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それぞれの価値観

加藤武範

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テーマ:訪問鍼灸マッサージ

先日、夕方遅くに帰社したところ、訪問鍼灸マッサージを担当する職員が電話で謝罪している。なんかトラブル?

確認すると、「最近、訪問マッサージが始まった方ですが、今日、マッサージに訪問するとオムツがパンパンで、止むなくオムツを交換せざるをえない状況でした。実は前回伺った時は、本人さんがトイレに行きたいと言うので、トイレ介助しました。調子が良ければ、動ける時もあるのですが、全然動けない時もあるようです。さすがに鍼灸マッサージ師の私たちが毎回行う業務では無いですし、時間も限られていますので、担当のケアマネジャーさんに相談していました」との事。
「家族はいないの?」
「息子さんが居るのですが、働きに出ています。奥さんも居るのですが、昨日退院してきたばかりで、隣の部屋で寝ている状態です。」
「介護保険のサービスは利用していないの?」
「毎日14時に1時間ヘルパーが入っています。それ以外は福祉用具レンタルが入っているだけです。1日1回のヘルパーで排泄をまかなおうとしているみたいで、ケアマネさんも息子さんにヘルパーの回数を増やすことを何度も提案しているそうですが、お金が勿体ないという理由で断られるそうです。」

※福寿想鍼灸治療院(訪問専門)HP
https://fukujyuso.jp/chiryouin.html

後日、訪問マッサージを担当する職員が長男さんに連絡し、「訪問マッサージの前に排泄介助の目的でヘルパーさんを入れてもらえないか?」相談したそうです。

結論的には「オムツパンパンのまま、マッサージをして欲しい」とのことでした。担当者も、「それは困ります・・・オムツパンパンの状態が分かっていて施術はできません。」何とか方法がないか?お願いしたところ、長男さんより「訪問マッサージは中止として欲しい・・・」と、ご本人さんは、訪問マッサージを大変喜んでいたそうですが、ご本人の気持ちは置き去り。ただ、経済状況や家族の価値観はマチマチです・・・。
訪問マッサージの時間をヘルパーさんが入った後に行くなど、次の提案もあったのですが、そうした前向きな議論さえさせて頂けなかった様子です。

私たちは、家族さんの価値観に寄り添って仕事をしなければ成りません。しかし、私たちにも自分たちの仕事に対する価値観はあります。排泄介助をしないと言っている訳では無いのですが、それが当たり前になるのも違うのかな・・・と、なにか後味の悪い幕切れでした。

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加藤武範
専門家

加藤武範(ケアマネジャー)

合同会社福寿想

リハビリ病院で医療ソーシャルワーカーをしていた経験から、地域のネットワークとも連携。従来の福祉的な視点に捕らわれない柔軟な発想で、介護を必要としている方やその家族にとって本当に必要な介護を提案します。

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