7月30日(水) 午前9:30~ YBSラジオ 765Hz ラララ♪モーニング ちぼりキャッチボールアカデミーに出演します。
週末の日本ゴルフツアー選手権は,金谷選手が2位に2ストローク差で見事優勝しました。
最終日,ピンチとなっても果敢に攻め,何度もスーパーショットを見せた金谷選手のメンタルスキルはどのようなものなのでしょう。
ゴルフをなされる方ならば,一打,ひと振りにメンタルがいかに影響することをよくご存じかもしれません。まさに心身一如のスポーツだと感じられます。
ところでゴルフでは,1打,ひと振りを「ストローク」といいます。
英語で一動作,一行程のことを意味する言葉でテニスでも使われますが,実は,心理学でも使われている言葉です。
過日,中小企業家の集まりで「エゴグラム」の勉強会がありました。
エゴグラムとは,1950年代,カナダの精神科医であるエリック・バーンの交流分析というパーソナリティ理論に基づいて作成された性格診断テストです。
人のコミュニケーションの取り方には,父親的,母親的,大人的,子ども的な傾向があり,自分はどういう側面が出やすいかを容易に調べることができる心理テストです。
自分のコミュニケーションの傾向を知ることで,仕事や対人関係上の影響や,強みと弱みを振り返ることができ,経営や仕事に活かすことができる方法です。
職場内の良好なコミュニケーションは生産性を高める上でも重要ですが,そのために心理学の方法についても幅広く知見を深めている経営者も多いのだと思います。
そうした経営者の下で働きたいものです。
心理学用語として使われているストローク
さて,エゴグラムの基となった交流分析には「ストローク理論」というものがあります。
エリック・バーンは,人が相手に対して影響を与える言葉かけや注目や関心,態度や応答などをストロークと呼びましたが,まさにゴルフからインスピレーションを得たそうです。
ストロークには,「良いね!」といった人をいい気持ちにさせる陽性ストローク,反対に「ウザッ!」といった痛みや不快感を与える陰性ストロークがあり,それらは言葉だけでなく態度や行動によるコミュニケーションの中でやりとりされています。
さらにストロークには,無条件の陽性/陰性ストローク,条件付きの陽性/陰性ストロークがあります。
例えば,無償の愛といったまなざしは無条件の陽性ストローク,「いるだけで不快」といったまなざしが無条件の陰性ストロークであり,存在に対して与えられるストロークです。
「仕事よく頑張った君は偉いね!」は条件付きの陽性ストローク,「何度言ったらできるようになるんだ君は」は条件付きの陰性ストロークであり,なんらかの行動に対して与えられるのが条件付きストロークです。
当然,陽性ストロークの方がストレスは少ないでしょうが,私たちはいつも陽性ストロークを出しているわけではありませんし,自分の状態や関係性によって出やすいストロークが変ってきます。
エゴグラムは,あくまで自分で意識できるレベルではありますが,自分の出やすいストロークを自覚でき,大人だけでなく子ども達のストレスマネジメントにも活用されています。
なぜストロークは「心の栄養」と呼ばれるの?
人が他者から注意や承認を求めるのは本能的な欲求であり,そのために人はどんな種類のストロークであっても常に求めているから心の栄養に喩えられるのです。
たとえ栄養が少ない陰性ストロークであっても無いよりはましなのです。
満たされず,飢えているような心の状態であれば,陰性のストロークでなんとか自分を保つことができるのかもしれません。また体調を崩し食欲が湧かない時にはお粥を欲するが如く,通常の陽性ストロークを欲しないこともあるでしょう。
そしてこうした問題の回復にこそ心理カウンセリングでのストロークが必要なのでしょう。
さて,心の栄養の考え方があれば,心の排泄物の考え方も心理学にはありそうですね。
とはいえ今回はここまで。
またいつか心の排泄物について書いてみようと思います。
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