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「無理するな」と声かけするときの危うさ

一瀬ひでし

一瀬ひでし

テーマ:心理カウンセリング メンタルヘルス対策

新年度がはじまってもうすぐ一カ月。
メンタルヘルスはいかがですか?

特に新入社員や新入生の方々は,だいぶストレスが溜まってきているのではないでしょうか?
また,新人と関わる上司や先輩もいろいろな言葉かけをして,励ましていることでしょう。

みなさんは,どんな言葉かけをしていますか?
例えば,強いストレスでメンタル不調となり,前向きになれず頑張ることができなくなった人が職場にいた時に,どんな言葉かけをしますか?

最も無難な言葉かけは,「無理するな」でしょうね。
もちろん「無理しないでね」,「無理はダメだよ」,「無理しちょし」と,言い回しはていねいに言いいますが。

しかし,本心ではこんな風に思っていることはありませんか?

「そんなこと言ったら,そのまま頑張れないのではないか...」
「あなたならできる! と勇気づけた方が良いではないか...」
「甘えてしまうのではないか...」
「成長しないのではないか...」,と。


あるいは,こんな本音を隠していることはありませんか?

「休むなと言ってやりたいけど,パワハラなんて言われたらかなわない...」
「今の子は頑張りがきかないからなあ...」
「最初が肝心。本当はガツンと言ってやりたい...」
「少しくらい無理できないと通用しないよ...」,と。


こうした本心や本音が入り交り,こんな言葉をいってしまうかもしれません。

「無理しないでね。でも頑張れるのなら頑張った方が良いと思うよ...」,と。

これでは,休んでいいのか,無理して頑張らばらないといけなのか,いったいどうしたらいいのかわかりません。
メンタルヘルスには,最悪のメッセージです。

こうしたメッセージをダブルバインド(二重拘束)といいます。

ダブルバインドとは,G.ベイトソンやD.ジャクソンといった学者たちによる考え方ですが,精神を患う背景には,どちらも選べないような二つのメッセージを同時に受けている状況があるというものです。

本心や本音は,無意識のレベルで伝わっています。


無意識的に伝わる本心や本音は,実際に伝えた言葉以上にメッセージ性が強く,ダブルバインドのような声かけはメンタル不調を悪化させ,回復を遅らせてしまう可能性があります。

もし,あなたが「無理するな」と声をかけるのであれば,あなたの本心や本音で「無理するな。私はあなたの回復力を支える」といえるマインドでなければその人を応援する言葉になりません。

では,どうしたら真にサポーティブなメッセージが伝わるマインドを身につけられるのでしょう?
どうしたら,自分のメッセージが真にサポーティブとなっているかどうかを確認できるのでしょう?

実は,良い体験ワークがあるのです。
次回,そのことを書いてみようと思います。


社員をサポートするメンタルヘルス対策セミナーをお受けしています。
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一瀬ひでし
専門家

一瀬ひでし(心理カウンセラー)

Eustress株式会社

かけがえのない人生を豊かに生きる上でストレスは必ずしも悪ではありません。心理カウンセリングや各地でのストレスマネジメント支援の豊富な経験を生かし、個人や家族,会社や組織の心の健康をサポートいたします。

一瀬ひでしプロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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