AI時代の読み解く力〜「答えが出る」より、「意味がわかる」へ〜
「AIがこう言っていました」
最近、子どもたちの口からそんな言葉を聞くことがありました。
特に大学生のレポート作成でAIを使う場面も、もはや珍しくありません。
高校生が生成AIを使って「探究学習」を学ぶこともあります。
聞けば便利で、速くて、それらしい答えが返ってくる。
大学生、高校生だけではなく中学生、小学生も生成AIを使う時間が増えていくでしょう。
だからこそ、学校現場では今、ある新しい課題に向き合っています。
それは、「AIの答えをそのまま信じてしまう」ことです。
AIは多くの情報をもとに文章を生成しますが、その内容が必ずしも正しいとは限りません。
古い情報が混ざることもあれば、文脈を誤解した答えが返ってくることもあります。
それでも、言い切るような表現で示されると、「正解」に見えてしまうのです。
(とんでもないことでも言い切ってほしい心情は多かれ少なかれ人間にあるので、きっぱり言い切られたら、そうかな、と思ってしまう経験は皆様にもあるかもしれません)
そこで学校では、AIを使わせないのではなく、「疑う前提で使う」授業が始まっています。
たとえば、AIの答えをそのまま提出するのではなく、
・本当に事実か、別の資料で確認する
・なぜそう言えるのか、根拠を探す
・別の考え方はないか、クラスで話し合う
といった活動を組み合わせます。
ある授業では、同じ質問をAIと教科書、ニュース記事に投げかけ、答えを比べました。すると子どもたちは、「AIの答えは便利だけど、理由が弱い」「この表現、ちょっと極端じゃない?」と、自分の言葉で違和感を語り始めます。答えを評価する立場に立つ経験が、ここで生まれています。
大切なのは、「AIはダメ」「使うな」と教えることではありません。
むしろ、AIを「賢い道具」として使いこなすために、人間側が考える力を鍛えることです。
その力がなければ、AIは便利な助手ではなく、思考を止める存在になってしまいます。
特に、小学生は発達段階を考えて、生成AIの活用には慎重になったほうがいいです。
自動車はとても便利ですが、18歳になるまで免許を取得できません。
「前提としてわかっていないといけないこと」が多いのは生成AIも同様です。何の予備知識も持たずに「超便利!」だけで使うのは、とても危険です。
(だからといって全面的に禁止!!!! というのも極端です)
家庭でも、子どもがAIの話をしたとき、「それ合ってるの?」と否定するのではなく、「どうやって確かめたの?」と聞いてみてください。
その問いかけが、学校で育てている学びとつながります。
AI時代の授業で育てたいのは、「答えを出す力」ではなく、答えを問い直す力です。
それこそが、これからの社会を生きる子どもたちに、本当に必要な学びなのだと思います。
これを読んでくださっている皆さんも、AIを使い始めた方は多いと思います。
寄り添い、親身になる言葉をかけてくれるAIに、人間的な感情を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、AIは、基本的に「文字の羅列で多い順」に話をしていると思っていただくのがわかりやすいと思います。
それらしく聞こえても、確認する。生身の人間同士の会話では「信頼してないのか!」になるようなことでも、AIは全く気にしません。
お子さんやお孫さんとご一緒に、そのような機会を作っていただければと思います。



