞬時に答えを出し、文章を整え、計算をこなす時代に入り、「できる」の基準は静かに揺らいでいます。
これを書いているのは2026年2月ですが、おそらく3月には状況がとても変わっていますし、5月には全く変わっているでしょう。
今、これを読んでくださっている方は、「できる」の基準が急速に変化する渦中だとご認識いただければと思います。

正解を出す速さや正確さは、もはや人間だけの強みではありません。では、これからの「できる子」とは、どんな子なのでしょうか。

今、学校現場で大切にされ始めているのは、

・すぐに答えが出なくても考え続けられる子
・自分の考えを言葉にできる子
・他人の意見を取り入れて修正できる子
・わからないと言える子(大切です)

つまり、「完成された子」ではなく、「成長し続けられる子」です。
先生に教えられたことをきちんと理解していれば「できる子」だったのが、「なんでそうなっているのか」と考え続ける子が「これからのできる子」と変化しています。

例えば、ある授業で、難しい問いに対して沈黙が続いた場面があったとします。すぐに答えられる子はいません。
でも、一人の子が「まだまとまっていないけれど…」と話し始めました。その言葉に続いて、別の子が「Aさんの意見を聞いて思いましたが、私は少し違っていて」とつなぐ。
その時間は、正解を競う時間よりも、はるかに豊かな学びです。何に躓いて、突破口をどこに求め、それをきっかけに他の子の考えを引き出していく、という時間が大切になります。

AI時代において、人間の強みは「答えを持っていること」ではありません。
問いを立て、考えを深め、他者と協働できることです。

保護者の方にとっても、「うちの子はできるのだろうか」という不安は尽きないものです。ただ、これまでのようにテストの点数や発言の速さだけが「できる」の証ではありません。
時間がかかっても、自分なりに考え抜こうとする姿勢こそ、これからの社会で力になります。
これに保護者の方が気づいて、ご自分のお子さんにそのように接していけば、先の見えない時代に対しても生きていく力を身につけることができます。

そうして、世の中の「できる子」の定義が変わるとき、学校の評価も、変わっていくでしょう。
ご家庭で先んじてそれを理解されていれば、戸惑うことはありません。

速さよりも深さ。
完成度よりも成長力。

これからの教育は、「今できるか」ではなく、「これから伸び続けられるか」を見ていく時代に入っているのだと思います。

 私は就職氷河期世代ですが、その時とは時代がずいぶん変わったと感じます。保護者の皆様は、ご自分が受けられてきた教育、その時の「できる子」の価値観がものすごい勢いで変化している時代であるとご認識いただければと思います。

 そのあたりをハイパーブレインではPTA研修会等でお話しさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。

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大江香織
専門家

大江香織(教育情報化コーディネータ)

株式会社ハイパーブレイン

教育用AIチャットボットや、教育委員会と学校の情報共有をスムーズにするダッシュボードなどのICTツール開発。教師本来の業務である授業の充実や子どもとの触れ合いに専念できるようサポートします。

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