「ねぇ、これどう思う?」が始まりになる 〜子どもと、あるいは孫と、一緒にニュースを読む習慣〜
「GIGA端末を家に持ち帰るようになったけれど、どう扱えばいいのかわからない」
「ずっと画面を見ていて、本当に勉強しているのか不安です」
そんな保護者の声を聞くことがあります。
GIGAスクール構想で1人1台端末が整備され、およそ5年。授業中の活用はもちろん、宿題や振り返りに使うために家庭への持ち帰りも広がってきました。
(当初は持ち帰りに反対していた自治体でも、持ち帰ることが増えてきました)
そうした中で、保護者が「学校ではルールが決まっているようだけど、家庭ではどう支えればいいの?」という戸惑いを感じることは、当然のことだと思います。
まず、大切にしたいのは、「家庭でのルールづくりに正解はない」という前提です。
「絶対にこうしなければ子どもの将来に影響する」というような文言で「正解」を煽る言説も見かけます。例えば、就寝前は使わない、食事中は手元に置かない、リビングでのみ使用する、など。
ですが、これらはご家庭での他のルールとあわせて、子どもと一緒に話し合ってルールを決めることが、タブレットと付き合っていく第一歩になります。
これは学校で配布されているタブレットに限らず、自分のスマートフォンや、ゲーム機などにも同様にいえることですね。
一方で、学校から十分な説明がないまま持ち帰りが始まると、「勝手にYouTubeを見ていた」「宿題以外に使っていた」というトラブルにもつながりかねません。
だからこそ、ルールは家庭だけでなく、学校との「すり合わせ」が必要です。
例えば、ある学校では「家庭利用のガイドライン」を丁寧に作り、保護者説明会で配布しています。
・使用可能な時間帯
・使用目的(宿題/調べ学習 など)
・フィルタリング設定
・トラブル時の対応方法
などを具体的に示すことで、「学校と家庭の共通ルール」が生まれ、保護者の不安も和らぎました。
タブレットの持ち帰りを始める前、もっと言えば「タブレットを子どもたちに渡したとき」に、家庭にも「学校ではこのようなルールを子どもたちに伝えています」という発信がされているかどうか、ご確認いただければと思います。
自治体単位でルールを設定していることも多いですので、お住まいの自治体の公式サイト、教育委員会の欄を開くと(設定している場合は)目立つ場所にルールが掲載されていることがあります。自治体内の学校に通う子どもたちや、教職員しか見られないページに掲載されていることもありますので、「掲載されてないからルールがない」ではないことにご留意いただきながら、ご覧になってみてください。
私たちICT支援員も、説明資料の作成や、保護者からの問い合わせ対応のご相談を通じて、「学校と家庭の「橋渡し役」」として関わることが増えたと感じています。
「ルールで縛る」だけではなく、「どう使うと安心できるか」を一緒に考える――そんな関係づくりが大切だと先生方にはお話ししています。
タブレットは、自律して使えば子どもの可能性を広げる道具です。
でもそのためには、大人たちが連携しながら、「使いこなす力」を育てていく環境づくりが欠かせません。
「どう使う?」を、家庭でも学校でも話し合えること。
それが、これからの時代の「学びを支えるルール」になるのではないでしょうか。
どのようにルールを決める話し合いをするか、きっかけはどうするかなど、ハイパーブレインでは「今それが聞きたい」という研修メニューもご用意しております。
お気軽にお問い合わせください。



