なぜ“正しい情報”だけでは届かないのか〜デジタル時代に求められる伝え方〜
子どもたちがタブレットを使うようになってから、教室ではある小さな変化が起きつつあります。
それは、「失敗しても大丈夫」と思える空気が、少しずつ広がっているということです。
紙のノートやテストでは、間違えたら赤でバツ。消して書き直すにも限界がありました。
我が家の息子も、夏休みの宿題で原稿用紙に作文を書いていて、途中で一文字抜かしたことに気が付き、消しゴムで消そうとしたら原稿用紙が破れ、「もう嫌だ」と泣き出したことがあったなと思い出します。
でも、タブレットならどうでしょう。書き間違えたらすぐに戻せる、あとから編集できる、更新できるのがデフォルトです。
ICTには、「やり直しが前提」の設計が自然に組み込まれているのです。
ある小学校では、子どもたちがプレゼンテーション用のスライドをタブレットで作成しています。
途中で「やっぱりこっちの方がいい」と思ったら、何度でも直してOK。友達に見せて意見をもらってから、改善してもいい。
それを先生は「よく気づいたね」「直してみて偉いね」と声をかけます。
失敗が減点ではなく、“成長のきっかけ”として扱われているのです。
先生方はもちろん、塩梅をご存知ですから、次から次へとスライドに変更を加え、結局何が言いたいのかわからなくなった、というような子どもに、どう対応するかまで考えて授業されています。
ICTだけで失敗への不安がなくなるわけではありません。
でも、間違えてもやり直せる環境があるというその一点だけで、「完璧じゃなくていいから、まずやってみよう」と思える子どもが増えてきているのは確かです。
さらに、クラウドを使えば、先生が途中のプロセスも見守れます。
提出された後ではなく、取り組んでいる途中で声をかけたり、困っていそうな子にだけ個別にヒントを送ったりすることもできますし、見守り続けることもできます。
先ほどお伝えした「塩梅」を見て決められているのです。
子どもが「失敗の途中」で放り出されない仕組みがあることも、ICT活用の大きなメリットです。
テストの点数や正解・不正解だけでは測れない学びの価値が、今、再評価されています。
その中でICTは、「失敗してもいい。やり直せばいい」と思える「挑戦できる教室」をつくる力を持っています。
ICTは単なる便利な道具ではなく、子どもたちが安心して間違えられる環境を支えるパートナーでもあるのです。
私たちハイパーブレインは、その環境を維持発展させるご支援を、先生のパートナーとして実施しています。



