最近、また、なぜ「天晴れ」という名前にしたのですか?とよく聞かれます。(2018.12.21)

榊原宏昌

榊原宏昌

テーマ:日々の仕事から



最近、また、なぜ「天晴れ」という名前にしたのですか?とよく聞かれます。

屋号の「天晴れ介護サービス総合教育研究所」について、少し書いてみたいと思います。
まれに、どうしてこの名前にしたのですか?と聞かれるのですが、
気に留めてもらえるとうれしいものです。

ちなみに「天晴れ」は「あっぱれ」と読みます。
まれに「てんぱれ」と読まれたりします(苦笑)。

さて、なぜ「天晴れ」と名付けたのか。
これは、僕の介護現場での仕事で見てきたものが原体験となっています。
一言で言えば、「お年寄りが大切にされていないなあ」ということ。

虐待とまではいかないものの、
職員側の言葉遣いや表情・態度が悪かったり、
適切とは思えない介護技術による介護が繰り返されたり、
文句を言われないから今のままでいい、というような雰囲気さえ感じるものでした。

もっと言えば利用者さんが「厄介者」扱いされている、とも思えるものでした。

ただ、これは僕自身にも言えることでした。
この現場の中にいて、同じように仕事をしていました。
決して他人事ではない課題でした。

僕の介護のキャリアの最初の8 年間は入所系だったので、
そこで人生の最期を迎える方も多くありました。
人生の最期を迎える場、として、これでよいのか?という疑問がいつもありました。

終わりよければ全てよし、かどうかはまだ分からないのですが、
終わりの姿が肝心なことくらいは分かります。

人生の最期の場面くらい、
「よく頑張ってこられましたね」「天晴れですね」と言って
お見送りしたい、と思ったのです。

これは「尊敬」とは少し違います。
どうしたって「尊敬」できない人はいるものです(笑)。

ただ、「尊敬」はできなくても、
⻑年生き抜いてきた「人」に対して「ねぎらい」の気持ちを持ったり、
その人の人生を全うすることに対して「天晴れ」と思うことはできるように思ったのです。

まだ上手く表現できない部分もありますが、
「天晴れ」とは、相手から何かを「学ぶ」姿勢です。

そして、この「天晴れ」の姿勢であれば、
何かと揉め事の多い職員同士の関係もよくなるのでは、
と考えました。

以下が、僕の経営理念です。

天晴れ介護サービス総合教育研究所 経営理念(H27.11)

一.介護現場をよくすることをテーマとした研究・開発・普及活動を行うことで、
利用者・家族をはじめ、介護現場で働く人たちが、お互いに支えあい、
幸せに生きていくことを実現する組織づくりを応援します。

一.天晴れの心とは、どんな時でも、人に学び、人に対して気持ちよく、人を大切にする心。
相手を「天晴れな存在」と感じる心であり、この姿勢を守り抜く強い心です。

…イメージ、何となくでも伝わりましたでしょうか?

天晴れ介護サービス、という名前を正式に表明したのは、
最初に本「介護職基本姿勢10 則」を出した2009(平成19)年、当時29歳。

天晴れ介護サービス総合教育研究所としたのは、
最初に商業出版させてもらった「ケアプラン文例ハンドブック」(ナツメ社)
2012(平成24)年、当時34歳でした。

「天晴れ」と名乗り続けて、早10 年が経とうとしています。
自戒の意味も込めて、この名前にしています。

介護現場の一番の味方として。かつ、一番厳しい基準を掲げる者として。
介護現場をよくするために、これからも頑張っていきたいと思っています。

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榊原宏昌
専門家

榊原宏昌(経営コンサルタント)

天晴れ介護サービス総合教育研究所

介護職、ケアマネジャー、管理者・本部責任者として15年間介護現場の実務とマネジメントを担当。その経験を生かし、経営幹部、管理者、ケアマネジャー、介護職らに実践的で明快なコンセプトとノウハウを提供する。

榊原宏昌プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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