AIと人間、役割の違いをどう教えるか〜「考えるのは誰?」を問い続ける授業へ〜
わからないことがあれば、すぐにAIに聞ける時代になりました。
質問を入力すれば、数秒でそれらしい答えが返ってきて、とても便利です。
検索サイトでも、一番上には「AIが端的にまとめた答え」が載っており、クリックせずともそれを読めば事足りそうな言葉が並んでいます。ですが、正しいとは限りません。おおよそ正しいのですが、少し間違っているところがあり、それを「検索している人」が気付けるかというと、たぶん、なかなか気づくことはできません。
学校現場では、今、「すぐにAIを使わない時間」を大切にする授業が始まっています。
AIを使うこと自体が悪いからではありません。これから私たちの生活にはAIが切っても切り離せないものとなるでしょう。
そのAIを上手に使いこなすためには、「立ち止まる力」が非常に重要だ、ということが広まってきているのです。
授業では、たとえば、こんな問いが投げかけられます。
「この問題は、AIに聞くべきかな?」
「AIに聞く前に、まず考えてみよう。自分は何を知っていて、何がわからないのかな? 何を知りたいのかな?」
「AIの答えが正しいかどうか、どうやって確かめる?」
こうした問いは、「こうするのが正解です」という答えを出すためのものではありません。
考える姿勢そのものをつくるための問いです。
ある授業では、同じ課題に対して
①まず自分で考える
②次にAIに聞く
③最後に「どこが同じで、どこが違ったか」を振り返る
という流れを取り入れています。
すると子どもたちは、「自分の考え、意外と合ってた」「AIは便利だけど、なんかちょっとずれたことを言ってる」と、答えを「評価する側」に回り始めます。
ここで育っているのは、知識ではなく、思考の主導権です。
AIを使うかどうかを決めるのも、AIの答えを採用するかどうかを決めるのも、人間、必ず自分自身なのです。
AIに言われたからそれが正しい、という思考停止は最も避けるべきことです。
自分自身で決めるという立場を手放さないことが、これからの学びではとても重要になります。
ご家庭でも、「AIを使う前に、どんなこと考えた?」と聞いてみてください。
それだけで、子どもの中に「立ち止まる習慣」が生まれます。
AIは、考えることを代わってくれる存在ではありません。
考えを深めるために使う道具です。とても便利な道具ですが、道具に操られていてはいけません。
だからこそ、使う前に一度立ち止まる。
その小さな一歩が、AI時代の学びを大きく支えていくのだと思います。
ハイパーブレインでは、この前提をもとに学校でのご支援を続けています。



