セキュリティの道しるべ

大江香織

大江香織

テーマ:セキュリティ

セキュリティを守りましょう、というときに、やみくもに守れ! と言われても困りますね。
ですので道しるべが必要になります。学校における道しるべについて、確認してみましょう。

学校の道しるべ:教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン

平成29年10月に第1版が公開されて以降、時代の要請にあわせて何度か改訂が行われてきました。現在は
令和7年3月版
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1397369.htm
が最新です。
初版では「機密情報は、外部から隔離された安全な場所に設置されたサーバー内に置きましょう」という論調だったのが、途中から変更になり、「クラウドを安全に使いましょう」に変わってきています。
先生方の意識も、教育委員会の意識も、そして地域や保護者の皆様の意識も、「変わってきてるんだなあ」ということをまずご理解いただきたいなと思います。
また、「それ、読んだことあるよ」という方にお会いすることもあるのですが、実は1年から2年に1回改訂されています。
ぜひ1年に1回は読み直されることをお勧めします。
人間1度読んだだけですべて頭に入るわけはありませんね。私もよく忘れるのでよく読み返します。
セキュリティの常識は日進月歩です。

セキュリティを強化するということについて

セキュリティは、「守る」ことに重点を置くので、とても大変です。
攻撃する方は片っ端からいろいろ試して「あ、効いた」が1回でもあれば攻撃できますが、守る方は1回でも攻撃されればダメなわけで、守備の穴を見つけてはふさぎ見つけてはふさぎ、という非常に地味な作業になります。

相手の攻撃は日に日に進化しますから、守備も進化しなければならないのですが、皆さんお感じの通り、「守備力強化」にお金を出そうとか、力を割こうとか、なかなか人間思わないものです。
やっていることは本当に地味なことですし、「何もなかった」が最高の結果になります。そうなると、「何も起こってないんだから予算を削減してもいいだろう」にすぐ持っていかれそうになります。

それで、何か起こった時「どうなってるんだ」ということになりますから大変です。

セキュリティなんて面倒になるだけ。手順を増やすな。今まで何も起こってなかったんだからいいじゃないか。そういう風な声が一昔前はずいぶん強かったのですが、今はだいぶん変わりました。学校現場が大変なことは重々承知の上で、それでも、悪気なく、たまたま事故で、事件の加害者になる、という可能性を少しでも減らすために、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインというものがあるんだなあ、と思っていただければと思います。

先週の、中学生の書類送検の時などはさぞかし「どうなってるんだ!!!!」だったでしょう。
守備が強いことはとても強みになりますから、きちんと必要なお金をかける、ということも、これを読んでくださってる皆さんになるほどなあ、と思っていただけるようなコラムを書いていきたいと思います。

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大江香織
専門家

大江香織(教育情報化コーディネータ)

株式会社ハイパーブレイン

教育用AIチャットボットや、教育委員会と学校の情報共有をスムーズにするダッシュボードなどのICTツール開発。教師本来の業務である授業の充実や子どもとの触れ合いに専念できるようサポートします。

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