新年度を迎えて 自然葬 海洋散骨 日本海
お盆過ぎの強い雨音、久しぶりの長雨で庭の草花も少しばかり元気づいたようです。
今年の庄内地方は雨が少なく日中は暑く、夜は寝苦しい日が続きました。日本中が真夏日続きで健康を害した方も多かったのではないでしょうか。季節の変わり目、皆様におかれましては、どうぞご自愛下さい。
さて、先日予定されておりました海洋散骨を執り行わさせて頂きました。
ご依頼者(乗船者)は県外在住の若い女性(故人の娘さん)と叔母さんのお二人。地元温泉に宿をとりこの日に合わせての来県でしたが、当日はあいにくの天候、海の波風も普段よりやや強く、波の高さ約1M、風速5Mほど。
以前の経験から年配の女性(若い方もそうですが)船酔いには、かなり気を配ります。この日も港内は穏やかでしたが外海に出ると高さ1Mほどの波が船を揺らします。前もって、翌日を予備日としている事を説明していましたので、
「気分悪くなったら、いつでも引き返しますから!」
エンジン音に被せながら大きな声で問いかけたましたところ、
「全然平気で~す! 潮風が気持ちい~!」(笑)
十数年ぶりに海から眺める故郷、海岸線や山々、集落を指さしながら叔母さんが姪に色々と説明してる話が聞こえてきます。
「小さい頃はよくお姉さんと、この海で泳いだもんよ♪」
生まれ故郷の海での散骨は、お母さんの遺言だったようで、聞けばこの日が亡くなったお母さんの誕生日との事。それを聞いて、なるほど納得しました。少しばかりの波の高さでも今日という日にこだわった訳です。
段々と波や風になれた頃、散骨ポイントに到着。静かに般若心経が流れるなか、粛々と海洋葬を執り行われ、最後の献花をするとき、風にも煽られ多くの花びらが勢いよく空へ舞い上がり、あたり一面波間に漂う花びらが、なんともきれいな海面となりました。
「さようなら~ お母さ~ん ありがとう~!」
「お姉さんもきっと大喜びでこの海で今泳いでいるわ!」(笑)
終始、このような和やかな会話の中での海洋散骨でしたが、予定のスケジュールを無難に終えた頃、
「少しばかりのクルージング、大丈夫でしょうか!お願いできますか?」
先様より突然のお声がけ!
お客様の船酔いを心配し、体調を伺ったところ、
「最高の気分です! お願いします♪ 夕日が見たいのですが少しばかり時間が早いですね♪」
これをお聞きして我々クルーも一安心、
「どちらまで行きましょうか?」
「由良沖、白山島!♪~♪~~♪」
時々スプレィー(波しぶき)も受けながら揺れる船上から彼方此方を撮影、スピードは18~20ノット(約35Km前後)この波風で結構なスピードでしたが、
「最高!来て良かった~!」
嬉しい一言がエンジン音に消されながらも確りと聞こえてきます。
庄内沖を一通り回ったところで静かにターン、散骨ポイントから少し離れた所を通りがかった時に、
「あっ! リース! 花びらが!」
波風に流されたのでしょう、先ほどのリースに花びらが沖合まで流されておりました。
「お母さ~ん さようなら~ また来るね~」
「お姉さ~ん さようなら~」
偶然でしょうか、こんな事もあるんですね。
広い海のなかで、何かしら不思議な出来事を感じさせながら無事に港に到着。
「あぁ~、ゆっくりしました。 ありがとうございました。 お世話になりました」
「お陰様で心のつかえが取れました。 ありがとうございました」
「1周忌、来年また来ます! お願いします!」
何度も何度も、お礼を繰り返すご依頼者をみて、本当にご満足されていると感じました。私達も仕事とはいえ、これほど感謝され、お役に立てたことに対して、とても嬉しい気持ちになりました。
人との出会いとは色々ですがこの様な形での出会いと別れ、心に熱いものを感じながら港を後にしました。
来年又お誘いが有りますように更に精進、私達も頑張ろう!誓いも新たにこの仕事に取り組み本当に良かったと皆で話しながら帰路に付きました。
来月も散骨予定が入っておりますが、どうかその日は穏やかな海でありますよう願います。
〇今回のお客様より、後日お礼のメールを頂戴しました。
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山形遺品整理 入澤様
お世話になります、〇〇です。
昨日夕方無事に〇〇に帰宅しました。
この度は本当にありがとうございました。
波風は多少あったものの、天候自体には恵まれましたし
なによりも入澤様とスタッフの方の親切な手配に
私も叔母も心から感謝しております。
母も今頃〇〇の海でのびのびしているだろうと思うと、
この上なく最善の形で遺言を達成できて本当に良かったです。
来年1周忌に海にお参りに出向きたいと思います。
その折にまた是非船をお願いしたい所存、来年初夏手前辺りで
またご連絡するかと思いますが何卒宜しくお願いいたします。
(以下省略)
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散骨に限らず、遺品整理のお客様からも、このようなお礼の電話やお手紙などを多数頂いております。
お客様の感謝の声を今まで以上、頂けるようにスタッフ一同頑張ってまいります。
海洋散骨については・・・・・こちらまで
山形遺品整理
直営 有限会社 風車
代表取締役 入澤和志郎