動画の言葉が「真実」に見える時代に〜今こそ育てたい判断力〜
「今さらこんなこと聞けないんだけど……」
「子どもたちの方がよっぽど詳しいよ」
そんなつぶやきが、ICT研修の前に聞こえてくることがあります。
GIGAスクール構想で1人1台端末が導入され、授業に「タブレットがあるのが当たり前」になったのは本当にここ数年のことです。
いちばん「学び直し」に戸惑っているのは先生ご自身かもしれません。だって、タブレットが当たり前の状態の授業を先生方は受けたことがないですし、
教員養成課程でもその状態が前提のことをほとんど何も学んでいらっしゃらないからです。
「ICT研修」と聞くと、最新アプリの操作方法や教育ソフトの使い方など、技術を習得するイメージがあるでしょう。
今、本当に大事なのは、先生たちが「わからない」と言えること、「失敗しても大丈夫」と思える研修を実施することではないでしょうか。
ある自治体では、ICT支援員が講師を務める教員研修で「間違えても大丈夫研修」と名づけた回を実施しました。
最初に設定したのは、「質問は大歓迎」「途中で操作が止まったら手を挙げる」「つまずきは共有する」というルール。
ベテランの先生が、「スクリーンショットって何でしたっけ?」と口火を切って遠慮なく聞いたことで、中堅や若手の先生にも
「こういうことを聞いていいんだ」「恥ずかしくないんだ」と安心感が広がったように思います。
ICTに苦手意識のある先生は少なくありません。でも、「苦手」を言える雰囲気がなければ、研修はただの確認作業になってしまうのです。
ICT研修で最も重要なのは、「操作を覚えること」ではなく、「自分の授業でどう使えるかを考えること」。
そのためには、まず先生自身が、使ってみて、つまずいて、工夫してみる体験が必要です。
失敗できる環境があってこそ、試してみたくなる。試してみたくなるから、子どもにも使わせてみようと思えるのです。
ICTは、魔法の道具ではありません。でも、「先生が挑戦している背中」を子どもが見られることは、何よりの学びになります。
先生たちが、ICTを前に「苦手な自分も受け入れられる」場所――
それが本当の意味での、ICT研修のスタートラインだとハイパーブレインは考えます。
どのような内容の研修も私たちにご遠慮なくご相談ください。安心してたくさんいろいろお聞きくださいね。
(PTAの研修も大歓迎です)



