新年度を迎えて 自然葬 海洋散骨 日本海
2025年9月コラム
【家族の手で母を送る海洋散骨式】
春先からのご相談でした、初秋頃にご遺族乗船、自らの手で母を海へ還してやりたい・・
そんなご希望の中で計画を組んでおりましたがやはり秋です。
台風シーズンでもあり実行計画が2転3転と変わり
9月の中過ぎに要約とその日を・・
県内在住のご契約者様でもあり、お互いが毎日天気予報とのニラメッコ。
それでも最近の秋雨前線の動き次第で数時間先も予報がずれ変わります。
数時間先の予報にも変化が出る時期、已む無く前夜のご連絡で
当日早朝の決定でお願い出来ないかとご相談でした。
ご契約者もコロコロ変わる天気には心配もしており了解を頂きました。
お昼からの散骨計画を午前11時に変更お願い、それでも雨雲の移動が速く
その時間帯でも天気予報ではパラパラと降りそうとか・・不思議な雲行きです。
前日の風や波の残り具合、海面の確認と思い、朝6時ごろから海岸へ・・
東風の影響か多少のうねりは残っておりますが欠航するような状況でもありません。
7時頃に先様へ電話を入れて見ますと天気も晴で
既に酒田に向かい出発しているとの事でした。
出航する旨のご連絡ではありましたが1時間ほどで港まで行けそうとの事です。
9時過ぎ出港にお約束変項です。
ご契約者様が到着と同時に何時もの航海状況説明と乗船時の注意を。
記念撮影もそこそこでご夫婦乗船です。
母親の海洋散骨式、奥さんプレジャーボートは
初めての経験だそうですが旦那さんは海釣りなどで何度か経験もあるそうです。
10分程で外海に出ますがお二人に変わった様子も無くポイントまで移動です。




現在の天気は晴れ、鳥海山も稜線が見えております、風はやはり少し強め、
船を止めます前日の波のうねりで横揺れが・・
予報と違って傘も要らない状態で海洋散骨式を始めます。
三点鐘~ 船上に流れる♫~アメージンググレース♪~に乗せて散骨式も進行・・
手元に小さな母親の遺影を持ち夫婦で船べりを離れ行き花びらを見つめております。
花びらと雲模様のお母様を静かにお見送り、生前母親の好きだったお菓子やお餅も・・
晴てはおりますが強まる風を心配しながらも何とか無事に終える事が出来ました。
夕刻から強めの雨予報、アフトデッキで雨に濡れる事も無く
散骨式を終えられたご夫婦にも安堵感と笑顔が見えます。
私達も数日前から天気の心配ばかりでしたが先様の想いに応える事が出来て
本当に良かったと、先様とお別れ後に船の係留作業中には上空は晴れておりますが
何故かパラパラと雨が降ってきました。
1時間ズレていたら船上での海洋散骨式も危ぶまれる状況・・
お天道様に感謝の一日でした。
亡きお母様の海洋散骨式をご用命頂き有難う御座いました。
・・合掌・・
【生前から亡き父との約束 自分の死後は生まれ育った海へ散骨してほしい】
都会で暮らす娘さんからメールでご相談を頂きました。
若くして病に臥せるお父さんからの遺言だそうで・・。
(亡き父との約束です私達残された家族も同意しております。
当日は7~8名で乗船、父の地元の友人で住職さんも乗船読経予定です・
家族皆の手で父を見送りたいと思っております。
係る契約書の送付をお願い致します)
即日ご案内頂いたご住所まで契約書等の送付を、
数日後にはお母様からも直接のお電話が有りました。
亡くなって1周忌を迎えるその日に出来ないかと・・
2か月前からのお約束でした、カレンダーにその日を記載しておりましたが
その日が近くなるほどに天気予報はやはり前回と同じ狂いが発生。
前回のお約束も2転3転・・しかし今回は殆どの方が東京在住の方々です。
少なくても3日前には決定しませんと・・飛行機に新幹線、ホテル予約と
地元のご契約者には無い大変なお約束作業が先様には発生いたします。
