話す、ということ、の意味。面談や会議だけでなく、もう少し幅を広げると、、、(2018.7.14)
現場職員と管理職とでは求められるものが異なる
介護現場では,介護職が管理職に昇進することが多いものです。
現場の第一線で介護職として働いていた人が,いつの日にか,
現場の管理者や主任という,いわゆる管理職を任せられます。
管理職を任せられるということは,おそらく介護職として有能だから,
そして人間的にも組織人としても他の模範となる人材だからだと思います。
ただし,これをお読みの皆様はすでに経験済みだと思いますが,
一スタッフ,一介護職として求められる能力と,
管理職として求められる能力は同じではありません。
現場の第一線で必要とされる介護や看護の専門職としてのスキルに加えて,
管理職としての,人の上に立つ,人をまとめるための勉強が必要になってきます。
管理職は,担当する部署の管理・監督を任されている立場にあり,
当然ではありますが,一スタッフとは異なる責任と権限を有することになります。
私はよく,「管理職は担当部署全スタッフの一挙一動に責任がある」と言いますが,
つまり,部下のミスは上司の責任,部下のせいにはできないということです。
これは好むと好まざるとにかかわらず,
組織内においても社会的にもこのように見られるものです。
そんなつらい立場の中にあっても,ひとたび管理職となれば,
上からも下からも「粗探し」をされてしまうような感覚に陥ることがあります。
一スタッフの時には「頑張ってるね」と褒められたことでも,
管理職になると一生懸命に仕事をすることは当たり前のこととしか思われません。
自分の身を犠牲にしてでも,部署や部下を守ることが要求されることも多々あります。
しかし,それは周囲から大きな期待が寄せられていることを意味するものでしょうし,
現場に対する大きな影響力があることの証明でもあります。
自分の思い描く職場を創造できるチャンスでもあります。
またその過程で,かけがえのない仲間を得ることも多く,
その喜びは何物にも代えられないものです。
人間的にも,専門職としても大きな成長の機会となる。
そんなきれいごとばかり言っていられないような負担を感じる時もあるでしょうが、
管理職が大きな負担と重圧を抱えながらよい仕事をするには、こうした考え方や、
客観的に自己の仕事を見つめてみる必要があるのではないか、と考えています。