あなたの笑顔に逢いたいから~笑顔のお仏像「まんてん」
こんにちは。旭物産 成田です。
今日は、うちの会社のキャチコピーである
『お仏像は未来への贈りもの』について
お話させていただこうと思います。
プロフィール記事にもありましたとおり、
わたしは父の会社を継ぐ形で現職に至っております。
はじめは仏壇の中に安置するための仏像を
製造販売しておりました。
仏像に携わるうちにお寺のお仏像の修復なども
させていただくようになったのですが、
折にふれ、“お仏像の存在意義は何だろう”
このようなことを業界人のひとりとして自問するようになりました。
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そのひとつめにお仏像の修復を通してわたしに関わっていただいた方々に
たくさん教えていただいたことがあります。
たとえばお寺にあるお仏像なんかは、
今のご住職や檀家さんのはるか昔の祖先の方々がお参りしていたころから
そこに鎮座してわたしたちを守ってくださっているかのような存在なのですね。
また、自分たちの代が過ぎて未来の子孫たちの時代にも
かわらずそこに存在してくれるわけです。
しかし、お仏像は木造の彫刻品ですから時間とともに元の姿を維持するのに
耐えられなくなる日が来ます。
ですから、お仏像を未来に残すためにタイミングをみて修復したほうがいいのですね。
お仏像はご住職や檀家さんにとって毎日お参りする存在ですので、
どこが傷んでいるとかは、しげしげ観察することはあまりないと思います。
そんな日常の中でお仏像が傾いていたり、部品が外れてきたりして心配になり
わたしのところにお問い合わせをいただいたりします。
ですが、お仏像の修復というものはものがものですから、
それなりの覚悟が必要なのかなとも感じています。
それはご住職や檀家さんのみんなの意識を統一させるとかしないと
なかなか修復という事業には結びつかなかったりするのを見て感じました。
ですから、実際にお仏像の修復をするたび、ご住職や檀家さんのお気持ちに触れ
たくさんの大切なことを学ばせていただいたということになります。
そこには、今あるお仏像を自分たちの代で修復することにより
未来に続く自分たちの子孫へつなげようという思いが大きいのですね。
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もうひとつは、実際にお宅にうちの仏像を本尊として迎えてくださった
お客様に教えていただいたことです。
そのお客様はあるお店でうちのお仏像を選んでくださったのですが、
仏像のお顔を見るなり喜んでくれて、なくなったご主人の仏前に報告されていたのが印象的でした。
お客様がうちのお仏像を気に入ってくださったことがうれしかったのもあるのですが、
このお仏像が今日から未来へとずっと存在していくものだということを確信したら
なんともありがたいお仕事をさせてもらっているのだな、という気持ちになりました。
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というわけで、
『お仏像は未来への贈りもの』ということばは
今のお仏像が過去の祖先と未来の子孫への懸け橋になってくれている
ということを表します。
そこには、お仏像をとおして関わった方、ご住職や檀家さん、
故人を供養しようとする方々の想いがたくさん込められているということがわかります。
そして、わたしはそのようなお仏像を扱わせていただいていることに誇りをもって
日々精進しようと思うばかりなのです。
還暦を過ぎて5年たちましたが、まだまだ毎日が面白いです。