そのお約束日が9月中過ぎ・・先日の海洋散骨式を思い出します。
互いに携帯電話で天気情報の確認、昼に夜に1週間ほど前から・・
3日前には私共の判断でもこの度は安全上も欠航するのが良いのではそれが賢明かと・・
約束翌日の予備日にも雨風予報が・午後からは防風警報が発令されそうな雲行きです。
お約束日の前日は強い雨と風予報が出ており弱い雨の中でも海洋散骨式は、
座席は濡れ横風が吹けば雨傘でも防ぎ様がなさそうで・・
先様の旅行計画にストップを掛けないと大変な事になるのではと心配で・・
【その日は出来そうにありません、予備日の翌日も同じか更に荒れる予報です】と
電話で伝えますと・・
(お約束日の天気が悪い事は理解しておりますそれでも予定通り私共は酒田に入ります。
その他の計画も有りますのでその日が出来なくても私共の責任で大丈夫です、
気にしないで下さい。当日出来ない場合は亡き主人との約束でもあり改めて予定を
組み直してお願い致します)
先様からのその様なお話を頂き少しは私共も気も楽にはなりますが・・
この時期の天気予報は良い方にも悪い方にも時々狂いが発生します。
前夜の電話でも先様の計画変更の無い事の確認を取りながらも
庄内空港に付いた段階で電話を頂く事にしておりました。
万が一にも良い方向に天気がズレ込む事を考えて私共は早朝からマリーナで待機を
しておりましたが朝方から雨が降り出す予報ですが7~8時でも一向に雨は降らず
時々空も雲が動き陽も差す状態です。
先様に電話を入れますと先ほど空港に付いたとの事で
レンタカーで現在マリーナに向かっているとの事です。
外海を見ている社員からの情報では現在、海面は少し波立っているが風で押し潰されている状態で運航には支障がないとの報告が入りました。
【此れから30分ほどで皆様マリーナへお集り出来る様でしたら
時間を繰り上げ本日の海洋散骨式は決行したいのですが
皆さんマリーナへの集合時間は大丈夫でしょうか?】
(えっ、本当ですか!後10分~15分有れば着きそうです、是非お願い致します!
嘘みたい!嬉しいです!)
こんなやり取りの中で皆様から時間通りに頂き集合頂きました。
ご挨拶、航海計画や注意事項を説明後、船上内での海洋散骨式を簡素化して
終了後には速やかに帰港致します、宜しいでしょうか?
皆様からはご納得とお約束を頂きながらこれからは天気との戦いです。
空は相変わらずどんよりと薄暗く今にも雨が降りそうですが外海に出て
鳥海山を見上げますと稜線も一部見え、雲が少し流れかかっておりますが
1時間程は天気も持つのではと微かな期待も出て来ます。
散骨ポイントに付き次第に三点鐘と同時期に黙祷を・・
風が強く船が流されることからエンジンは掛けながらの行事進行です。
船先を風上に向けながらの作業で花びらもお骨も一瞬にして船べりを離れていきます。
想い想いに持ちよった故人様の好きだった飲み物や古里のお餅・・色々と捧げております。



時間が掛かり少し心配でもありましたが最後に住職さんからお経をお願い致しました。
その時ばかりはエンジンを止め風の音こそ有りましたが皆で故人様を偲び静かに合掌。
乗船者様のご様子はと覗き見ますとお母様に娘さんは嗚咽、声が漏れ聞こえて来ます。
こんな天気でも、あ~やってよかったな~この時ばかりは私共も胸が一杯になりました。
勿論安全が第一、全ての安全条件下での作業に変わりはありません。
結果的には3時間ほどの天気のズレが発生、その結果でした。
一粒の雨に降られることも体調を崩される方も無く感傷に浸りながらも笑顔で帰港となり
ました。 昼過ぎにはお約束の強風警報が発令となりました・・・
亡きお父様の海洋散骨式にYAMAHIRO号 ご用命頂き有難う御座いました
亡きお父様に合掌・・・
【9月の遺品整理作業と孤独死現場の見積もり作業は次回のコラムで。】



