エンゲージリングのリフォーム
ジュエリー修理 指輪編1 『指輪のサイズ直し』
現在の状態ではジュエリーを使うことが不都合な場合や使うことが出来ないとかのトラブルに対応、使えるようにすることが、修理と云うのではないでしょうか。云いかえれば原状回復が修理と考えます。
修理はとても大切なことと、私は考えております。修理をすることで使い勝手が悪くなっては修理の意味が無いと思います。基本は原状回復か現状よりも使いやすいに尽きると思うのです。
例えば、ジュエリーの宝石を留めている爪が壊れて、宝石が動く、あるいは外れた時は、爪を修理せねばなりません。その場合、爪の直し方は幾通りもあります。直し方により、強度が異なります。私は原状以上の強度の爪を付けることが真の修理と考えております。修理はとても奥が深いとつくづく思っております。ですから、お客様にも極力修理の仕方も説明させて頂く様にしております。
ジュエリーはデリケートのものが多く、壊れやすくもあります。使い方にもよりますが経年劣化による修理を含めて、修理は必然的とお考え頂きたいです。ですから、修理はとても大切なのです。
様々な修理の依頼があります。
その中で今回は指輪の修理に触れてみますが、ほんの一例ですので、実際はご来店を頂きますと詳しくアドバイスをさせていただきます。
※『指輪のサイズ直し。』
指輪が入らなくなった時、指輪が緩くなった時や、使っている指輪をプレゼントしたい時などにサイズ直しが必要となります。
サイズをアップするには素材を足して大きくします。サイズをダウンしたい時は、素材を抜いて小さくします。
ただ0.5番とか1番程度大きくする場合は機械で大きくする場合もあります。
指輪にはサイズ直しが出来ないのもありますので、ご購入の際は、サイズ直しができるか否かを確認されますことをお勧め申します。
できるとしても、サイズ直しの巾の大きさで、指輪が変形したり、修理代がかなり高価となることがなる場合もあります。その判断は実際に拝見しないと分からないことが多いです。
それと、前にサイズ直しをして、それを直す場合ですと、前のサイズ直しの仕方により、手間がかかる場合もありますので、ご注意ください。
質問される中で多いのが修理代の事です。修理代金を構成する要素を記してみます。大事なことは、お見積りをお取り頂いたうえで依頼するか否かをご決断なされて頂きたいです。
〇何番大きくするのか。小さくするのか。
大きくするほど素材(地金)を多く使用しますので高くなります。小さくする場合は素材を使いませんので比較的低料金ですみます。
〇指輪の厚さ、巾、重さ
厚さや巾や重さが大きくなるほど高くなります。
〇素材が何か
プラチナの品位(Pt1000、Pt950、Pt900、Pt850、ハードプラチナ)、金の品位(純金、K22、K21.6、K22、K20、K18、K10、K9、K5、WG、ピンクゴールド等々)、コンビ、シルバー等々。それぞれの素材でも料金が異なります。
〇宝石がついているか、どんな宝石か
宝石の種類、大きさにより異なります。サイズを直す際に宝石を留める爪が動き、宝石が動く場合がありますので、一点、一点爪を確認します。従いまして宝石の数が多いほど料金が高くなります。又、場合によっては宝石を外してからサイズを直し、直してから宝石をセットする場合もあります。その場合も料金が高くなります。
〇特殊デザインかどうか
ミル打ち、総彫り(ハワイアンなど)、コンケープ(えぐり)等々
〇ブランド指輪
ブランドの指輪は料金が高くなります。
〇以前に修理したことがあるか否か
修理の際のロー付けに同じ金属のローを使用せず、別な金属ローを使用しておることが多々あります。そう云う場合は、修理の後が黒くロー目として分かります。ただ使用上にはあまり問題はありませんが。ロー目を無くして欲しいと云われますと、その部分を切り取りますので金属の量が増え修理の料金が高くなります。プラチナのリングのサイズ直しに、プラチナローを使わずに金ローや銀ローで対応した場合です。
今回は指輪のサイズ直しに限定します。次回は『指輪の変形』、『爪の修理』『石合わせ』等に触れてみます。