水頭症
本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年末、名古屋市内の基幹病院の地域包括ケア推進セミナーに参加する機会がありました。
グループワークで、意見を出す勉強会でしたが、
そこでテーマに上がったのが、身寄りのない人の支援をどう考えるか?というグループワークでした。
主に清須市と稲沢市をフィールドワークとしている私と名古屋市内の病院MSW(医療サーシャルワーカー)や居宅のケアマネでは、考え方が大きく違うなあと感じました。
大きく違うと感じた点は、独居の入院患者(脳梗塞)でも家族と不仲であれば、家族とは連絡取らずにそのまま独居に帰す…といった病院MSWの発言でした。ケアマネの私としては、これを機会に、不仲の家族と病院側が連絡を取って、今後、何かあった時に家族に動いてもらう必要性を感じるので、たとえ不仲であったとしても、一度は連絡をとって、最低限の支援をしてもらうように依頼はして欲しいと伝えました。病院MSWは、家族関係のデリケートな問題に踏み込む必要性を感じないという意見でした。
病院入院中の支援は、誰がするのか?身元保証人は?と聞くと、近所の友人…との事でした。その地域は、市営住宅が多く、友人が家族代わりに対応する事は稀では無いそうです。
洗濯や着替えの準備、病院の支払い、様々な手続きなど近所の人が行う事に、私はどうしても違和感を感じてしまったのですが、その土地のやり方があるもんだなあ~と感じました。
ただ、独居で身寄りがない方が、在宅に帰って生活し始めた時、介護保険サービスを利用する時、担当ケアマネジャーに降りかかるプレッシャーはかなりあると感じます。そして、何かトラブルが起こった時、家族がいない為、「ケアマネさんに相談して」「ケアマネに頼んで」というフレーズがあちらこちらから聞こえてきます。
このグループワークで、私が一番大きな声で発言したのは「なんでもかんでもケアマネと言われても困る」でした。本当にそうなんです。ケアマネジャーは家族の代わりではありません。
弊社のケアマネジャーにいつも話しているのは、ケアマネの仕事は基本、週休2日の9時~18時までの勤務時間です。救急車には同乗しません。入院時の身元保証人にはなりません。緊急連絡先でもありません。
名古屋市内のその病院と同じエリアの居宅ケアマネジャーの方も「なんでもケアマネは困る」と同じ意見を言われていました。
「同じ感覚を持っているんだ…そこは…」と、少しホッとしました。
他人に優しくて、断れない性格のケアマネジャーは、利用者・家族からのケアマネ業務以外の依頼をまともに受けてしまいます。そして、時間がいくらあっても足りない状況になります。こうした問題は、ケアマネジャーの成り手がいない理由の一つだと私は感じています。
ケアマネジャーの仕事の線引き…結構重要な問題だと思います。そして、居宅介護支援事業所を管理する立場の人こそ、現場のケアマネの立場に立って考えるべき問題です。