介護事業支援のプロ
三井倫実
Mybestpro Interview
介護事業支援のプロ
三井倫実
#chapter1
甲斐市敷島エリアの閑静な住宅街にある社会保険労務士法人ミーツは、さまざまな企業の経営や労務管理に関する業務を取り扱っています。
中でも力を入れているのが、介護事業所の経営支援です。社会保険労務士の三井倫実さんは介護保険法に精通し、介護事業所の労務管理をはじめ、就業規則の作成、開業のサポートなどを行っています。「2015年4月、介護保険制度の大幅な改正に伴う報酬改定などにより、事業所によっては、経営に大きな打撃を受ける可能性があります。また、行政からの指導もますます厳しくなっていくでしょう。その対処方法を正確にアドバイスできる専門家として、介護事業所を支えていきたいと考えています」と力説。特に、県や市町村による実地指導への対策が不可欠だと指摘します。「例えば実地指導の際、介護報酬の請求に誤りや不正があった場合、指定取り消しまではいかなくても、報酬返還指導を受け、かなりの金額を返還しなければならない事態になることもあります。そうならないために、実地指導のポイントを正しく理解し、日々の管理や業務の中で備えておくことが大切です」
質問に一つひとつ丁寧に答える姿勢から誠実な人柄が伝わり、分かりやすくかみ砕いた解説は豊富な知識に裏付けられています。
#chapter2
高齢化が進む中、成長分野に位置付けられている介護業界ですが、介護保険制度の改正や、介護事業所の増加など、業界を取り巻く環境は日々、移り変わっています。重要なのは、時代の変化に応じた経営だと三井さんは強調します。「介護事業所の増加や、特色のないサービス内容といった現在の状況は『介護事業所のコンビニ化』とも言われています。こうした中、介護保険の報酬だけに頼ったり、ほかの事業所と同じサービスを提供したりしていたのでは、生き残れないかもしれません。付加価値のあるサービスなど、事業所ごとに独自性を出す必要があります」。そのためには、円滑な労使関係が欠かせないといい、「介護業界は求人倍率が高い一方で、離職率も高いという現状があります。まず、スタッフが定着して技術を磨き、少ない人数で仕事を回すことが重要です。余力が生まれれば、多角的な経営が可能になるでしょう。従業員が働きやすい環境を整え、事業所の展開が広がっていくようなサポートを心掛けています」。
現在、介護事業所の支援に力を入れる社会保険労務士の全国組織「介護経営研究会」に所属しています。勉強会などを通じて介護事業所が直面するさまざまな課題への対応策を学んでいるほか、会員同士で情報を交換することにより、難しい案件の解決にも取り組んでいます。
#chapter3
三井さんの前職は山梨県職員で、技術職として勤務していました。「直接、人とかかわり、人の役に立つ仕事がしたい」という思いから、在職中に社会保険労務士の資格を取得。29歳で資格試験に合格し、2012年、念願の独立を果たしました。その後も勉強を重ね、昨年10月からは、山梨県介護労働安定センター雇用管理コンサルタントに委嘱され、介護事務所向けセミナーの講師などを務めています。最近では、介護事務所の経営や労務管理についての本の執筆もしています。
「成果が目に見えると、大きなやりがいを感じます。『ありがとう。頼んで良かった』の言葉が励みです」と笑顔を見せる三井さん。「これからも努力を重ね、『介護保険といえば三井事務所』と言っていただけるくらい、頼りにされる存在になりたいです」。静かに語りながらも、熱い思いが伝わってきました。
(2015年1月取材)
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三井倫実プロ
社会保険労務士
社会保険労務士法人 ミーツ
労働・社会保険にとどまらず、介護事業所特有の人員基準、設備基準、運営基準等のご相談にも対応いたします。全国の社会保険労務士で組織する研究会で研鑽しているので、どんな難しいご質問にもお答えできます。
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