犬猫のオーラルケア文化はアジアでも広がるか ─ JETRO 特集「犬猫のオーラルケア文化を ASEAN へ」から読み解く市場動向
歯周ポケットって何?
専門用語を“やさしく”解説する口腔ケア辞典(犬・猫共通)
犬や猫の歯みがきやデンタルケアの話題で、よく出てくる言葉に
「歯周ポケット」 があります。
なんとなく「悪いもの」というイメージはあっても、
実際に 何が起きている状態なのか を正しく理解している方は多くありません。
本記事では、獣医学の知見をもとに、
歯周ポケットとは何か/なぜ問題なのか/日常ケアとどう関係するのか を
できるだけ専門用語を噛み砕いて解説します。
そもそも「歯周ポケット」とは?
歯周ポケットとは、
歯と歯ぐきの境目にできる“すき間” のことを指します。
実は、健康な犬や猫でも、
歯と歯ぐきの間には ごく浅い溝 が存在しています。
これ自体は異常ではありません。
しかし──
- 歯垢(プラーク)がたまる
- 歯ぐきに炎症が起きる
- 歯ぐきが腫れて下がる
こうした変化が起こると、
この溝が どんどん深くなっていきます。
これが「歯周ポケット」です。
歯周ポケットが深くなると、何が問題?
歯周ポケットが深くなる最大の問題は、
汚れが“見えない場所”に入り込むことです。
- 歯ブラシが届きにくい
- 唾液の自浄作用が弱い
- 細菌が増えやすい環境になる
その結果、歯周ポケットの中で
歯周病菌が増殖し、炎症が慢性化していきます。
獣医学的には、
この状態が進行すると 歯周病(歯周炎) と診断されます。
犬・猫は歯周ポケットができやすい?
結論から言うと、
犬も猫も、人より歯周ポケットが深くなりやすい傾向があります。
理由は主に以下の通りです。
- 歯垢が歯石に変わるスピードが速い
- 自分で歯みがきができない
- 痛みを隠す習性がある
特に小型犬や猫では、
見た目はきれいでも、歯周ポケットの中で病気が進行している
というケースが珍しくありません。
歯周ポケットと「口臭」の関係
「最近、口が臭う気がする」
これは歯周ポケットのサインであることがあります。
歯周ポケット内では、
嫌気性菌(酸素を嫌う菌) が増えやすく、
これらの菌が 強いにおいのガス を発生させます。
重要なのは、
口臭=表面の汚れだけが原因とは限らない
という点です。
歯周ポケットは歯みがきで防げる?
完全に防ぐことは難しくても、
進行を大きく遅らせることは可能です。
獣医学的に推奨されているのは、
- 歯垢の段階で落とす(=歯石になる前)
- 毎日または高頻度でのケア
- 歯と歯ぐきの境目を意識する
ここで大切なのは、
「完璧に磨くこと」より「続けること」です。
歯周ポケットは一気に深くなるものではありません。
日々の小さなケアの積み重ねが、将来の進行度を左右します。
歯周ポケットは「見えない病気」
歯周ポケットの怖さは、
外から見えにくいこと にあります。
- 歯がグラつく頃には重度
- 出血や痛みはかなり進行してから
- 食欲があっても安心できない
だからこそ、
「症状が出てから」ではなく、
症状がないうちのケア が重要になります。
まとめ|歯周ポケットを知ることが、口腔ケアの第一歩
歯周ポケットとは、
単なる専門用語ではなく、
歯周病の進行度を左右する重要なポイントです。
・歯周ポケットは歯と歯ぐきのすき間
・深くなるほど病気が進行しやすい
・日常ケアで進行を抑えることができる
そして何より、
**健康の入り口は「口」**です。
歯周ポケットを知ることは、
愛犬・愛猫の健康寿命を守るための
大切な第一歩になります。



