新年度を迎えて 自然葬 海洋散骨 日本海
台風の影響で順延を繰り返しておりました海洋散骨について、秋空のもと、先日ようやく執り行う事が出来ました。
お隣の県からのご依頼者でしたが、「移動時間もさほど気にならないから~」と、順延原因となりました海洋状況にもご理解を頂き、まことにありがとうございました。
散骨当日はスッキリと澄み切った青空となり、海上から望む鳥海山も雄大な山肌を見せておりました。
船上を通り抜ける風は少し肌寒く、上着に重ねるライフジャケットが程良い防寒具となったようです。
港を出港して数十分、穏やかな波の中散骨ポイント到着しました。
「船に乗るのは初めての体験です」と、仰っていた乗船者の方々でしたが、終始笑顔が絶えず船酔いなど心配することもなく我々クルーも一安心です。
献花、献酒の後に、「亡き親父は大変お茶が好きで・・・」と、鞄から取り出したお茶を紙コップに入れて献花と一緒に海へと手向けておりました。
花びらも海風に乗り程良く散り、潮の動きもまた、ゆっくりで散骨されたご遺骨が夏の入道雲のように水面に広がり、いつまでもその形を留めており、皆さんで海に還るお父さんをいつまでも見送っておりました。
「黙祷!」
「3点鐘~!」
揺れる海では乗船者の安全を考慮して、座ったまま海洋葬を進行させて頂いておりましたが、今回は波も静かで施主の方、ご兄姉皆さん立ち姿で遠く水平線を静かに見つめている姿がとても印象的でした。
散骨葬を終え無事にマリーナへ帰港。施主のお顔には亡き父との約束、遺言通りにやりきった安堵感からでしょうか、晴れ晴れとしたそんなお顔にも見れました。
天候不良のため2ヶ月にまたがる事案となりましたが、私共も無事に大役を務め上げ、スタッフ一同ホッと胸をなで下ろしているところです。
終始ご理解とご協力を頂きまことにありがとうございました。
海洋散骨に関する詳細は・・・こちら
現代に見る葬儀の多様化
昨今のお葬式事情、遺言とはいえそれぞれ他人にはお話し出来ない、話したくない理由もそこには有るようです。どの形態が良いとか悪いとかでなく、故人を送る方々のお気持ち一つと思います。
地元業界の方にお伺しましても家族葬、直葬(※)や密葬(※)、どれも今では普通に行われていて大変増えてきているそうです。経済的な負担も少なく、またそれぞれの参列者予定も見込めない場合や故人の生き様にも大いに関係するところですが、親族や親友などで気兼ねなく故人を送ることが出来る理由等から最近非常に多くなっているそうです。
(※)直葬: お通夜、葬儀など格式張った式は行なわず、亡くなった病院から直接火葬場へ行く事。
(※)密葬: 親しい友人や親族だけでお通夜や葬儀を行う事、最近ではご近所、友人関係にも内緒で
行う葬儀を密葬と呼ぶそうです。
本当に限られた親族や特に親しい友人だけに知らせ、多くを秘密裏に行う葬儀、この様なお葬式もこの田舎町でも大変増えて来ている様です。
都会ではかつての有名人などが亡くなっても、親族や限られた友人だけで行い、後々のお別れ会などと呼ぶ葬儀形態が有名です。
今まさに親の最期を見とどけ、お葬式やお墓、菩提寺をどうするかなど悩んでいる方からのご相談も時々頂きます。
寺院関係者様からは、私も時々意見も頂きますが、私が考えるに昔ながらの格式張った世間常識にこだわる事は必要なく、自身の考えるままに出来る事から行動された方が、残された相談者の人生にも大きく係わって来くるわけで、
「節度を持って行動すれば何も恥じることもございません」
と、いつもお話しさせて頂いております。