「ねぇ、これどう思う?」が始まりになる 〜子どもと、あるいは孫と、一緒にニュースを読む習慣〜

大江香織

大江香織

テーマ:デジタル・シティズンシップ

「今の子って、ニュースなんて見ないでしょ?」
そんなふうに思っていませんか?
確かに新聞を広げることは少ないかもしれませんが、子どもたちは意外とニュースに触れています。
SNS、YouTube、ショート動画、学校の授業…断片的にでも話題は耳に入っているのです。

手に入る情報は選別されている

ただし問題は、その情報がどう選ばれ、どう編集されたものかを考える機会がほとんどないこと。
たとえば、SNSで見かけた炎上動画や極端な発言に「正しいのかな」「変だな」と疑問を持てる力。それが情報リテラシーの出発点です。

そうした力を育てる場として、家族の間で「ニュースについて話す時間」はとても有効です。
特別なことをする必要はありません。テレビのニュースを見ながら、あるいはネットの話題を一緒に読んで、
「これ、どう思う?」
「ほかにも意見あるのかな?」
「なんでこう言ってるんだろう?」
そんな問いかけをするだけで、子どもの「考えるスイッチ」が入ります。

たとえば、ある小学校では毎朝1つのニュースを取り上げ、「感想と理由」をノートに書く取り組みを続けています。最初は「すごい」「かわいそう」ばかりだった子どもたちが、少しずつ「別の見方もあるかも」と書けるようになっていくそうです。

家庭でも、たとえば食卓で話題にする、学校帰りの車の中で一言聞いてみる、家族で違う意見が出たら「へぇ、そう考えるんだね」と認め合う。
ニュースは、情報リテラシーを学ぶだけでなく、親子の対話を深めるツールにもなります。

もちろん、毎日でなくても構いません。「たまに一緒に考える」で十分です。
大事なのは、「わからないことに一緒に向き合う」姿勢を見せること。大人も迷いながら考えているという姿こそ、子どもにとっての大きな学びになります。

「ねぇ、これどう思う?」
そのひと言から、子どもの情報とのつき合い方が変わっていくかもしれません。
お父さんやお母さん、あるいはおじいちゃんやおばあちゃんと「一緒に考える」こと自体が、子どもたちの貴重な経験になるのです。
ハイパーブレインは、学校のご支援を通して、まず社員が自身の子どもと一緒に考えることの大切さを実感し、実行しています。

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大江香織
専門家

大江香織(教育情報化コーディネータ)

株式会社ハイパーブレイン

教育用AIチャットボットや、教育委員会と学校の情報共有をスムーズにするダッシュボードなどのICTツール開発。教師本来の業務である授業の充実や子どもとの触れ合いに専念できるようサポートします。

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