マイベストプロ山梨
伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(いとうりょうご) / 格闘家

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

コラム

~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 17 ~

2019年12月20日 公開 / 2020年7月27日更新

テーマ:伝えたいこと

コラムカテゴリ:スクール・習い事


士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを過去のニュースより転載します。

2019年 1月号 士衛塾山梨ニュースより

■KWU青少年世界大会のこと■
 海外あるあるがまた起こりました。同時開催の一般・壮年のヨーロッパ大会が参加できなくなったと言うことを聞かされたのが出発の数日前。理由はブルガリアのスポーツ省がついたため、ヨーロッパ大会にアジア人である日本人が出場できないということでした。いずれにしても決まってしまったことなので参加予定だった伊藤里紗、藤巻美琴はキャンセル。私は引率ということになりました。
 予定通り、計画通りにことがすすまないのが海外遠征です。臨機応変に対応する力が試される場でもあります。
 日本チームの成績は以下のようになりました。
 【優勝】 戸井田珊風(埼玉県比企)、関根悠人(埼玉県比企)、増野宏希(埼玉県西)、南萌香(大阪南)、板倉未羽(士衛塾)、諏佐暖人(士衛塾)、高橋海翔(士衛塾)、藤巻明日香(士衛塾)
 【準優勝】 鎌田大雅(大阪北摂)、佐久間 凱(士衛塾)
 【3位】 桑原しな(蓮田)、福留想大(千葉海浜)、吉田健太郎(栃木・茨城)、西村晃穂 (大阪南)、山本剛大(京都)、佐藤吏(修武會)、千田隼人(大阪南)、五十嵐充(士衛塾)
でした。皆さまおめでとうございます。

山梨の選手の感想を以下掲載します。
●藤巻明日香の感想です。
 今回,高校最後の世界大会で優勝することができました。今までより緊張せず落ち着いて試合に望めました。全試合通して,強化してきたパンチで試合を優勢に進められました。パーソナルトレーニングでの成果を出すことが出来て良かったです。試合だけでなく,外国人ともたくさん会話ができて英語の勉強になりました。ブルガリアはご飯が口に合わず街もあまり綺麗ではありませんでしたが、ホテルと海はすごく良かったです。来年からは一般の大会でも結果を残せるように練習に励みたいとおもいます。応援してくださった皆さん,世界大会に行かせてくれた家族,師範,伊藤先生ありがとうございました。
●金丸優奈の感想です。
 今回初めてのブルガリアでの世界大会でした。日本からトルコ、トルコからブルガリアの乗り継ぎの待ち時間がすごく長くて少し疲れました。ホテルは自分が思っている以上に綺麗で良かったです。大会は1日目が予選2日目が準決勝、決勝でした。私は2回戦負けでした。1回戦は相手がいなかったので不戦勝でした。2回戦はブルガリア人でした。前半はパンチで相手を下げることができました。でも中盤ぐらいに相手の胴回しをもらいました。そのまま判定負けでした。今回の試合では自分の悪い面が全部出たきがします。相手に上段蹴りをもらい負ける。他の試合でも同じようなパターンで負けました。なので、しっかり上段を意識すること また同じようなパターンで負けないように新しい技をできるようにする。などの試合での反省を生かしていきたいと思います。今回の試合は良くない結果になってしまいすみません。また、練習を一緒にしてくれた先生,先輩,仲間達,そして家族本当にすみませんでした。次の大会に向けて練習頑張ります。なのでまた練習の相手よろしくお願いします。応援して下さった皆様ありがとうございます。次に生かせるように頑張るのでこれからも応援よろしくお願いします。

■世界につながるということ■
 山梨県内でも空手を教えている道場は数多くあります。私たちのような直接打撃制のフルコンタクト空手やいわゆる「寸止め」と呼ばれる伝統派。あとは訳の分かりません。その中で世界大会参加できるルートを持っている道場となると私の知る範囲でフルコンタクト空手では3つしかありません。その中で、常時出ている道場は士衛塾山梨だけです。

■世界を見ること知ること■
 日本とは勝手の違う海外の滞在。日本みたいに便利ではありません。試合も丁寧な進行ではありません。急な変更は当たり前、それに対応しなければなりません。日本が丁寧すぎるのかもしれません。このような中、子どもたちは意外とたくましく乗り切ります。逆に大人の方が疲れるかもしれません。トロフィーを手にした選手は人気者です。写真撮影の嵐です。いろんな人から話しかけられます。この光景が、人種の差別なく「空手」という共通項で集まった者たちの世界標準なのでしょう。この経験を子どものうちにできることは、将来へ大きな影響を与えることでしょう。

■私の初めての海外■
 私は42歳で初めて海外に行きました。もちろん空手でです。士衛塾イタリア支部の大会とセミナー参加でした。恥ずかしながら、それまでは英語や外国に対して偏見を持ち「外国語を喋るな!日本はもう一度鎖国に!」と思っていたくらいです。日本語だって全部知らないし、日本だって全部行ってないのに海外なんて言語道断でした(笑)しかし、士衛塾木村総裁に「伊藤支部長、今度イタリアで試合があるんだけど、出てくれるかな? 82キロ級で」それは断れません。減量も断れません。一ヶ月半で93キロ位の体重を、78キロまで落としました。イタリアに行ってみて思ったことは、空手をしている日本人はヒーローなのです。
 「空手」という共通項で各国から集まった人々は私たちをとても大事にしてくれます。しかし、悲しいことに英語がわからない。他国はみんな英語が話せるのでコミュニケーションがとれますが、私たちは疎外感が…英語を話せたらもっと楽しめるのに。皆さん日本語より英語を話せるようになりましょう(笑)
 試合前日のミーティングで私は若くて背の高いトルコの選手と対戦する予定でした。しかし、彼は頑なに日本人とはやりたくないと言います。(トルコは親日国なのになぜだろう)理由は、「カミカゼアタックがくるから嫌だ」(何それ???こっちがどんな技か知りたい)日本は相当怖がられています(笑)。それでも、周りが説得して、真剣勝負ではなくて技を見せ合うライトコンタクトでやればいいということで彼を説得して納まりました。しかし、翌朝、ホテルの朝食時に彼はものすごい具合が悪そうな顔と足を引きずっています。なので、仕方なく急きょスペインの選手と私は対戦することに。彼もスペインの選手と対戦で落ち着きました。それが決まった途端に彼は素晴らしいシャドーを始めました。(仮病かい!)この話にはまた落ちがあって、私はスペインの茶帯の選手とお互い上級者なので、ライトコンタクトで技と技の応酬をしました。彼が対戦した選手はまだ緑帯だったので力の加減ができずにいきなり渾身の力でローキック…試合が終了し、彼は本当に足を引きずる結果となってしまったのです(笑)
 そのトルコの道場は私たちの試合を見て、士衛塾に加盟しました。海外は良いものにはすぐに反応します。そこからの海外への広がりは眼を見張るものでした。

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