歯ブラシ嫌いの子に多い“やりがちなNG行動”|獣医行動学に基づく正しいステップ
猫が歯みがきを嫌がる理由と慣らし方のステップ
「猫に歯みがきをしたいけれど、嫌がってしまってできない」――。
多くの飼い主さんが直面するお悩みです。実際、猫の約7割は3歳までに歯周病にかかるとされ(AVDC, American Veterinary Dental College)、歯みがきはとても重要なケアです。
では、なぜ猫は歯みがきを嫌がるのでしょうか?
猫が歯みがきを嫌がる理由
1. 口の周りを触られるのが苦手
猫は本来、顔や口元を触られることをあまり好みません。
急に歯ブラシを入れようとすると、防衛反応として強く抵抗することがあります。
2. 不安や緊張
慣れない動作や匂いに対して不安を感じ、「嫌!」という反応を示します。
特に初期の体験で強いストレスを感じると、「歯みがき=嫌なこと」と覚えてしまいます。
3. 痛みや違和感
すでに歯肉炎や口内炎がある場合、ブラシが当たると痛みが出るため、嫌がるのは当然です。
獣医師による口腔チェックを受けることが大切です。
猫に歯みがきを慣らすステップ
ステップ1:口元に触れる練習
まずは口の周りに軽く触れ、触れられても大丈夫だと感じてもらいましょう。
できたらすぐにごほうび(フード1粒など)を与えて褒めることが大切です。
ステップ2:歯に触れる練習
慣れてきたら、指先で軽く歯に触れてみます。
ここでも「触れられたら良いことがある」と学習させます。
ステップ3:ガーゼで歯を拭う
いきなり歯ブラシではなく、ガーゼを指に巻いて優しく歯を拭きます。
猫にとって違和感が少なく、受け入れられやすい方法です。
ステップ4:歯ブラシへ移行
ガーゼに慣れたら、猫用の小さめの歯ブラシを使ってみましょう。
最初は前歯から、慣れてきたら奥歯や歯の裏側にもチャレンジします。
ごほうびと習慣化の工夫
- 歯みがき後には猫の好きな遊びやおやつを用意する
- 毎日同じタイミングで行い、生活の一部にする
- 1回で全部磨こうとせず、「少しでもできたら良し」と考える
まとめ
猫が歯みがきを嫌がるのは自然な反応です。
大切なのは「段階を踏んで慣らすこと」と「できたら必ず褒めること」。
理想は噛まずに歯ブラシで磨くことですが、ガーゼや短時間ケアでも続けることが将来の歯周病予防につながります。



