学校のセキュリティ対策
最近、学校での性暴力事件(盗撮、という言葉の持つ雰囲気と、性暴力、という言葉の持つ雰囲気は異なります。私は性暴力だと社会に認識してほしいので、この言い方をします)が報道される中で、「子どもが学校のタブレットで写真を撮ったけど、それってどこに残るの?」「誰が見られるの?」といった不安の声を保護者の方から聞くようになりました。
知ることで正しく恐れる
GIGAスクール構想によって、全国の小中学生が1人1台タブレットを持ち、写真や動画を使った表現活動が当たり前になっています。ですが、「そのデータはどこに行くのか?」については、意外と知られていません。
知らないので、「なんか怖い」「勝手に使われるんじゃないか」という不安が出てきます。だから、知ることで不安を潰していくことは大切です。
ただ、実際の保存先は、自治体や学校によって異なります。
よくあるのは、
- 端末本体に保存
- クラウド(Google DriveやOneDriveなど)への自動保存
- そもそもカメラ機能を制限している
というようなものです。
また、生徒が撮影した写真は、本人と先生だけが閲覧できる設定になっていることが一般的です。教育委員会などの管理者がログを確認できる場合もありますが、外部に漏れるような仕組みには基本的になっていません。
ただし、仕組みが整っていてもルールや教育が追いついていなければ、安心とは言えません。
「悪意」がある使い方はもちろん問題ですが、「今撮った写真はどこに保存した?」と聞いて、明確に答えられる児童生徒、あるいは先生はどれくらいいるでしょうか。
これを読んでくださっているあなたはどうですか? スマホで撮った写真はどこに保存されていますか? スマホ本体ですか? クラウドですか? それを閲覧できる範囲はどこまでですか? 家族? 友人? ご自分一人?
こうした背景を踏まえると、ICTの活用とリスクの両面を学ぶことは、子どもだけでなく大人にも求められるアップデートだと言えます。
「昔はスマホもSNSもなかったから」「うちの子はそんなことしないと思うから」では通用しない時代です。先生やICT支援員だけに任せるのではなく、保護者自身も「今どきの学び方」を知り、学校と連携しながら子どもを見守ることが、安全な学習環境づくりにつながります。
学校で開かれるスマホの使い方教室にはどうぞ積極的にご参加ください。その方が、ご自分の身を守ることにもつながります。その講習会が「デジタル・シティズンシップ」に基づいて行われるなら更に効果倍増です。せっかく身近で話を聞けるのなら、聞いておいた方が断然お得です。
GIGA端末は、正しく使えば子どもの学びを広げる力強い道具です。便利さとリスクのバランスをとるために、私たち大人も、共にアップデートしていきましょう。



