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「嘘をついてはいけない」と何度伝えても、子どもの嘘が止まらない。注意する、怒る、また嘘をつく、また怒る…。同じことの繰り返しのなかで心がすり減っていく、そんなご経験はありませんか。
「直らないのは、私の育て方が悪かったから」と思い込んで、ひとりで自己嫌悪の沼に沈んでいく。気づけば外出も億劫になり、人の目が怖くて家に引きこもりがちになってしまった——。そんなふうに、誰にも言えないまま苦しさを抱えていらっしゃる方は、本当に少なくありません。
私のところにご相談にいらっしゃるお母さんの体感で8割以上が、まさにこのパターンを経験されています。つまり、あなたが今感じているそのつらさは、決してあなただけのものではないのです。
もし今、あなたがそんな苦しさのなかにいるとしたら、どうか最初にお伝えしたいことがあります。子どもの嘘は、あなたの育て方が悪いから起きているのではありません。だからこそ、関わり方を少し変えるだけで、状況は必ず動いていきます。
嘘の裏側にある「気持ち」に目を向ける
子どもが嘘をつくとき、私たちはつい「嘘=悪いこと」という表面だけを見てしまいます。そして「この行動を、なんとしてもやめさせなければ」と考える。これは親として、とても自然な反応です。
しかし、私が長く学び続けてきたアドラー心理学の視点では、行動には必ず“目的”があると捉えます。子どもが嘘をつくのにも、その子なりの理由が必ずあるのです。
怒られたくないから、認めてほしいから、大切なお母さんを悲しませたくないからなど、一つひとつ見ていくと、どれも“お母さんとの関係を守りたい”という気持ちにつながっていることに気づきます。
つまり、嘘の裏側には「大好きなお母さんに嫌われたくない」という、愛情を求める気持ちが隠れていることがほとんどなのです。嘘は、悪意ではなく不安の表れであることが多い、と私は感じています。
ここを見落としたまま「行動(嘘)」だけを叱り続けると、その奥にある「気持ち(不安・恐怖・承認欲求)」は、ちっとも満たされないまま残ってしまいます。だから、いくら叱っても嘘が止まらない、ということが起きるのです。
叱り続ける関わりが生む、3つのリスク
嘘を放っておくのも心配ですが、行動だけを叱り続ける関わりを続けると、私が現場で実際に見てきた3つの深刻な問題が生まれやすくなります。
①子どもとの信頼関係が壊れていく
叱られることへの恐怖が積み重なると、子どもは「本当のことを言うと怖い」と学習します。嘘が小手先のテクニックになり、思春期以降はさらに見えにくい嘘をつくようになっていきます。
②お母さんの自己嫌悪が深まり、親子ともに孤立する
「自分がダメだから」という思い込みは、助けを求めることすら難しくします。孤独な子育てが続くほど、心の余裕は奪われていきます。
③子どもの自己肯定感が育ちにくくなる
「嘘をつく自分は悪い子」という自己イメージが定着すると、Being upメソッドでいう「命の層」——自分はここにいていい、存在してもいいという根っこの感覚が揺らいでしまいます。
Being upの三層構造で考える親の関わり方
では、どうすればいいのでしょうか。私が大切にしているのは、「行動を叱る」前に目的を考え、「願いや気持ちを受け取る」こと。これが、すべての出発点になります。
Being up!メソッドの三層構造とは、人の心を「命(存在)→ 気持ち(感情)→ 行動」という三つの層で捉える考え方のことです。いちばん根っこに「ここにいていい」という命の層があり、その上に気持ちの層、いちばん表面に行動の層がある、というイメージです。
大切なのは、行動だけを変えようとしても、命の根っこは変わらないということ。逆に、気持ちが安心して満たされたとき、行動は自然と変わっていくのです。順番が、とても大事なのですね。
だから私は、嘘をついた子どもに「なんでまた嘘をついたの!」ではなく、こんなふうに気持ちの層に降りていくことをおすすめしています。
「本当のことを言うのが怖かったのかな」
「怒られると思ったの?」
「何か大切にしたいことがあったのかな」
こうした言葉は、嘘を責める言葉ではありません。子どもの気持ちにそっと寄り添う言葉です。すぐに完璧にできなくて大丈夫、少しずつで構いません。
そしてお母さん自身も、「嘘をつかれた=育て方が悪い」という自動思考に気づくことが大切です。お母さんの育て方が、直接の原因ではありません。そのとき子どもがどんな願いを持っていたのかに意識を向け、嘘をつかずに済む“安全な関係”を少しずつつくっていく。それが、何より大切な一歩になります。
よくある誤解と、相談すべきタイミング
ご相談のなかで、私がよくお聞きする勘違いがあります。どれも、お母さんが真剣に向き合っているからこそ生まれる思い込みです。
「叱り続ければ、いつかわかる」→ 行動への罰は、恐怖を育てるだけ
「嘘をつくのは愛情不足のせい」→ 愛情の量ではなく、伝わり方の問題
「直らないのは子どもの性格が悪いから」→ 性格ではなく、安心できる関係づくりの問題
「こんなことで相談したら恥ずかしい」→ 誰かに話すことが、一番の突破口
どれか一つでも「自分のことだ」と感じたなら、それは関わり方を見直すサインかもしれません。
では、いつ相談すればいいのか?それは、「あれ?また同じことが繰り返されてる」と感じた、そのときです。早ければ早いほど、楽になります。問題が大きくなる前に手を打てるからです。
とくに、叱っても叱っても変わる気配がない、子どもとの会話が減ってきた気がする、「自分のせいだ」という思いが頭から離れない、人の目が気になって外に出るのが怖くなってきた——。そんなサインが出ていたら、ぜひ一度ご連絡ください。
子どもの嘘は、なんらかのSOS。そしてお母さんの自己嫌悪も、また一つのSOSです。どちらも、責める必要はまったくありません。ただ、気持ちに還ることから始めるといいのです。ひとりで抱えてきた時間の分だけ、一緒にゆっくりほどいていきましょう。
まとめ
子どもの嘘は、行動を叱るより先に気持ちを受け取ることで、必ずほどけていくものだと私は思っています。お母さんが自分を責める必要は、どこにもありません。
・叱っても子どもの嘘が変わらず悩んでいる
・「自分の育て方のせいだ」と感じてつらい
・安心できる親子関係のつくり方を知りたい
このようなことでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。町のお母さん保健室 Hidamallyが、あなたの気持ちに寄り添います。


