子どもは「信じ方」を学んでいる 〜大人だって迷う時代に〜
SNSや動画投稿サイトで、断定的に語られる意見や主張に触れる機会が増えました。選挙や社会問題に関する投稿の中には、過剰に感情をあおったり、特定の立場に誘導するようなものもあります。
そして、こうした“扇動的な言説”は、大人にも子どもにも少しずつ影響を与えています。
断言口調かどうか、判断してみてください
特に動画やSNSでは、「断言されると正しいように思える」「みんながシェアしているから間違いない」といった心理が働きやすくなります。けれど、その多くは事実の一部しか語っていなかったり、根拠のない主張だったりすることもあります。
このような時代に必要なのは、ものごとを疑う「批判力」だけではなく、「問いを持つ力」です。
「これは誰が言っているのか?」
「反対の意見はあるのか?」
「なぜそう言い切れるのか?」
そうやって、自分で考える姿勢がなければ、知らず知らずのうちに“誰かの言葉”が自分の考えとして取り込まれてしまうこともあります。
こうした「問いを持つ力」を育てる教育として、世界では「デジタル・シティズンシップ教育」が注目されています。これは単なるネットマナーではなく、デジタル社会の一員として、情報を読み解き、意見を持ち、責任ある行動をとる力を育てるものです。欧米では小学生のうちから学ぶ国もありますが、日本ではまだ広く根付いているとは言い難い状況です。
子どもにこの力を育むには、まず大人が「鵜呑みにしない姿勢」を見せることが出発点です。
ニュースを一緒に見て「これはどう思う?」と問いかけたり、SNSの投稿について家族で話し合ったりすること。それが、デジタル社会における“家庭でできる市民教育”です。
情報があふれる時代だからこそ、自分で考え、自分で判断する力を子どもたちに届けたい。
それは学校だけに任せるのではなく、これを読んでくださっている皆様一人ひとりが日常の中で育てていくものなのだと思います。
勿論私もその中に含まれておりますので、日常の中で、「本当かな」「どうしてこうなのかな」ということを立ち止まって考えられる癖を付けていきたいと思っています。私たちハイパーブレインは、日本でデジタル・シティズンシップをけん引されている先生方に研修をお願いし、全社員で理解に努めています。



