「ねぇ、これどう思う?」が始まりになる 〜子どもと、あるいは孫と、一緒にニュースを読む習慣〜
「それ、事実と違いますよ」「この資料を見てください」と丁寧に説明しても、なぜかまったく聞き入れてもらえない――そんな場面に心当たりはありませんか?
伝え方って大事です
たとえばワクチンやGIGAスクール、デジタル教科書など、私たちは「正しい情報をきちんと伝えれば理解してもらえる」と思いがちです。けれど実際には、どれだけ論理的に説明しても、相手が納得しないどころか反発を強めることすらあります。
なぜでしょうか?
それは、人は必ずしも「正しさ」だけで動くわけではないからです。むしろ、「共感」や「不安に寄り添ってくれた」という感情の方が、心に深く届くことがあります。
短い言葉や印象的な映像、あるいは「この人は自分の味方だ」と感じさせる語り口。そうした要素の方が、冷静なデータや長文の説明よりも強く影響を及ぼすのです。
これはICT教育の現場でも感じることです。
「クラウドは安全です」「デジタル教科書は文部科学省が認めた教材です」と正しく説明しても、保護者からは「でも不安です」「目が悪くなるのでは」といった声が返ってきます。
その背景には、「子どもが取り残されるのでは」「そうはいってもよくわからない、自分は使ったことがないし」という様々な心配があります。だからこそ、ただ事実を伝えるだけでなく、相手が何を感じているかに目を向けることを大切にしてご支援しています。
今、求められているのは「情報を教える教育」ではなく、「情報をどう受け取り、どう伝えるかを考える教育」です。
それがまさに「デジタル・シティズンシップ」の考え方。
子どもたちが自分の考えを持ち、対話できる力を育てるために、大人の姿勢も問われています。
もし子どもが誤解しているような言動をしたとき、「それ違うよ」とすぐに正すのではなく、「どうしてそう思ったの?」と聞いてみてください。
大人同士でも、「それ、本当?」と落ち着いて問いかけ合える関係が、社会全体のリテラシーを高めていく一歩になります。
正しい情報は必要です。でも、それだけでは人の心には届かない。
だからこそ私たちには、どう伝えるかを考える力が、今こそ必要だと考え、会社でデジタル・シティズンシップ研修を実施し、ご支援を頑張っています。



