新たな年 行政機関の信頼回復は
「戒名」って。。。
終活講座でお話していると、必ずと言っていいほど「戒名」が話題になり、多くの質問が出ます。宗教に関わる話題ですから、それぞれの方の心の持ち様や信仰に関わる問題なので、本来であればあまり深入りしたくない話題ですが、多くのトラブルを惹起している事項でもあり、あえて今回はコラムを書いて、読んでいただいた方とポイントだけは押さえておきたいなと思います。
「ほとんどの方が「戒名」をいただいています。」
日本では、葬儀という儀式に限ってみれば、90%以上が仏式、神道式とキリスト教式がそれぞれ3%弱、残りは無宗教式で実施されている以上、仏式では戒名をいただくのが基本ですから、9割以上の日本人に関わる問題です。
2012年4月にはある全国紙が調査したところ、「戒名不要」と回答した人が56%だったという結果も出ており、仕方なく戒名をもらっているような状況もあり、ここらへんが本来は不要なものにしぶしぶ金銭支払いを要すといった感情的トラブルの起きる要因かもしれません。
「戒名料」というものはなく、すべて「お布施」です。
いくら払うかは「その人の気持ち」であり、戒名を受け取る際の感謝の気持ちが「お布施」としての金銭に表れたものになります。難しいことを言うと、国税庁でもこれらの金銭収入を「税金のかからない宗教活動に伴う実質的な喜捨金」と認識しています。ですから、お寺さんときちんと腹を割ってお話して、ありがたい戒名をいただくこととしかアドバイスできないと思います。
「戒名は自分でつけることはできません。」
最近、パソコンで自分の戒名をつけられるソフトを見かけます。でも、自分で好きな戒名を選んでつけても、菩提寺の寺院には認めてもらえずにお墓に入れないというトラブルになりかねません。宗派によっても戒名の構成や使用文字に決まりがあります。戒名は「俗世間を離れ、仏門に帰依する際に贈る名前」と理解すれば、やはり使用したい文字や故人の生前のイメージなどを自分の宗派の菩提寺によく相談し、トラブルなく授かるべきものでしょう。
ちなみに、勝手に戒名を付けてしまい納骨に手間取ったらしい有名人として落語家の立川談志師匠がおりますが、参考までに墓石に刻まれているという師匠の戒名を書きましょう。きっとお釈迦様は驚いているかもしれませんね。
「立川雲黒齋家元勝手居士」
戒名については、まだまだ色んな事が話題になりますが、遺族の言い分・お寺さんの言い分それぞれがなるほどというものばかりです。最初に述べたように、宗教的な気持ちの持ち様や信仰によって考えが変わりますから、個別に問題が生じた際にじっくりご一緒に考えましょう。