墓じまいと海洋散骨葬

2024年9月コラム

【墓じまいと海洋散骨葬】
秋彼岸も終えた頃、懸案だった墓石の撤去作業が間もなく始まります。
ご相談を受けてから約2か月が経とうとしております。

菩提寺開山堂より引き取りさせて頂きました大型の位牌堂、17代目家長により大正時代に新調されたと背面に記載されております。墓じまい催事に備え清掃磨き上げ最中に小抽斗の中より大変なものを発見致しました。
ご依頼人家系図とも匹敵する過去帳やメモ書きです。

江戸時代から続く家系で過去帳から読み取りますと初代没年号は万治（まんじ）
徳川家康、江戸幕府が開かれた時から遅れる事約40年後となります。
15代将軍慶喜が大政奉還宣言まで続いた江戸幕府も260年ほどで幕引きとなりましたが
今回ご依頼受けました家系は万事～現在の令和の時代も途切れることなく続いております。

約360年、位牌堂の中に納まるご位牌の枚数もかなりです。
過去帳からも年号に没日など詳しく記載されており正に日本の年号の移り変わりを
勉強しているような凄い物が残っているなと手に取りながら
唯々ため息ばかりが出て来ました。
位牌堂本体もお焚き上げ依頼品ではありますがご依頼人もこのような品が
納まっている位牌堂とは思ってもいない事でしょう。

ご依頼人様もご高齢ではありますが子供さん達は海外在住とかお伺いをしております。
ご自身の代で実家の祭祀財産だけは一区切りをと考えての事でしょう。
ご子息達も自身のルーツを気になりますのかなどは定かで御座いませんが
これほどの物、お焚き上げ供養の依頼品に含まれております。
勝手ながら墓じまい催事と一緒にお墓前にて御霊供膳を添え供養させて頂きました。
墓じまい作業の進捗状況報告時に詳細を書き留め
場所を取りません歴代の過去帳とご位牌は先様まで送付させて頂きました。
墓じまいで掘り起こされたご遺骨は全て海洋散骨葬で行う予定になっております。

作業着手前にお墓清掃、菩提寺住職、墓所組合長、親族に工事関係者出席頂き
墓じまい供養催事を行いました。この様子は都会で暮らすご依頼人様にも写真を添え
ご報告させて頂きました。





【海洋散骨予約　洗浄と乾燥　粉骨作業】
秋風が吹くようになり朝晩はめっきり肌寒さも感じます、かけ布団が欲しい時期です。
春先から数軒、海洋散骨葬に付きお問い合わせが御座いました。
その都度に必要な書類や手続きなどのご案内もしておりましたが
此処に来て数件纏めて再度のご相談が入りました。
1年ほど前のご相談者、半年前の方、色々ですがご相談時は基本的にお名前もご住所も
お話されない方が殆どで私共から改めてお伺いする事も御座いません。
只、それぞれに結構な長話をしておりますので何となくですが、
春先の方・・昨年の相談者では・・見当も尽きます。
中にはご家族、ご親族で長きに渡り悩まれた末の結論ではとも思います。

現代では合同墓や合祀墓、自然葬・・お墓埋葬から葬送スタイルも様々です。
この機会ですので簡単に合同墓と合祀墓に付いてご説明いたしますがハッキリとした
仕訳けや称号では御座いませんのでご了承願います。

合同墓と合祀墓、どちらも複数の故人の遺骨と一緒に埋葬するお墓では御座いますが
合同墓は骨壺や骨箱のままの埋葬で他人様のご遺骨と基本的に
混ざり合う事は御座いません。

合祀墓は基本的に骨箱や骨壺からお骨のみを取り出して埋葬するスタイルで
最初からお骨が他人様のご遺骨と混ざり合うことを意味します。

又納骨堂と言う新たな施設も増えてきております。
上記2点、最終行き先は地下スペースが殆どですが
納骨堂は基本的に建物の中にあり骨箱や骨壺状態で納める事が出来ますが
一区切りスペースで夫婦単位が限度でお墓と違い家族や先祖代々使う収納墓とは行きません。
墓じまいをされて納骨堂へご遺骨を移そうとしたが
持ち込まれた骨量が多くてお断りされたとかよく聞くお話です。
又お墓から掘り起こされた状態のお骨も汚れなどが多く見えお断りとなるようです。
平たく言えば納骨堂は一定期間お骨を預かる施設で時が経ては
（運営団体にもよりますが13回忌～33回忌～）後には合祀墓へ移されます。
何れにしても新規のお墓建造と維持管理からするといずれの手法も
お手頃な料金と言えましょう。
・・・余談でした、

上記案件などで長い間、親族皆様でご相談され此処にきて結論が出たようです。
本月だけで3家族、来月早々の執り行う事でお約束となりました。
その他1件は粉骨作業だけのご依頼でした、自分達家族で海洋散骨を行う予定とか。
亡きお父さんのご友人が漁師さんで（海洋葬をしてあげたい、本人も生前よく言っていた）
そのようなお話でした。息子さんがお父様のご遺骨を抱きかかえ来社、その作業もよく
ご覧になりご納得。粉骨作業はお骨半分だけ、残り半分はそのまま骨箱に収め持ち帰り、
後に墓所へ埋葬予定だそうです。

【他県から山形の実家、空き家整理と解体作業のご相談】
先月から山形の実家を整理したい等とお電話相談が重なりました。
訪問期日をお約束、それぞれの現場でご要望の確認など数時間を要してご相談です。
敷地内には雑草が生い茂り車の入る余地も無く、荒れ放題です。
ご近所さんからの苦情が出たのかなどは定かで御座いませんが夏先などの害虫対策も
一苦労だったのではと想像も出来ます。




一軒目のご相談者は市内地、残り1件は田舎の1軒屋です。
屋内の家財道具を整理後に解体、墓所墓じまいも・・相談案件が増えて来ます。
何方も遠方からのご相談者で地元滞在中はホテル泊り、経費も嵩みます。
月末にかけての案件で来月中には結論が出そうです。




　　　　　　　　　　　　　　　詳しくは次回のコラムでご報告致します。

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