歯ブラシ嫌いの子に多い“やりがちなNG行動”|獣医行動学に基づく正しいステップ
ワンちゃんが歯みがきを嫌がるときに試してほしい
「ステップ式トレーニング」
愛犬が歯みがきを嫌がるようになったという相談を受けました。
犬にとって歯みがきは、慣れていないと苦手に感じやすいものです。
しかし、少しずつ段階を踏んで練習すれば、歯みがきは「イヤなもの」から「楽しい時間」へと変わっていきます。
今回は、歯みがき嫌いのワンちゃんにおすすめのトレーニング方法をご紹介します。
ステップ①:口のまわりを触らせる練習から始めましょう
まずは、口のまわりに触れることに慣れてもらうことが大切です。
やり方はとてもシンプル。
口のまわりをそっと触ったら、すぐにごほうび(ドライフード1粒程度)を与えて、たっぷりほめてあげましょう。
これを毎日繰り返すことで、「口を触られるのはイヤじゃない」と感じてもらえるようになります。
ステップ②:次は歯に触れる練習を
口まわりに慣れてきたら、次は歯に軽く触れてみましょう。
このときも同じように、できたらすぐにごほうびとほめ言葉を。
ワンちゃんの集中力は短いので、無理に長時間続けるのではなく、「少しできたら終わり」を意識することがポイントです。
ステップ③:歯ブラシに慣れる工夫を
いきなり歯ブラシで磨こうとすると、ほとんどのワンちゃんは驚いてしまいます。
そこでおすすめなのが、歯ブラシやガーゼに、ワンちゃんが好きな缶詰の汁やおやつの匂い、もしくは嫌がらない歯みがきジェルをつける方法です。
こうすることで「歯ブラシ=いい匂い、いいこと」と認識しやすくなります。
まずは前歯から、少しずつ慣れてきたら奥歯や歯の裏側にもチャレンジしてみましょう。
ステップ④:歯みがきのあとに「ごほうび」を
歯みがきのあとには、愛犬が喜ぶ「ごほうび」を用意してあげると、モチベーションが高まりやすくなります。
たとえば、以下のようなことがおすすめです。
- ドライフード1粒程度の小さなおやつ
- 歯みがきのあとのお散歩
- その子が好きな遊びやスキンシップの時間
「歯みがきのあとは楽しいことがある」と覚えてもらうことで、歯みがきの時間がぐっと前向きになります。
大切なのは、「少しずつ・楽しく・根気よく」
歯みがきは一度に完璧を目指すのではなく、段階的に慣らしていくことが何よりも大切です。
成功したらすぐにごほうびとほめ言葉を忘れずに。
日々の積み重ねで、「歯みがきができるワンちゃん」への第一歩を踏み出しましょう。
もし愛犬が歯みがきを嫌がって困っているという方がいらっしゃいましたら、今回の内容を参考にしていただけるとうれしいです。
飼い主さんとワンちゃんが、楽しく健康な毎日を過ごせますように。



